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バルト3国現地調査 リトアニア
ヴィリニュス歴史地区E
聖ペテロ・パウロ教会

青山貞一 Teiichi Aoyama

10 April 2010 無断転載禁
初出:独立系メディア「今日のコラム」

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【ヴィリニュス歴史地区】 【カウナス第9要塞博物館】
旧市庁舎から夜明けの門 第九要塞博物館@
ヴィリニュス大聖堂 ナチス・ドイツによるバルト3国殺害数
聖ヨハネ教会とヴィリニュス大学 第九要塞博物館A
ヴィリニュス大学周辺の教会 バルト3国におけるユダヤ人虐殺
聖アンナ教会と聖ミカエル教会 【カウナス歴史地区】
聖ペテロ・パウロ教会 カウナス市街へ
杉原千畝記念碑 聖ペテロ・パウロ大聖堂
3つの十字架の丘 旧市庁舎・ヤコブ教会
【ヴィリニュス博物館】 カウナス城・ネムナス川
KGB(絶滅)博物館@ 【シャウレイ・十字架の丘】
KGB(絶滅)博物館A カウナスから「十字架の丘」へ
KGB(絶滅)博物館B シャウレイの丘
国立ユダヤ博物館 「十字架の丘」の歴史

●2月16日(火) 終日:ヴィリニュス

 聖アンナ教会を視察した後、教会内部の彫刻のすばらしさで東欧随一とされる聖ペテロ・パウロ教会に向かう。

 この教会は、ヴィリニュス旧市街で最も東のはずれのアンタカルニス地区にある教会で、聖アンナ教会からは、マイロニオ通りを一旦ネリス川に戻り、ネリス川に沿い都合2.5kmほど東側に向かって行ったところにある。

 ヴィリニュス旧市街の面積は、東欧随一というでなく欧州一の広さをもっていると言われるだけあり非常に広い。しかもヴィリニュスを代表するバロック建築でもある。

 仮に聖アンナ教会から聖ペテロ・パウロ教会に、積雪で足を取られるこの時期、徒歩で行くとなると、それだけで1時間弱かかることになる。

 車を飛ばし聖ペテロ・パウロ教会に向かうが、到着したもののここでも車の置き場所に困るが、何とか駐車場を確保。

 下の写真は雪に埋もれた聖ペテロ・パウロ教会(Sv. Petro ir Povilo Baznycia)である。
 

ビルニュス旧市街郊外にある聖ペテロ・パウロ教会
内部の彫刻は欧州ピカイチ

撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 16 Feb. 2010

 この聖ペテロ・パウロ教会リトアニアバロックの真珠とも言われ、最も傑出した建築様式の教会である。

 聖ペテロ・パウロ教会は、1668〜1674年に建築されている。

 内装には、さらにその後、30年の歳月を要したとされている。

 教会の設立者であるGrand Hetman M.K.Pacas は彼自身がラテン語で教会建物前面の部分に次のように記している。すなわち 「平和の女王、平和のなかで我々を力づける」(Regina Pacis funda nos in pace) Pacas一族の鎧が教会入り口の上部に設置されている。

 教会内部の内装は、イタリアのP.PertiとG.M.Galliによって装飾され、建築、彫刻及び芸術が調和した融合の美を作り出している。

 世界を劇場に見立てるという考え方のもと、およそ2000の人物像が配置されている。祭壇の後ろには有名な画家P.Smugleviciusによる聖ペテロと聖パウロの絵が掲げられている。


撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 16 Feb. 2010

 聖ペテロ・パウロ教会の玄関に立つ池田さん。


聖ペテロ・パウロ教会の入り口にて
撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 16 Feb. 2010

 以下の写真は、聖ペテロ・パウロ教会内部の壁面、天井ドームなどに施された彫刻群である。入った途端にこのような秀逸、精緻な彫刻に接し、驚嘆させられる!


聖ペテロ・パウロ教会内部の漆喰彫刻群
撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 16 Feb. 2010

 聖ペテロ・パウロ教会内部には実に2000を超す漆喰彫刻があるという。その内容は、ペテロ、パウロの聖人、天使、植物などなど。さらに想像上の物まである。


聖ペテロ・パウロ教会内部の漆喰彫刻群
撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 16 Feb. 2010

 これらの漆喰彫刻は、イタリアから招かれた彫刻職人や地元リトアニアの数100人に及ぶ彫刻職人によってつくられたという。それにしてもすばらしい彫刻で息をのむばかりだ。


聖ペテロ・パウロ教会内部の漆喰彫刻群
撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 16 Feb. 2010

 教会建築や漆喰彫刻のための資金は、当時のバツァス将軍であり、入り口の右壁に「ここに罪人眠る」と書かれた墓石が見える。


聖ペテロ・パウロ教会内部の漆喰彫刻群
撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 16 Feb. 2010

 漆喰彫刻のテーマは、聖書や神話がもとになっている。また地元リトアニアの戦史からとられたものもある。さらに漆喰彫刻をよく見ると女性をモチーフとしたものが多い(たとえば下の写真)。しかも、女性の表情は教会に差し込んでくる光によって変化して見えるように工夫されているというから、すごい!


聖ペテロ・パウロ教会内部の漆喰彫刻群
撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 16 Feb. 2010



聖ペテロ・パウロ教会内部の漆喰彫刻群
撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 16 Feb. 2010



聖ペテロ・パウロ教会内部の漆喰彫刻群
撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 16 Feb. 2010


つづく


【参考資料】
・地球の歩き方、「バルト3国、エストニア・ラトヴィア・リトアニア」、ダイヤモンド社
・Wikipedeia English Edition