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真夏のスペイン

スペイン・アンダルシア短訪

セビリア・スペイン広場

鷹取敦

掲載月日:2016年9月15日
 独立系メディア E−wave
無断転載禁


内容目次
  1 歴史的背景 付 滞在中の個人線量記録
マラガ 8/14 2 歴史と街並み | 3 ヒブラルファロ城 | 4 アルカサバ
8/19 5 カテドラル | 6 ピカソ美術館・ピカソの生家 | 7 フェリア・デ・マラガ
8/20 8 アタラサナス中央市場
セビリア 8/15 9 歴史と街並み | 10 アルカサル | 11 カテドラル
| 12 マエストランサ闘牛場・黄金の塔 | 13 スペイン広場
コルドバ 8/16 14 歴史と街並み | 15 ビアナ宮殿 | 16 ポトロ広場・ローマ橋
| 17 メスキータ | 18 アルカサル・シナゴガ・アルモドバル門 | 19 灯火のキリスト広場
グラナダ 8/17 20 歴史と街並み | 21 サンタ・アナ教会・アルバイシン地区 | 22 カテドラル・マドラサ
| 23 アルハンブラ・庭園 | 24 アルハンブラ・宮殿 | 25 フラメンコ

■サン・テルモ宮殿

 道の反対側に宮殿が見えてきました。

 1682年に海軍兵士の遺児のための教育施設兼進学校として航海大学によって建設されたバロック様式の建物です。そのため航海士の守護神である聖テルモにちなんで名前がつけられています。1788年には航海訓練学校となり、1848年にはモンパンシェ公爵の住居となりました。

 現在はアンダルシア州政府の建物として使われています。


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

■イベロ・アメリカ博覧会(1929年)

 1929年、セビリアで「イベロ・アメリカ博覧会」が開催されました。イベロ・アメリカ(Ibero-America)とは、アメリカ州のかつてスペインとポルトガルの植民地だった国々のことを意味します(スペイン、ポルトガル自身を含むことがあります)。イギリスで言えば、発足したころの英連邦(コモンウェルス)にあたるでしょうか。

 このイベロ・アメリカの博覧会が1929年の「本国」スペインのセビリアで開催されました。

 下は博覧会の時のチリ・パビリオンで、現在はセビリア美術学校の施設です。(参考


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 下は博覧会の時のウルグアイ・パビリオンで、現在はセビリア大学の施設です。(参考


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 下はロペ・デ・ベガ劇場(Teatro Lope de Vega)です。ロペ・デ・ベガ(1562年〜1635年)は、マドリード生まれのスペインの劇作家、詩人です。17世紀に入る頃にはスペイン最高の劇作家として知られていました。同名の劇場がかつてマドリードにもありました。(この建物は博覧会のパビリオンではありません。)

 ロペ・デ・ベガは、スペインの無敵艦隊がイングランドに侵攻した際のアルマダの海戦(1588年)に一兵卒として参加しています。ちなみにドン・キホーテの作者セルバンテスはキリスト教国の「神聖同盟」とオスマン帝国が戦ったレパントの海戦に兵隊として参戦し(1571年)被弾して左腕の自由を失い、海賊につかまりアルジェで捕虜として5年間を過ごすなど、数奇な人生を送っています。この時代も戦争の時代であったことがわかります。


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 下の写真は下は1929年の博覧会の時のペルー・パビリオンで現在は、2008年以降、博物館「Casa de la Ciencia」(House Science Museum)として使われています。科学と環境に関する博物館のようです。(参考


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 下はグーグルマップみた上空からの写真です。左上の一角が、歩いてきたところで、このあたりに博覧会のパビリオンだった建物が集まっています。そして、右側にある半円形の広場が「スペイン広場」です。これも博覧会のパビリオンでした。


出典:グーグルマップ

■スペイン広場

 スペイン広場はサン・テルモ宮殿の庭園の一部であったマリア・ルイサ公園の中にあります。ここまでに見てきた建物群と同様、1929年に開催されたイベロ・アメリカ博覧会のスペイン・パビリオンとして建設された、セビリア出身の建築家アニバル・ゴンザレスの作品です。半円形のアーチの手すりの下には、スペインの各県の特徴や主な歴史的出来事がタイル模様になって58も並んでいます。(参考

