かつてカジミエーシュ王の居城があった小さくて
美しい中世そのものが残るカジミエーシュ村
撮影：青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.13
つづく
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| 前半 後半 全体 ■現地調査の目的 ここ１０年、青山研究室では大学で「公共政策論：研究の一環として、戦争がもたらす人間社会、環境、歴史文化への影響、被害について継続的に研究を行っており、その一環として欧州に散在する強制収容所の調査を行ってきた。それら現地調査をもとに青山が担当する公共政策論、環境政策論などの授業で若い学生に伝えてきた。 今回の現地調査の主目的は第２次世界大戦中のナチス・ドイツによるユダヤ人などの強制収容実態にあるが、それに関連した地域、また戦争により破壊された町並みを市民の手で修復し希有な景観を形成しているワルシャワはじめ中小都市の現地視察も調査目的となっている。 具体的な目的は以下の通りである。 (1)ポーランド南部と南東部に集中するナチス・ドイツが設置し ユダヤ人などを強制収容し虐殺した収容所、 (2)ナチス・ドイツにより徹底的に破壊されたワルシャワはじめ 各地の歴史的町並み、 (3)市民の手による町並みの修復・復旧・保存、 (4)ナチス・ドイツの侵攻に対して各地で起きた市民蜂起、 (5)市民蜂起に対するナチス・ドイツの対応、 を視察すること。 そのため２００９年３月７日から３月１５日にかけ、私達は厳寒のポーランドへの現地調査を敢行した。 ■町並みの修復・復元・保存： 現地調査の訪問地 ●ワルシャワ旧市街 幾たびかの戦禍に見舞われたワルシャワ(Warsaw)の町並み修復と景観形成は世界的に有名である。ワルシャワの町並み修復はかなり大規模なものであり、クラクフ通りに沿って南北に行われている。 具体的には、戦争によって破壊される前の各建築物、構造物の設計図、写真、絵画、スケッチなどをもとにひび割れ部分まで忠実に修復しているという。私自身、欧州を中心に世界各地の旧市街を視察しているが、これほど大規模な中世の町並みは見たことが無く、驚嘆した。  修復・復元されたワルシャワの旧市街 撮影：青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.8  修復・復元された現在のワルシャワ王宮 撮影：青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.8 実際、修復・再生があまりにも精緻であるので、まるで中世の町のなかにいる錯覚にとらわれる。  ワルシャワ旧市街の中心、旧王宮の前で 撮影：青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.8  ワルシャワ旧市街の夕暮れ 撮影：青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.13  ワルシャワ大学正門前に立つ筆者 撮影：Nikon Cool Pix S10 2009.3.8 今回の現地調査では、上記のワルシャワを皮切りに、かつてポーランドの首都であった南部のクラクフ(Krakow)、さらに東部のジェシェフ（Rzezsow）、南東部でウクライナと接するプジェミシェル（Przemsl）、西部のザモシチ(Zamosc)、ルブリン（Lublin）、さらにカジミエーシュ（Kazimierz）の各都市、町、村を視察した。 ●クラクフ旧市街 クラクフは、奇跡的に戦禍にまみれなかった数少ない旧市街であり、中世の建築物、城、教会などが多数一体として残っている。私達はクラクフ旧市街の真ん中にある欧州有数の大規模な中央市場広場に隣接するホテルに滞在したこともあり、旧市街をあますことなく視察することができた。  クラクフ歴史地区の中核部、中央市場広場。右側にある大きなルネッサンス風の建築物が織物会館。右側の塔が旧市庁舎の塔 From Wikipedia, the free encyclopedia  奇跡的に戦災を免れた古都、クラクフの中央市場広場（世界遺産） 撮影：青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.9  奇跡的に戦災を免れた古都、クラクフの中央市場広場（世界遺産） 撮影：青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.9  クラクフの織物会館にある店 撮影：青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.9  撮影：青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.9 クラクフは戦禍を免れた世界遺産の古都であるとともに、第二次世界大戦時にナチス・ドイツが設置し膨大な命を奪ったアウシュビッツ強制収容所、アウシュビッツⅡのビルケナウ強制収容所に行く中継基地でもある。  クラクフのヴァベル城の鐘楼から見たクラクフ旧市街(世界遺産） 撮影：青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.9  クラクフ旧王宮の中庭 撮影：青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.9  クラクフのヴァヴェル城大聖堂 撮影：青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.9 クラクフ本駅東口にあるバスターミナルから約１時間半でアウシュビッツ博物館に到着する。アウシュビッツからビルケナウは２ｋｍ弱離れているが、無料バスの送迎がある。入場料はいずれも無料、インフォメーションには４ズロチで日本語の案内が買える。またアウシュビッツにはカフェテリア形式のレストランもある。 ●プジェミシル  ウクライナのリヴィブに近い小さくて美しい古都プジェミシル 撮影：青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.11  小さくて美しい古都、プジェミシル 撮影：青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.11  小さくて美しい古都、プジェミシル 撮影：青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.8 ●ジェシェフ旧市街  早朝のジェシェフ旧市街の広場 撮影：青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.118  ジェシェフ旧市街の早朝 撮影：青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.11 ●ザモシチ旧市街 ポーランド西部の世界遺産都市であり要塞都市であるザモシチ(Zamosc)も視察した。 ザモチチは、南部のクラクフ(Krakow)同様ポーランドの大部分の旧市街が第一次、第二次世界大戦などで破壊されたが、奇跡的に戦災、戦禍を免れた町であり、中世の町並みがそのまま見られる。  中世の町並みがそのまま残る要塞都市、ザモシチ（世界遺産） 撮影：青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.12  ザモシチの要塞（世界遺産） 撮影：青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.12  ザモシチ旧市街のアーケード（世界遺産） 撮影：青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.12 ●ルブリン旧市街 ルブリンは北海とバルト海と黒海を結ぶ交易の要所として栄えた。戦禍にまみれたが現在はかなり修復が進んでいる。現在は人口３０万人超の中規模の都市となっているが、旧市街はクラクフ門とリブフィン城を核として修復、保存が積極的に進められている。  夕暮れのルブリンのクラクフ門。 撮影：青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.12  ルブリン城の中庭。城全体が博物館となっている 撮影：青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.13  ルブリンの教会群 撮影：青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.13  撮影：青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.12 ●カジミエーシュ旧市街  カジミエーシュ城跡からみたヴィスワ河畔 撮影：青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.3.13  |