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2014年12月24日、午前中は秩父市の旧荒川村にある寺院を4つほど回りました。この日一つ目と2つ目の訪問先、長泉院、清雲寺には増上寺の石灯籠がそれぞれ2基ずつあるとされています。 長泉院、清雲寺の場所は、通称、彩甲斐街道、国道140号線で秩父市中心部から山梨県側に向かい、途中、清雲寺のしだれ桜の看板が出ているところで左折します。近くには浦山ダムがあります。私達は秩父市の中心部から国道140線で来ました。 長泉院の位置 出典:グーグルマップ 下は左折後、長泉院までの地図です。背後には小高い丘があります。また隣には春のしだれ桜で有名な清雲寺があります。清雲寺は次の訪問寺です。 長泉院の位置 出典:グーグルマップ 途中以下の札所29番、長泉院の看板が立っています。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-12-24 ◆長泉院の概要 ・秩父札所二十九番 長泉院 ・笹戸山(ささどさん) 長泉院(ちょうせんいん) ・本尊:聖観世音菩薩 宗派:曹洞宗 ・住所:埼玉県秩父市荒川上田野557 ・電話:0494−54−1106 長泉院は曹洞宗の寺院で、開山は正暦元年(990)平安時代の中期です。無住の観音堂であったのですが、元亀2年に日野沢(皆野町)大通院より和尚を招聘、以降曹洞宗に列して寺院としての面目を得ています。 堂宇はその後何度も火災に遭っていますが、現在の本堂は場所を移し、天保4年に建てられたものです。 日本有数の石札が残ることから石札堂とも呼ばれ、本堂左側の竹林も寺院のたたずまいを際立たせています。 なお、札堂のいわれは、性空上人ら十三権者が、文暦元年(1234年)秩父巡礼をした際に、石札を納めたことによっています。「石札定置巡礼」と彫られた石札(せきさつ)は、寺宝として本尊の前にまつられています。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-12-24 ◆長専院の縁起、歴史 長泉院は、飛沼(とぬま)太郎右衛門を開基に、正暦元年(990)の創建と伝えられます。 長泉院は、石札堂(せきさつどう)ともいいます。堂宇は、その後両三度の火災に遭い、天保4年(1833)現在の地に場所を移し、今日の本堂となっています。間口七間半、奥行六間半で、大間の格天井は、江戸納札会の寄進による千社札をもって構成したもので、その意匠は特異のものとなっています。 秩父札所29番寺の入口のしだれ桜の下に「篠戸山長泉禪院」と深彫りされた苔むした立派な石碑があります。その右側には、石の延命地蔵が「二十九番」と彫られた台座の上に座っています。 秩父札所29番の昔の観音堂は、寺の前方にある小山の頂上近くの岩山に懸崖造りで建っていましたが、焼失してしまったので、江戸中期に寺内に移されました。間口7間、奥行5間半の寄棟瓦葺きの堂であります。 一木一草に至るまで手入れの行き届いた境内は、いかにも観音の霊地らしさを感じられます。秩父札所29番の本堂正面の欄間に、寺宝の一つである板絵額があります。 葛飾北斎52歳と署名入りの楼花の絵であります。またこの寺が石札堂と呼ばれるのは、1234年円教寺開山性空上人が、秩父巡礼の折納めたという古い石札があるからであります。 昔、山峡の渕の中に光るものが見えるので里人は何だろうと怪しんでいました。その時、十数人の僧が現れて小笹の茂る岩屋の中の観音像を見出し、お堂を建ててお祀りしたのが寺の創始であるとされています。 出典:札所遍路29番笹戸山長泉院のご案内(伽藍の記述も) http://www.geocities.jp/fudasyo34_jp/temple-29.htm 以下は、「埼玉県秩父市札所巡り」からの情報です。 秩父札所29番寺の入口のしだれ桜の下に「篠戸山長泉禪院」と深彫りされた苔むした立派な石碑、その右側には、石の延命地蔵が「二十九番」と彫られた台座の上に座っています。秩父札所29番の昔の観音堂は、寺の前方にある小山の頂上近くの岩山に懸崖造りで建っていたが、焼失してしまったので、江戸中期に寺内に移されました。間口7間、奥行5間半の寄棟瓦葺きの堂であります。一木一草に至るまで手入れの行き届いた境内は、いかにも観音の霊地らしさを感じられます。秩父札所29番の本堂正面の欄間に、寺宝の一つである板絵額があります。葛飾北斎52歳と署名入りの楼花の絵であります。またこの寺が石札堂と呼ばれるのは、1234年円教寺開山性空上人が、秩父巡礼の折納めたという古い石札があるからであります。昔、山峡の渕の中に光るものが見えるので里人は何だろうと怪しんでいました。その時、十数人の僧が現れて小笹の茂る岩屋の中の観音像を見出し、お堂を建ててお祀りしたのが寺の創始であるといいます。 ◆青雲寺の伽藍など 長泉院の駐車場から本堂に向かう参道の入り口です。左側は小高い丘となっています。 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2014-12-24 参道の入口の右手には「笹戸山石札道場」と刻まれた石碑が、左手には「笹戸山長泉禅寺」と刻まれた石碑があります。