 建物はアーチが続く柱廊のある直径170mの半円形で、両側に高さ80mの塔があります。

 マリア・ルイサ公園やスペイン広場は市民の憩いの場所となっています。

 ここまでに通ってきたパビリオンの建物群から、スペイン広場あるマリア・ルイサ公園を通り抜けます。下が公園の入口です。


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 スペイン広場の正面に出ました。


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 下は広角写真ですが、まだ両側の塔が入っていません。


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 下の写真は向かって右側の塔です。


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 正面にスペイン広場を設計した建築家アニバル・ゴンザレスの銅像があります。


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 夏のアンダルシア地方はとても暑いので、人が集まるところは、どこに行っても下の写真のようなアイスクリーム屋さんがあります。ムスリムの女性がなにか注文しているところのようです。


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 宮殿の前には下の写真のような池があり、ボートに乗っている人達もいました。


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 ムデハル様式(?)の建物の細かいところをみると、博覧会のスペイン・パビリオンらしく、いろいろな要素が盛り込まれていることが分かります。


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 下は回廊の天井部分です。


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 回廊の手すりの内側です。都市の名前と紋章が入っています。


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 回廊の外側は下の写真のようになっています。都市毎に1つ1つ違います。下の写真はコルドバです。


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 回廊の2階に上がれる階段が1カ所ありました。2階はバルコニーが壊れかけていて、一部立ち入り禁止となっていました。


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 広場中央の噴水の風下側に人が集まっています。水しぶきがかかって少し涼むことが出来るのです。


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 下の写真はスペイン広場から出て北東の交差点の角にあった建物です。さきほどの元パビリオンの建物群と同じ一角にあります。「Casino del la Exposicion」(参考)という建物です。博覧会会場のカジノ(?)だったのかもしれません。現在は美術関係の施設となっているようです。現代半世紀のスペインの美術についてキュレーターとコレクターの対話の場所を提供しています、という趣旨のことが公式サイトに書かれていました。


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 サン・テルモ宮殿(下の写真)とセビリア大学(2つ下の写真)の間を通って、ホテルに向かいます。


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 セビリア大学(Universidad de Sevilla)は公立大学で、建物は市内各地に分散しています。本部は旧王立タバコ工場に置かれていますが、この建物は18世紀のスペインで最も大きな、排水施設、地下配管、総合換気施設などを備えたかつ産業革命以前としてはもっとも斬新な建物の1つでした。3000名の女性がタバコ製造に携わり、有名なカルメンの話もここから生まれました。

 下の写真は正面入口からみると西側面にあたります。敷地の周りには空堀が巡らされています。以前は水が入っていたのかも知れません。


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 アルカサルの隣にあるアルカサル庭園を北上し、ホテルのある旧ユダヤ人街方面に向かいます。


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 ふたたび狭い道を抜けて、ホテルの前にあるレストランで食事をしました。


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 下は奥の建物がホテル、手前はレストランの席です。真夏の暑さにもかかわらず、レストランの建物の中で食事をする人は少なく、外のテラス席?が好まれるようです。19時すぎですが外気温は32.6℃です。直射日光がないので、それでも比較的快適です。


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 以下は二人分の食事です。スペイン語のメニューを見ながらタパスセット2人前を注文しました。なお右列2段目にあるパンは、どこのレストランでも注文しなくても出てきます。パンの味や堅さなどそれぞれ個性があります。

 なお、タパスはスペイン語のふた(タパ)から来ている小皿料理の総称です。ワインには小皿料理がつきもので、昔、バルでワイングラスを運ぶ際にパン等でふたをしていたことが由来のようです。

 上の段左からサングリア、右がロシアンサラダ、2段目の左がアルボンディガス(ミートボール)、右がパン、3段目が小魚のフリット(揚げ物)、小エビのフリット(?)、4段目がトルティージャ(スペイン風オムレツ)、デザートで別に注文したプリンです。


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 そしてアイスコーヒーは、やはりコーヒーと氷の入ったグラスです。


撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

  翌朝は早朝7時前のまだ暗い時刻にホテルを出て、列車でコルドバに向かいます。


つづく