A Field Trip on Environmental Mission, Strategy and Policy
in State, Cities and NPO/NGOs in California, March 2008

4日目:サクラメント州政府&州議会

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda
March 2008 転載禁
カリフォルニア環境紀行:4日目:サクラメント(州政府、議会) 全体概要  初日;SanFrancisco
2日目:SanFrancisco(Greenaction) 2日目:Oakland City-Berkeley(GAIA) 2日目:SFO Down Town
3日目:SFO Golden Gate Park  3日目:City of SFO  3日目;Berkeley(Urban Ore, GCM)
4日目:San Pablo Bay  4日目: Sacramento(State EPA, State Assembly, State University)
 5日目:LakeTahoe South  5日目:LakeTahoe North   5日目:Sacramento Old Town
 6日目:Altamont Path(Wind Farm)  6日目:SantaCruz & Half Moon Bay
 番外;Flower

◆2008年3月27日(水)

 サクラメントまで5kmのところで遠くにサクラメント市街の高層ビルが見えてくる。

 とはいえ、サクラメントは約人口45万人、州政府、州議会、カリフォルニア州地方裁判所、サクラメント市などの行政機関中心の小さな町で、サンフランシスコやニューヨークのような超高層ビルなどない。


カリフォルニア州内の都市の人口、面積、人口密度

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 さらに近づくと、州際ハイウェー80号と州道50号線の分岐点に出会う。サクラメントのダウンタウンに行くので、ここでお世話になった80号線とお別れし州道50号に移る。

 50号を3kmほど進み、サクラメントのダウンタウンに向う275線に乗り換えるとアメリカン川にかかる黄色い橋の遥か遠方にカリフォルニア州議会議事堂のドームが見えてきた。


撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 in down town Sacramento, California


撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 in down town Sacramento, California


撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 in down town Sacramento, California

 やっとサクラメントに到着だ。私はサクラメントがはじめてなので、何度かきている池田さんにざっと中心市街地を車で案内していもらう。

 前述したように、この町は州政府とサクラメント市関連の施設が散在するいわば新行政ディスクリクトであり、サンフランシスコのような喧騒や雑踏はまったくない。

 中心街には要所に大きな市民公園が配置され、道路もやたら広く、碁盤の目に配置されており、至極歩きやすい。ビルの玄関におもしろいブロンズがあったので、撮影。


撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 in down town Sacramento, California


撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 in down town Sacramento, California

 ただ、サンフランシスコ同様、一方通行が多いので、車での移動は非常に難しい。

 ちょうど昼時となったので、車を置いてどこかのレストランに入ろうと考えたが、この町では何と、駐車が容易でない。

 後で分かったのだが、サクラメント市街では、路上駐車は午前8時から午後6時、しかも一階に1時間しかできないことになっている。いくつかある公共駐車場は午後6時以降も駐車できるが、1時間当たりの値段が路上に比べると倍以上となる。民間駐車場はさらにその2倍ほどで高い。

 まだ昼なので9th通りとG通りが交差する近くにあるカフェの前に路上駐車する。ここではサンフランシスコのように5セント、10セントは使えず、すべてクォーターすなわち25セントだけしか使えない。1時間分を入れチャヴェス通りを左に見ながら歩く。路面の市電が走るK通りを左折し少し行くと、やっといくつかレストランが見えてきた。

 カフェテラス方式の中華レストランがあるので入る。まだ11時40分なのでそれほどお客はいない。焼きそばにカレー風味のシチューをかけたものと大きな飲み物あわせて7ドルと安い。いつもながら量は多い。


ダウンタウンにあったバイキング形式の中華レストラン
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 Chinese Restrant in down town Sacramento


ダウンタウンにあったバイキング形式の中華レストラン
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 Chinese Restrant in down town Sacramento

 池田さんはチャーハンの上に八宝菜をかけたものを頼む。12時近くになると、首から
IDカードをぶら下げているオフィスワーカーがたくさん入ってくる。女性の多くはテークアウトで持って帰っている。安くて量があってそこそこうまい。

そんなこともあり、翌日タホ湖からサクラメントに帰ったあとの夕食もここでと思い出かけたが、何とこのまちは午後5時30分ごろに完全にクローズドしてしまうらしく、おいしくて安いこの中華料理店はすでに閉まっていた。おそらくサクラメントの中心街では昼食以外しごとにならないのだろう。

昼食後、「9th」と「G」の通りが交差するカフェにいったん戻り、カフェでコーヒーを飲みながら午後の機関訪問の作戦を練る。訪問先はすべてここから歩いてゆける距離にあるので楽だ。路上駐車させている車を移動させクォーターを入れる。

 最初はカリフォルニア州環境保護局だ。州のEPAはチャベス公園に面しており、簡単に行ける。EPAが入っている高層ビルは全館禁煙だ。

 入り口以前に「ここから禁煙」という境界線というかポイントがある。今回訪問したサンフランシスコ市など公共施設はここに限らずすべて禁煙だった。さらに
EPAのビルは省エネ設計で、太陽光発電はじめ各種の自然エネルギーを活用した設計となっていて、各種の賞をもらっているとのこと。


