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 シルクロードの今を征く
Now on the Silk Road

 シリアの文化1

(Culture of Syria)

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda 共編
掲載月日:2015年1月23日 更新:2019年4月~6月
独立系メディア E-wave Tokyo
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 次はシリアの文化1です。

◆シリアの文化1

国民


伝統的な衣装に身を包んだダマスカスの市民
Arian Zwegers - Damascus, traditional clothing, CC 表示 2.0, リンクによる
Source:Wikimedia Commons

人口2,200万人のうち、2015年時点では国内避難民として少なくとも760万人以上が居住地を放棄して国内移動を行っているほか、約400万人が難民として国外へ流出しています。

 シリア難民の最多流出国はトルコ(213万人)、次いでヨルダン(140万人)、レバノン(119万人)となっています。

民族

 住民は、アラブ人が90%で、クルド人が8%ほど、そのほかにアルメニア人、ギリシャ人などがいます。アラブ人の中にはシリア語を母語とする部族もいるため民族性も多様化しています。少数民族としてネストリウス派(アッシリア人)、北コーカサス系民族、南トルコ系民族もいます。

言語

 言語は現代標準アラビア語が公用語である。そのほかにもアラビア語の方言(レバント方言)、イラク方言、ナジュド方言、北メソポタミア・アラビア語)、シリア語(典礼言語として)、クルド語、アルメニア語、アゼルバイジャン語、現代アラム語(英語版)(アッシリア現代アラム語、現代西アラム語)が使われる。

 さらにフランス委任統治領時代の影響でフランス語も使われているが、隣国レバノンと異なり一部エリート層の使用に限られるなど通用度は高くない。

宗教


出典:Wikipedia

 スンナ派アラブ人 (60%)
 スンナ派クルド人 (8%)
 アラウィー派アラブ人 (13%)
 キリスト教徒アラブ人 (12%)
 ドゥルーズ派アラブ人 (3%)
 イスマーイール派アラブ人 (2%)
 十二イマーム派アラブ人 (1%)
 その他 (1%)

宗教構成(シリア)


出典:Wikipedia

 宗教は、イスラム教スンナ派が約70%。他のイスラム教の宗派(アラウィー派、ドゥルーズ派、イスマーイール派、十二イマーム派などがあわせて約20%、これらの少数宗派はすべてシーア派とみなす場合もあるが、アラウィー派とドゥルーズ派をシーア派に含めない場合もある。

 系統不明瞭なアラウィー派が現在シーア派の一派として扱われるのは、1973年にシリアの大統領ハーフィズ・アル=アサドの働きかけにより、レバノンの十二イマーム派のイマームであったムーサー・アッ=サドル(英語版)が、アラウィー派をシーア派の一派と看做すファトワーを発したことによる。

 そして、ドゥルーズ派はイスマーイール派から分派した宗派である。しかし、アラウィー派とドゥルーズ派の教義はグノーシス主義や神秘主義の強い影響を受けており、イスラーム教とさえみなされない場合もあるなど、スンナ派や十二イマーム派からの厳しい異端視に晒されてきた。また、イスマーイール派もオスマン帝国時代に弾圧を受けた。

 キリスト教(非カルケドン派のシリア正教会、東方正教会のアンティオキア総主教庁、東方典礼カトリックのマロン典礼カトリック教会など)は約10%である。

 そのほかには、アレヴィー派やヤズィード派などの少数宗派があり、アレヴィー派はトルコマン人によって、ヤズィード派はクルド人によって信仰されているが、併せて約1%ほどである。シリア国内の人口比で約8%を占めるクルド人のほとんどはスンナ派を信仰しており、ヤズィード派を信仰するものはごく一部である。

 元来、都市部に住む富裕層にはスンナ派が多く、これらの名望家層はオスマン帝国時代から政治エリートとして大きな影響力を誇っていた。第一次世界大戦後、新たな支配者としてシリアを委任統治したフランスはスンナ派有力者たちの影響力を押さえ、統治を円滑化するために少数宗派を優遇し、スンナ派以外の諸宗派に政治や軍事への門戸を開いた。

 また、同じスンナ派であっても都市部の有力者達は相互に姻戚関係で結びつき、その特権意識から農村部に住む人々や貧困層を「大衆」と呼んで蔑むなど、大きな格差が存在していた。都市部に住むスンナ派エリート層によって政治から排除されてきた人々は、シリア独立後、バアス党や共産党などの左派政党の政治運動へ支持・共鳴を示した。左派政治組織の支持拡大に対して、保守的な人々はムスリム同胞団との結びつきを強めた。

婚姻

 イスラム教徒の女性は婚姻時に改姓することはない(夫婦別姓)一方、改姓する女性もいる[62]。

教育

 シリアの教育は小学校6年間、中学校3年間、高等学校3年間の6・3・3制で小学校の6年間が義務教育であり、生徒の80%がイスラム教徒のため男女共学の高校は存在しないとされる[63]。

交通

鉄道


 シリア国鉄が運行されており、路線総延長は2,423キロに及び、アラブ諸国の中では数少ない鉄道網が整備されている国である。ダマスカス鉄道駅からトルコのイスタンブールへの直通列車も運行されていた。しかしながら2012年以降は内戦で運行停止状態となっている。

空港

 ダマスカス国際空港、アレッポ国際空港、バーセル・アル=アサド国際空港(ラタキア空港)などの国際空港があり、シリア・アラブ航空によって運航されている。

文化

 古代より文明が栄えた土地のため、また各文明の交流地点のため高度な文化が発達した。国内の各地にアッシリア帝国時代の遺跡が点在する。また西洋風の町並み・服装が浸透している。

世界遺産

 シリアの世界遺産の詳細は別頁があります。


パルミラ遺跡
Heretiq - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 2.5, リンクによる
Source:Wikimedia Commons

 シリア国内には、ユネスコの世界遺産リストに登録された文化遺産が6件存在する。

 古都ダマスクス
 パルミラの遺跡
 古代都市ボスラ
 古都アレッポ
 クラック・デ・シュヴァリエとカラット・サラーフ・アッディーン
 シリア北部の古代村落群


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