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◆上流でも鉄筋コンクリ3〜4階で被害が! 大槌町の大内稲荷神社の上から見た安渡地区にある状況は筆舌に尽くせないものがありました。安渡地区の外れには大きな船が漁港から500m以上離れた内陸に横たわっていた。 唯一あった3階のコンクリート構造物(タクシー会社の社屋、港から500mの距離)がポツンと広大な沿岸域に残っていた。 この安渡地区に住んでいた地域住民は、津波があったら、そのタクシー会社の屋上に逃げればと考えていたとのことだ。そして実際、住民は逃げ込んだが、その屋上を超える津波があり、波に呑まれたと宮司さんがおっしゃっていた。 下の写真はぽつんと残ったタクシー会社の3階建て社屋である。 ただし、この3階屋上に逃げたひとびとも帰らぬ人となった。後の高台に見える建物が神社である。 岩手県大槌町にて 撮影:青山貞一 大槌町の被災地 2011.8.24 動画撮影:青山貞一 ただ、この大槌町でも前回の大津波の教訓から比較的高台に住居を建てた世帯はいずれも家屋の破壊は免れ、死亡者、行方不明者もほとんどなかったとのことだ。たまたま愛知県知多半島から親類が神社にきていたが、彼女の親類は高台に家を建てていたので無事であったとのことである。 下の衛星画像は神社(A)とタクシー会社(下)と高台の住宅(右上)の位置関係を示したものである。安渡の文字のすぐ右に打ち上げられた船も見える。 神社(A)とタクシー会社(下)と高台の住宅(右上)の位置関係 出典:グーグルマップ 打ち上げられた船。高台の家はいずれも無事 岩手県大槌町安渡にて 撮影:青山貞一 ◆湾や港に流れ込む河川の上流域での影響・被害 津波の高さ及び被害は、地形、海洋地形、とくに太平洋に対する湾口の位置、湾奥までの地形によって大きく異なっていることが分かった。 これは4−6月に実施した福島県臨海部全域の調査(目視、動画、聞き取り、地図などの資料)でも分かっていたことだが、岩手南部、宮城北部のリアス式海岸では、さらにそれが顕著であることを実感している。 以下は大槌港の入江から約2km上流の河川敷に建つマンションである。このマンションは入江から2km上流でありながら、地上3階にまで津波が押し寄せていた。 岩手県大槌町にて 撮影:青山貞一 岩手県大槌町上町(大槌港から3.5km上流)にて 撮影:青山貞一 下は気仙沼市沿岸域の写真である。この場所は気仙沼港にに入江をもつ河川の3.5km上流に建つ鉄筋コンクリート3階の建築物であるが、何と3.5km上流でも津波の深刻な被害が起きていることが分かる。 気仙沼市にて 撮影:青山貞一 他方、釜石の臨海部では、NHKなどのテレビでも放映していたが、年取った母親を自宅の3階屋上に避難させた女性が3階まで津波が押し寄せたが、棟屋に二人でしがみつき被害を免れたと、釜石市桜木町にお住まいの池田さんの知り合いが話してくれた。 以下の2つの動画は、釜石市の市民が撮影した津波被害の映像である。 出典:You Tube 東日本大震災・釜石市只越町 津波の映像 Part1 vista014 出典:You Tube 東日本大震災・釜石市只越町 津波の映像 Part2 vista014 つづく |