カリフォルニア州環境保護局の入り口にて
Photo:Teiichi in front of California state EPA
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 at California State EPA in Sacramento, California


カリフォルニア州環境保護局の入り口にて
Photo:Komichi in front of California state EPA
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 at California State EPA in Sacramento, California

 1階の受付で環境保護局の地球温暖化や気候変動関連の担当部署に連絡を入れてもらう。対応はすごく親切ですばらしい。5分ほどで女性の担当者が気候変動対策法、カリフォルニア州の自動車排ガスに含まれる二酸化炭素排出規制関連の資料を持ってきた。あらかじめカリフォルニア州政府vs連邦環境保護庁の間で現在起きている規制物質の指定と規制権限をめぐる訴訟については情報収集してあるので要点について質疑を行う。何でも彼女の親類が名古屋や串本にいるとのことだ。収集資料および議論については帰国報告に書く。


   ●訪問先:カリフォルニア州政府 環境保護局
         (California State EPA)

     視察及び議論:気候変動・地球温暖化政策担当者
     議論及び情報収集内容:
     (1)カリフォルニア州の気候変動・地球温暖化政策
     (2)カリフォルニア州の2006年の地球温暖化対策法の概要
       California Global Warming Solutions Act of 2006
     (3)シュワルツ・ネッガー・カリフォルニア州知事及び州議会への
       州の気候変動対策チームによるアクション報告作成の
       経緯と具体的内容
     (4)自動車排ガス起源の二酸化炭素等温室効果ガスの規制を巡る
       連邦政府(環境保護庁)vsカリフォルニア州の間での訴訟
     (5)カリフォルニア州大気資源委員会による大気汚染・有害化学物質
       削減のための各種州法・規則改正提案
     (6)カリフォルニア州大気資源委員会による各種公聴会、公開討論会
       の概要

     カリフォルニア州環境保護局のWeb
     http://www.calepa.ca.gov/

     Air Resouces Board のWeb
     http://www.arb.ca.gov/homepage.htm

     彼女から頂いた Climate Action Team Report のPDF版
       

カリフォルニア州環境保護局の気候変動・地球温暖化対策担当者と
Photo:Komichi with global warming and climate change policy making
staff of California state EPA
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 at California State EPA in Sacramento, California


カリフォルニア州環境保護局の気候変動・地球温暖化対策担当者と
Photo:Teiichi with global warming and climate change policy making
staff of California state EPA
撮影:池田こみち、Nikon CoolPix S10 at California State EPA in Sacramento, California

 カリフォルニア州政府ではその他、大気汚染規制、廃棄物政策としてのゼロウェイスト政策などについて担当者と議論し資料をいただいた。

 カリフォルニア州政府での調査が一段落したので、となりにあるサクラメント市のシティーホールに飛び込みで入ってみた。しかし、受付にいた女性は環境部局、廃棄物担当部署がわからず、とりあえず断念した。サクラメントは行政機関や大学が集中しており、一般世帯の割合はそれほど多くないまちなので、サンフランシスコ、オークランド、バークレーなどのように一般廃棄物に関連したゴミ政策はそれほど重視していないのかもしれない。

 次の訪問はカリフォルニア州議会である。州議会はサクラメント市ダウンタウンの中心ある。当初、EPAに可能ならシュワルツネッガー知事を表敬訪問したいと要望していたが、知事の日程上最終的に無理となった。残念だが仕方ない。知事の政策秘書から議会案内ツアーへの参加を勧められ参加する。ツアーは午後2時からとのことなので、まずは議会内にある博物館を訪ずれる。カリフォルニア州の歴史、主な自治体の成り立ち、歴代知事、知事が使った古い部屋などを一通り見る。

 午後2時地下一階の27番に議会ツアーに参加する。私たち以外にも、議会ツアーに参加を希望した市民や遠くドイツから来た人々が参加した。アル・ゴアに似たイケメンの広報官が知事に成り代わり私たちに2時間も時間を書け丁寧に単なる施設見学ではなく、政策、立法のプロセス、課題などを説明してくれ、その都度、質疑応答に応じてくれる。カリフォルニア州は全米で50ある州でも、人口の1/10以上、GDPでも1/10以上を稼ぎ、圧倒的に連邦に対して影響力がある実力ナンバーワンの州である。大統領選挙でも、上院、下院の連邦議員選挙でもその動向はいつも注目されている。


   ●訪問先:カリフォルニア州議会(California State Assmbly)
     視察・議論:シュワルツ・ネッガー州知事部局広報・政策秘書
     議論及び情報収集内容:
     (1)カリフォルニア州議会の歴史と役割、仕組み
     (2)州議会現地視察(Senate 及び Assenmbly)


州議会を案内してくれたシュワルツ・ネッガー知事のイケメン政策秘書
Photo: Staff of California State Assembly who kindly guides us
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 at California State Assembly in Sacramento, California


