シルクロードの今を征く Now on the Silk Road ネムルト・ダウ (1987年) 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 共編 掲載月日:2015年1月23日 更新:2019年4月~6月、 公開予定日 2020年7月31日 独立系メディア E-wave Tokyo 無断転載禁 |
| 総合メニュー(西アジア) トルコの世界遺産 世界遺産1 世界遺産1-2 世界遺産2 世界遺産3 世界遺産4 世界遺産5 世界遺産6 世界遺産7 世界遺産7-2 世界遺産7-3 世界遺産8 世界遺産9 世界遺産9-2 世界遺産9-3 世界遺産10 世界遺産11 世界遺産12 世界遺産13 世界遺産14 世界遺産14-2 世界遺産14-3 世界遺産14-4 世界遺産15 世界遺産16 世界遺産16-2 世界遺産16-3 世界遺産17 世界遺産17-2 世界遺産17-3 世界遺産17-4 世界遺産18 世界遺産18-2 次はトルコの世界遺産4です。 ◆ネムルト・ダウ (1987年) ![]() 出典:Wikipedia ネムルト山(ネムルト・ダウ、ネムルトダーゥ、トルコ語: Nemrut Dağ)は、トルコ東部の標高2,134 mの山です。アドゥヤマン近郊のキャフタから40km 北に位置しています。 概要 ![]() ネムルト山 saipal - https://www.flickr.com/photos/saipal/154381524/, CC 表示 2.0, リンクによる Source:Wikimedia Commons ネムルト山は19世紀後半にオスマン帝国軍が偶然山頂付近を行軍した際に、山頂部が人工的な建造物であったことが発見され、1881年にドイツ出身の技師カール・ゼシュター(Karl Sester)によって本格的な発掘調査が行われました。 ネムルト山の山頂には、コンマゲネ王国の王アンティオコス1世が紀元前62年に建てた、王自身の座像を含む8 - 9 m の巨大像が並ぶ巨大墳墓があるとされていますが、現在でも埋葬施設が発見されていません。 この事から現在でも、宗教上の儀式を執り行う場として機能していたとする説と、王自身がそこに永眠することを望んだ墓所とする説とが対立していますが、結論は出ていません。 直径152 m、高さ49mの頂上部には、王の座像のほか、2羽の鷲、2頭のライオン、様々なギリシャ神話やペルシャ神話の神々の像などが並んでいます。 神像にはゼウス=オロマズデス(ゼウスとアフラマズダが同一視された神)、アポロ=ミトラス、ヘラクレス、テュケ(ギリシャ神話の女神でコンマゲネ王国の守護神)などが含まれています。 いずれの像もギリシャ的な顔の造形と、ペルシャ的な服装・髪型の双方の特徴を備えています。また、山頂部は小石が積み上げられていますが、この小石は像を作った際に出た石材の破片を再利用したと見られています。 ![]() 首のない坐像 CC 表示-継承 3.0, リンク Source:Wikimedia Commons ネムルト山の山頂部分にアンティオコス1世の墓があり、玄室も存在するという説は現在も考古学界に支持されていますが、小石を人工的に積み上げて造られているため、崩落の危険性が非常に高く、発掘後の復元の可能性が低いことから、発掘調査ができないという結論に達しています。 玄室自体も小石を積み上げて造られていると推定されており、盗掘防止のための措置と見られています。このような建造技術は現代には伝わっていないため、復元は不可能という意見が大半を占めています(それ以前に、崩落の危険性から発掘ができないとされています)。 ![]() 立ち並ぶ首像 onur kocatas - https://www.flickr.com/photos/iwasinturkey/465045899/sizes/o/, CC 表示-継承 2.0, リンクによる Source:Wikimedia Commons 王や神々の像は座して並んでおり、それぞれの像に名前が刻まれていますが、いずれの坐像も首から上がありません。それらの頭部は、像の足元に散在し、一部は鼻が損壊されていますこのことから、地震のために頭部が転げ落ちたとする説と、イスラム教徒による偶像破壊運動の一環とする説が挙がっています。 レリーフの施された石版が見つかっており、それらはフリーズ(装飾のある壁)を形成していたと考えられています。そこにはアンティコス1世の系譜が刻まれ、彼がマケドニア人とペルシャ人双方に起源を持つことが示されています。 神像はいたるところに見られますが、多くは東側と西側に集中しています。西側のテラスには、木星、水星、火星などの星の配列を眺める獅子のレリーフが刻まれた石版があり、紀元前62年6月7日を示しています。この日付は建造が始まった時を表している可能性があります。東部の保存状態は良く、東西のテラスを結んでいた壁付きの廊下の痕跡なども残っています。 観光客がよく訪れるのは6月から8月で、近隣の町は車やバスで観光しようとする人たちで賑わっています。また、ヘリコプターによる観光も可能です。 世界遺産登録基準 この世界遺産は世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録されました(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用です)。 (1) 人類の創造的才能を表現する傑作。 ( 3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。 (4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。 世界遺産5へつづく |