■日本ロマンチック街道とは 今年のゴールデンウィークは、東は長野県上田市、西は栃木県宇都宮市に至る通称、<日本ロマンチック街道>沿いの上信越のまちの春を感じることを目標とした。 日本ロマンチック街道は西から上田市、東御市、小諸市、御代田町、軽井沢町、嬬恋村、長野原町、草津町、六合村、東吾妻町、中之条町、渋川市、高山村、沼田市、昭和村、みなかみ町、川場村、片品村、日光市、鹿沼市、宇都宮市が対象となっている。 このロマンチック街道には、上信越高原国立公園、尾瀬国立公園、日光国立公園と日本を代表する3つの国立公園が東西に横たわっている。 ![]() 太字は今回実際にでかけたまちである。草津、日光、宇都宮を残し、日本ロマンチック街道に含まれる15の市町村を訪問し、「春」を感じることが出来た。 |
■2009年5月3日(日)午後、花曇り
●早春の野反湖へ
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昼食後、国道292号線から国道405号線経由で群馬県と長野県、新潟県境にある野反湖を目指す。
野反湖は群馬県と長野県と新潟県の結節点で気象変化が激しく、いついっても霧が深くて、湖面すら満足に見えないことが多い。
吾妻渓谷や八ツ場ダム工事現場は国道145号線(約標高600m)沿いにある。そこで国道145号線から一旦国道292号線に入った後、標高約1550mの地点にある野反湖に向かう。
道の駅六合村は国道292号線沿いにあるが、その後、右折し国道405号線に入る。その後、405号線をひたすら車で登る。
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図1 グーグルアースで見た野反湖への道
作成:青山貞一
道の駅六合村から国道405号線を車で約1時間、国道405号線を上ると、忽然と野反湖に出会う。下図での左側が長野県側、右側が新潟県側、手間が群馬県側である。長野県側は、長野市北部の中野市に近い。
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図2 グーグルアースで作成した野反湖とその周辺の3次元図
出典:青山貞一、初秋を野反湖に見る、2007.9
下図はグーグルマップで見た野反湖周辺の地形である。野反湖の標高は1500−1600mだが周辺の山は1800m以上もある。
野反湖は、その昔、東京電力が水力発電を行うため山間地を堰き止めてできたダム湖だ。完成は1956年である。すでに53年の歳月がたっている。
そのなこともあり、はじめた見た人は誰もこれが人造湖であるとは思わない。坂本弁護士も自然湖と思っていた。
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図3 グーグルマップで作成した野反湖とその周辺の地形図
作成:青山貞一
野反湖には、図4にあるように車の到着地である「現在位置」から高山植物群落を見ながらいくつかのトレッキングルートが楽しめる。
湖畔には2つのキャンプ場もあり、キャンプが楽しめる。さらにお金(1000円)を払えば湖畔で釣りも楽しめ、まさに自然と共生できる贅沢なリゾート地でありエコツーリズムの場でもある。
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図4 野反湖周辺トレッキングコース
やっとのことで野反湖に到着する。今日は天気はいまいちだが、下の写真のように残雪の野反湖がよく見えた。
雪が残る野反湖を見るのは初めてだ。
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撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.5.3
しかし、春がまだ浅くて高山植物はほとんど何も出会えない。昨年秋に来たときには、下のブロブにあるように湖畔でヤナギランの大群生が見れた。
青山・池田:立秋の上信越高原を行く @野反湖に再び挑戦 |
青山・池田:立秋の上信越高原を行く A野反湖の自然景観 |
青山・池田:立秋の上信越高原を行く B野反湖の高山植物 |
いつものように湖面近くまで降る。
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野反湖の湖畔に降りる途中にて
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.5.3
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野反湖の湖畔に降りる途中にて
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.5.3
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野反湖の湖畔にて
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.5.3
湖畔では下の写真のように雪原をトレッキングする。まるでスキー場にいるようだ。赤岩で買った杖(ストック)が効果を発揮する
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野反湖の湖畔で残雪が多い場所で、雪原トレッキング
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.5.3
下は一番残雪が多いところ。1m以上ある。まるで冬山登山のよう。