私達の訪問時、上院にフルブライト留学生が世界中から来ていた
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 at California Senate Assembly in Sacramento, California


カリフォルニア議会の議事堂
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 at California Senate Assembly in Sacramento, California

    カリフォルニア州議会のWeb
    http://www.assembly.ca.gov/defaulttext.asp

 議会ツアー終了後の夕方、

一通り旧市街を見物したあと、サクラメントのダウンタウンから州道50号に乗り、一路ホテルに向う。地図上ではダウンタウンに近いはずだが、実際に行ってみると、高速道路でもある片側4斜線の立派な州道を流れに沿って東にそこそこ行く。

 進行方向左手にカリフォルニア大学サクラメント校がある地点で一般道に下りるとすぐそこにホテルがあった。このホテルはサンフランシスコと同じ系列のホテルでやはり超リーズナブルである。当初ここに1泊の予定だったが、翌日のタホ湖への現地視察時のホテルをまだどこにも予約していなかったこともあり、もう一泊部屋を予約する。

 タホ湖がある地域は標高で2000mもあり、この時期、山はもとより道路沿いにも雪が残っている可能性が高い。当日の天候次第では行くこと自体断念せざるを得ない。

 そんなこともあり、東京からタホ関連のホテルの予約はしていなかった。サンフランシスコのホテルでタホ湖周辺の明日の天気を
Web検索したら、雪で日中の最高気温が5度、夜間はマイナス6度とあった。

 そこでタホ湖にはあえて宿泊せず、サクラメントからタホ湖までは日帰り往復とし、サクラメントに宿泊することにしたのである。そのため
サクラメントのホテルで連泊することとする。

   ●訪問先:カリフォルニア大学サクラメント校
         (University California
 Sacrameto)
           
     議論:UCBとNGO/NPO活動との連携について
     *サクラメント郊外にあるUCサクラメント校のキャンパスを視察

    キャンパス・マップ http://www.csus.edu/pa/pdf/campusmap1005.pdf

 荷物をホテルに置き、近くにあるカリフォルニア大学サクラメント校にでかけた。このキャンパスも数あるカリフォルニア州立大学同様、総合大学で超広い。何とキャンパス内には大きな4−5階建ての立体駐車場がいくつもある。

 キャンパス内は
UCLAやサンディエゴ校同様、歩いての移動は大変で、最低でも自転車が不可欠だ。立体駐車場に車を置きキャンパス内を探索する。日用物品を売る生協のようなショップに入る。学生らしい若者が売り子となっているが、これがまただだっ広い。池田さんはここでお土産のクマのぬいぐるみを買う。

 カリフォルニア州立大学サクラメント校は、英語で SAC STATEという。買ったクマの縫いぐるみにも SAC STATE と書いてあるので、買ったクマを「さくちゃん」と名付ける。


カリフォルニア州立大学サクラメント校で買ったクマの「さくちゃん」
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10

 ここでは通常の理学部、工学部、文学部、法学部などの学部がホールという名の下に分かれている。教室はもとより教授らの研究室もその一部となっている。何しろ広いのでごくごく一部を視察後、キャンパス内にある学生用食堂・カフェに行く、ここでも学生風の若者がインフォメーションなどを運営しているようだ。


カリフォルニア大学サクラメント校でゴミ分別をみる
Photo: Komichi watching Wast selectiion at UC Sacramento
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 at California Senate Assembly in Sacramento, California

 おそらく2万人はくだらない大学、キャンパス内にはいくつもの食堂があるはずだが、私たちが訪れた食堂は広いだけでなく、いくつものコーナーに分かれていて、デザインも凝っている。そのうちのひとつにメキシコ料理を扱うコーナーがあったので、そこで少々早めだが夕食を頼む。一人当たり5.8ドル=600円足らずでたくさんのメキシコ料理と大きなカップで好きな飲み物がついてくる。飲み物は多くの種類からひとつを選べる。

 翌々日、サンホセのメキシカン料理店でほぼ似た料理を食べるが、そこでは一人当たり飲み物つきで約10ドルしたので、大学では飲食費が通常の半分程度と見てよい。あまりにも量が多いので、ホテルに持ち帰るための器をもらう。

 そうこうしているうちに夜になり、近くのホテルに戻る。明日はいよいよタホ湖だ!

 つづく   

カリフォルニア環境紀行:全体概要  初日;SanFrancisco
2日目:SanFrancisco(Greenaction) 2日目:Oakland City-Berkeley(GAIA) 2日目:SFO Down Town
3日目:SFO Golden Gate Park  3日目:City of SFO  3日目;Berkeley(Urban Ore, GCM)
4日目:San Pablo Bay  4日目: Sacramento(State EPA, State Assembly, State University)
 5日目:LakeTahoe South  5日目:LakeTahoe North  5日目:Sacramento Old Town
 6日目:Altamont Path(Wind Farm)  6日目:SantaCruz & Half Moon Bay
 番外;Flower