左手の石碑の後ろには「よみがえりの一本桜」と呼ばれるみごとな枝ぶりの枝垂れ桜が根を張っています。 参道から境内へ 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-12-24 大きな石灯篭の間を進むと間口の広い本堂の正面にでます。 堂内の天井は、文字を彫りつけており、千社札が貼り付けられています。黒漆を塗った納札天井となっています。 堂内正面には葛飾北斎の描いた「桜図額」が掲げられています。札所二十九番が「石札堂」(正式には「石札道場」)といわれるのは、文暦元年(1234年)に性空上人が秩父を巡錫(じゅんしゃく)したおりに、石札を納めたことに由来しています。 以下がその本堂です。 本堂の手前の両側には上の写真のように石灯籠がありました。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-12-24 本堂です。沢山の千社札が貼り付けられています。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-12-24 長泉院のの石札は熊野産の黒石で、高さ25cm、幅8.5cm、厚さ2.5cmで、「石札定置巡礼」と刻まれています。伝えによると秩父観音霊場開山のおり、熊野権現より奉納されたものといわれています。 このような石札が、西国二十四番津の国山中寺と、坂東は筑波の大御堂と、当寺の 3ヶ所に納められたと伝えられています。 長泉院のの石札(せきさつ) 出典:秩父市
本堂の前にある水盤舎 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-12-24 本堂の前方に新しいお堂があります。ここには紅葉大権現が祀られております。昔はこの奥の山中にあって、山村火災を防いでくれると村人に信仰されていました。今は火伏せの神として寺院をはじめ、信者の家を守ってくださるといいます。 新しいお堂。ここには紅葉大権現が祀られています。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-12-24 新しいお堂。ここには紅葉大権現が祀られています。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-12-24 下の写真のお稲荷神社には豊川稲荷のご分霊が祀られています。寺院守護、家内安全、豊作のご利益があると信仰されております。 稲荷神社には豊川稲荷のご分霊が祀られています。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-12-24 下は長泉院のよく手入れされた庭です。 長泉院のお庭 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-12-24 ◆長泉寺にある増上寺からの移築された 石灯籠についての実態調査 伊藤氏の増上寺の石灯籠の移築調査によると、以下に示すように、長泉院には文昭院と有章院の灯籠が一基ずつ2基の灯籠があることになっています。ちなみに文昭院 は、徳川家宣の院号、有章院は徳川家継の院号です。 出典:※伊藤 友己氏 増上寺の石灯籠 <参考> 徳川家康 安国院(あんこくいん) 徳川秀忠 台徳院(だいとくいん) 徳川家光 大猷院(たいゆういいん) 徳川家綱 厳有院(げんゆういん) 徳川綱吉 常憲院(じょうけんいん) 徳川家宣 文昭院(ぶんしょういん)......増上寺 徳川家継 有章院(ゆうしょういん)......増上寺 徳川吉宗 有徳院 (ゆうとくいん) 徳川家重 惇信院 (じゅんしんいん) 徳川家治 浚明院(しゅんめいいん) 徳川家斉 文恭院(ぶんきょういん) 徳川家慶 慎徳院(しんとくいん) 徳川家定 温恭院(おんきょういん) 徳川家茂 昭徳院(しょうとくいん) ◆青山貞一・池田こみち:歴代徳川将軍家家系 ◆池田こみち:徳川歴代将軍の生誕・没年月日と将軍在位期間(和暦対応表) 下は本堂の前に鎮座する2つの増上寺の灯籠です。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-12-24 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S6400 2014-12-24 下は上の写真の左側の石灯籠です。 新しいお堂。ここには紅葉大権現が祀られています。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-12-24 下は上の写真の右側の石灯籠です。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-12-24 左側の灯籠には文昭院の刻印があります。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-12-24 右側の灯籠には有章院の刻印があります。 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-12-24 ということで、リストにあった2つの文章院 と有章院の石灯籠合計2基を現地で確認することが出来ました。 |