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まるで冬山登山。ポーズを撮る池田さん
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.5.3
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撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.5.3
途中、湖がよく見えるところで一休み。しっかり着ていたので寒くない。気持ちが良く、ついつい寝てしまう。池田さんによると、浅間牧場の天丸山に引き続き「ガオー」とイビキをかいていたそうだ(笑い)。
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撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.5.3
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西側湖畔でひとやすみ
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.5.3
その後、ダムがある北側に向かう。下の写真は野反湖の北端にあるダム本体。ここにも雪が残っていた。ダムの下には東京電力の発電所がある。
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北端のダムの前で
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.5.3
やはり野反湖の北端には残雪が多く、湖面近くには立ち寄れない。車も通行止めとなっていた。その間隙を縫って釣りをしているひとを発見。
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北端で釣りをするひとを発見
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.5.3
北端にある休憩所のおみやげ屋で坂本さんはそばせんべい、青山は杏を買う。そばせんべいは結構オイシイ。
当初計画では草津の大滝の湯に行く予定だったが、ゴールデンウィーク真っ最中は芋洗い状態と推察し、予定を変更。
早春の寒々した野反湖を後に、赤岩にある六合村村営の温泉、「長英の隠れ湯」に向かう。長英はいうまでもなく幕末の蘭学者で蘭医の高野長英。
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六合村赤岩の長英の隠れ湯(長英温泉)
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.5.3
この「長英の隠れ湯」は露天風呂はないがなかなかいい湯だ。
ひとり400円。温泉のあと、長野原町の大津のスーパーで買い物し、鬼押しハイウェー経由で別荘へ戻る。
■今日の夕食
北軽井沢別荘での夕飯は、青山がバルセロナ仕込みの各種キノコなど野菜とソーセージ・ベーコンのトマト味の特製リゾットを、そして池田が野菜サラダをつくる。デザートはいちご。
日本ではなかなか本格的なリゾットは、どこのイタリアンの店でも食べれない。理由は簡単。リゾットは、刻んだタマネギと一緒に無洗米をフライパンでオリーブオイルとガーリックで炒めるところからはじめるのが正統。その後、野菜や魚介などの具を入れ、コンソメスープ、塩、胡椒などで味を付け、じっくり煮る。
簡単に言えば時間がかかるのだ。リゾットは雑炊やおじや、ピラフとまったく異なり、一から炒め、煮なければならないのでそれなりの時間がかかるから、店ではなかなか本物のリゾットは食べれない。作り置きのものをチンで温めるのは邪道でありインチキなのだ。
今日はイタリアから輸入したトマトソースと各種キノコ(イタリア語ではフンギという)、ベーコン、ソーセージとワイン、コンソメ、チーズなどを材料に特製のリゾットをつくる。
一度、ミラノの高級レストランでリゾットを注文したことがあるが、時間はかかったもののすばらしくおいしいリゾットを食べることができた。ただし、値段も値段でおどろいた。自分で作ればリーズナブルでおいしいリゾットが沢山食べれる!
■追記
ところで、今回の旅行で坂本博之弁護士が世界史、とくに西洋、アジアの歴史の大家であることが分かった。
車の中や夜の食事のときに、今まで訪問した国々の歴史文化について話しかけたとき、どんな質問にも年号を含め正確に答えてくれたのである。
また坂本さんは私からしてみるとトンデモな場所に出かけている。
六合村の赤岩はその昔、養蚕農家が多数あり、ここから横浜まで高崎、八王子などを経由してシルクが運ばれたのではないかという話しになったときだ。
さらに中国から欧州に至るシルクロードやカイバル峠に話しが移ったとき、6000−7000m級の山脈の谷間の棚田にあって、アンズの花が一斉に咲き乱れるフンザに、一度行ってみたいと青山が言ったら、坂本さんがボクは2000年にパキスタンに行ったとき、フンザまで足を伸ばしたと言い出したのは驚いた。
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アンズの花が咲き乱れる春のフンザ(パキスタン北部)
出典:NHKのシルクロード50選より
聞けば、2001年9月11日のいわゆる9.11の直前に奥様と子どもさんを連れ、パキスタンのイスラマバード、ペシャワール経由でフンザに行っていた!!季節が春でなかったのでフンザの村にアンズが一面咲き乱れる桃源郷はみれなかったそうだが、なかなかたいしたひとだと感心してしまった。
続く