ボロブドウール寺院遺跡群 Archaeological site of Borobdur temple サムドラ・ラクサ船 海のシルクロード Museum Kapal Samudra Raksa 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 掲載月日:2017年1月31日 独立系メディア E−wave Tokyo 無断転載禁 |
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◆海のシルクロードと仏教伝来 一方、以下に示した二枚の航路図(いずれも展示室にありました)を見ると、ジャワ島からスマトラ、東パキスタン、インド、セイロンを経由し中東やマダガスカル島まで伸びていることが分かります。 これらのルートは、まさに「シナモン・ルート」に類する古代インドネシア・インド洋の香辛料の海上交易ルートであつたと推察できます。 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900 2016-11-18 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900 2016-11-18 一方、これらの香辛料の海上交易ルートは、同時に「海のシルクロード」でもあるはずです。さらに言えば、ボロブドゥールに象徴されるジャワ島の仏教伝来とも関係がありそうです。 事実、以下の「シルクロードと仏教の広がり」の地図には、インドネシアのボロブドゥールが仏教伝来の南のターミナル(南端)であることが示されています。右下にボロブドゥールがあります。さらに言えば、以下の地図にはありませんが、インドからインドネシアのジャワ島にヒンズー教が伝わるルートでもあるはずです。 出典:仏教への誘い 第11回 シルクロードの仏教 http://todaibussei.or.jp/asahi_buddhism/11.html 下の地図は、「シルクロード」と「海のシルクロード」を色により分けた地図です。 赤が陸のシルクロード、青が海のシルクロードです。これを見ると、「海のシルクロード」は、やはりジャワ島が南東のターミナルとなっています。 この「海のシルクロード」は、紅海・アラビア海・インド洋沿岸から、マライ・スマトラ・インドシナ半島沿岸を経て中国南部に至る海上ルートであり、接岸航行を主としていました。このルートは危険性が高く、内陸コースより利用度が低かったと考えられます。しかし唐とイスラム文化圏の成立以後、「シルクロード」は活発となったのです。 それはオスマントルコが興隆、猛威を極めた15 世紀末に始まる新航路の発見以後は、一挙にメインルートの地位を占めるに至ったのです。 この「海のシルクロード」は、仏教がインドからスリランカ、東パキスタン(現在のバングラ)、ビルマ(現在のミャンマー)、マレーシアなどを通ってインドネシアに伝わるルートであるとともに、逆にインドネシアのジャワの絹や綿などのろうけつ染めなどの「バティック」をインド、中東、ペルシャを通じヨーロッパに伝えるルートでもあったことが容易に想定されます。もちろん、これは青山、池田の推論に過ぎませんが、十分考えられることだと思います。 経済的に重要なシルクロード(赤)と香辛料貿易のルート(青)は、オスマン帝国時代に遮断されます。1453年のビザンツ帝国の崩壊は、アフリカ航路開拓のための探検を促し、大航海時代を引き起こしました。 香辛料交易 出典:Wikipedia つづく |