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図 福島放射線現地調査ルート図 出典:環境総合研究所 ●福島大学金谷川キャンパス 福島大学キャンパスの位置図 2011年6月19日の夕方、私たちは二本松市を後に北上し、その昔、青山、池田が冬、夏に集中講義を行った福島大学金谷川キャンパスに向かった。 福島大学金谷川キャンパスで放射線を測定した。 表 福島県福島大学で測定した放射線量(2011.6.18) 単位:μSv/h
下の汚染図は、よく引用される文部科学省と米国エネルギー省が共同実施した放射線量測定マップだが、福島市を見ると、伊達市との境界線近くで1.0〜1.9さらに1.9〜3.8μSv/hと非常に高い地域があることが分かる。 ただ、下の汚染図は4月29日現在の値に換算したものであり、すでに2ヶ月弱経っているので放射線量が減少しているはずだが、南相馬市の海側より遙かに放射線量が高い福島市の実態を調査することは今回の現地調査のひとつの大きな目的でもある。 出典:文部科学省及び米国エネルギー省 ●福島市 福島市とは(公式ホームページ) 福島市の位置図 下はグーグルマップ(衛星)で見た福島市の中心市街地。 私たちは福島大学金谷川キャンパスを後に福島市の中心市街地を目指した。 福島市は、福島県中通り北部に位置する都市。福島県の県庁所在地であり、中通り北部の中心都市である。現在の人口は約29万人。 市域は、旧信夫(しのぶ)郡全域と周辺の旧伊達郡、旧安達郡の一部村落を加えた範囲に及び、福島盆地の南西側とその外周山岳部を占める。市内には飯坂温泉をはじめ、高湯温泉や土湯温泉などの温泉が多く、桃、梨、リンゴ、さくらんぼなどの果樹の栽培が盛んであり、フルーツライン沿いには果樹園が広がることから、果物王国の異名を持つ。 福島原発事故との関連では、原発から約60kmも離れているのにもかかわらず、高い放射線量が確認されており、小中学校生への影響が懸念されている。 以下、福島市街で行った放射線測定の主な現場を写真で示す。 最初は、国道4号阿武隈川を渡る大仏橋の南側土手下、城向付近で測定。 大仏橋下の駐車場 撮影:青山貞一 結果は下表のように1m高、5cm高ともに非常に高い。 表 福島市街地の固定測定放射線量(2011.6.19) 単位:μSv/h
次に、国道114号が阿武隈川を渡る渡利大橋の北側土手で計る。 阿武隈川の渡利大橋近く 撮影:青山貞一 ここも下表のように結構高い。 表 福島市街地の固定測定放射線量(2011.6.19) 単位:μSv/h
次は福島市役所前を通り福島県庁隣にある紅葉山公園で測定する。小雨だが住民が寄ってきていろいろと質問する。 福島県庁の隣りにある紅葉山公園 撮影:青山貞一 紅葉山公園もやはり高い。 表 福島市街地の固定測定放射線量(2011.6.19) 単位:μSv/h
次に、清明町8付近(小学校となり)で測定。 清明町8付近(小学校となり) 撮影:青山貞一 清明町8付近(小学校となり) 撮影:青山貞一 表 福島市街地の固定測定放射線量(2011.6.19) 単位:μSv/h
次は県道148号が荒川を渡る信夫橋の北側土手2カ所で測定する。 荒川信夫橋の標識 荒川にかかる信夫橋土手で測定する鷹取、池田 撮影:青山貞一 荒川にかかる信夫橋土手で測定する鷹取、池田 撮影:青山貞一 結果は以下のように、2カ所とも非常に高い。とくに側溝では6.8μSv/hと今回調査の現時点での最高値を記録する。 表 福島市街地の固定測定放射線量(2011.6.19) 単位:μSv/h
さらに清明小 校庭の南側フェンス敷地外でも2カ所測定する。 福島市立清明小学校横で測定する池田、鷹取 撮影:青山貞一 福島市立清明小学校グラウンドフェンス外で測定する池田こみち 撮影:青山貞一 ここは小学校グラウンドの隣りだが1m、5cmともに高い。 表 福島市街地の固定測定放射線量(2011.6.19) 単位:μSv/h
清明小学校南フェンス敷地外で測定した後、私たちは今日の宿泊地である二本松駅前にあるホテルに向かう。途中、国道4号(福島南バイパス)、岩田付近、メガネセンター駐車場でも測定する。 国道4号(福島南バイパス)、岩田付近、メガネセンター駐車場 撮影:青山貞一 中心市街地よりわずかに低くなるが、やはり高い。 表 福島市街地の固定測定放射線量(2011.6.19) 単位:μSv/h
このあと国道4号を二本松市に向けて進む。途中、道の駅安達 駐車場で測定する。ここは、二本松市との福島市の市境に位置する。 道の駅安達 駐車場で測定 撮影:青山貞一 道の駅安達 駐車場で測定(You Tube) 撮影:青山貞一 国道4号(福島南バイパス)、岩田付近、メガネセンター駐車場に比べると若干下がるが原発から60km以上離れている割にはやはり高い。 表 福島市街地の固定測定放射線量(2011.6.19) 単位:μSv/h
以下は福島市内中心市街地の測定結果である。 表 福島市街地の固定測定放射線量(2011.6.19) 単位:μSv/h
実は私たちが福島放射線測定調査を行っていたとき、福島市も市内一斉放射線量測定結果を6月17日と20日に行っていた。以下のグラフはそれらの1100以上に及ぶ市内一斉調査結果を環境総合研究所が集計したものである。 |
図 福島市一斉放射線量測定結果(平成23年6月17日、20日に実施、地上1m高)、
環境総合研究所(東京都品川区)が集計しグラフを作成
福島市の一斉調査結果はほぼ正規分布しているが、私たちが中心市街地で測定した結果(1.34〜2.25、いずれも地上1m)もほぼ平均値(1.5〜1.6)を挟み両側30%の範囲にあることが分かった。 小中学校が多い福島市中心市街地の放射線量は、原発事故から3ヶ月以上を経過し、60km以上離れているにもかかわらず、総じて非常に高いことが分かった。 つづく |