A Field Trip on Environmental Mission, Strategy and Policy
in State, Cities and NPO/NGOs in California, March 2008

初日:サンフランシスコ到着

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda
March 2008 転載禁
カリフォルニア環境紀行:初日:サンフランシスコ到着 全体概要  初日;SanFrancisco
2日目:SanFrancisco(Greenaction) 2日目:Oakland City-Berkeley(GAIA) 2日目:SFO Down Town
3日目:SFO Golden Gate Park  3日目:City of SFO  3日目;Berkeley(Urban Ore, GCM)
4日目:San Pablo Bay  4日目: Sacramento (State EPA, State Assembly, State University)
 5日目:LakeTahoe South  5日目:LakeTahoe North  5日目:Sacramento Old Town
 6日目:Altamont Path(Wind Farm)  6日目:SantaCruz & Half Moon Bay
 番外;Flower

 本稿は昨年、2007年11月に引き続き2008年3月24日〜31日に青山貞一(武蔵工業大学環境情報学部)、池田こみち(環境総合研究所)が共同実施したカリフォルニア州への環境政策、環境立法、環境NPO/NGO活動の現地視察に関する日程、訪問先等に関するコラム(論考、ブログ)である。

 昨年11月はカリフォルニア州の南部地域(サンディエゴ郡)を中心に現地調査を行ったが、今回はサンフランシスコ、バークレー、オークランド、サクラメント、タホ湖、オルタモント・パス、サンタクルス、ハーフ・ムーンベイなど、カリフォルニア州の中部地域の州都、都市、農村、自然環境保全地域、沿岸地域を視察の対象にした。


カリフォルニアの州旗

 なお、周知のようにカリフォルニア州は、以下の解説にあるように米国西海岸(West Coast)最大であるだけでなく、米国最大規模の州であり、その気風はリベラルである。リベラルは政治的意味合いだけでなく、環境問題への対応でも全米随一先進的であるといえる。また市民参加、情報公開、直接民主制などの活用、NPO/NGO活動においても全米随一である。

 現在州知事をしているシュワルツ・ネッガーは共和党であるが、ネッガーは親族に民主党系のケネディー一族もいるなど、必ずしも国政レベルでの共和党色を鮮明にしているわけでなく、現在でも州全体のリベラル性は健在であるといえよう。とくに地球温暖化、気候変動への対応ではブッシュ政権と政策を異にしており、カリフォルニア州は連邦環境保護庁や連邦エネルギー庁の政策を批判するとともに、大気汚染分野などでも連邦政府より遙かに厳しい排ガス規制などを率先推敲してきた。

カリフォルニア州California、略号:CA)

アメリカ合衆国西部、太平洋岸の州。西海岸の大部分を占める。州都は、サクラメント。合衆国の州のうちでは最大の人口を誇り、大統領選の選挙人数も最多である。ワシントン州、オレゴン州と共にリベラルな気風で、保守的な中西部に対して「レッドウッド・カーテンの向こう側」と称される。 

出典:Wikipedeia


カリフォルニア州の人口推移
国勢調査 人口    %±
1850年 92,597人
1860年 379,994人 310.4%
1870年 560,247人 47.4%
1880年 864,694人 54.3%
1890年 1,213,398人 40.3%
1900年 1,485,053人 22.4%
1910年 2,377,549人 60.1%
1920年 3,426,861人 44.1%
1930年 5,677,251人 65.7%
1940年 6,907,387人 21.7%
1950年 10,586,223人 53.3%
1960年 15,717,204人 48.5%
1970年 19,953,134人 27.0%
1980年 23,667,902人 18.6%
1990年 29,760,021人 25.7%
2000年 33,871,648人 13.8%
2006年概算 36,457,549人 7.6%
出典:Wikipedeia

カリフォルニア州の人種構成
2000年国勢調査 2004年概算
ヒスパニック以外の白人 47.4% 44.2%
ラティーノ(人種を問わないヒスパニック) 32.4% 34.9%
アジア系アメリカ人 11.0% 12.0%
黒人 6.5% 6.0%
2つまたはそれ以上の人種 1.9% 1.9%
先住民インディアン及び イヌイット 0.5% 0.5%
ハワイ諸島先住民族及び太平洋諸島系アメリカ人 0.3% 0.3%
出典:Wikipedeia


◆2008年3月24日(月)

 午後5時10分 成田発サンフランシスコ行きの航空機、ユナイテッド便で一路サンフランシスコ国際空港へ。現地時間同日、午前10時20分に到着。

 今回は調査の前半でサンフランシスコ市(San Francisco)、オークランド市(Oakland)、バークレー市(Berkeley)、サクラメント市(Sacramento)などの地方政府とカリフォルニア州政府、そして各地の環境NPO/NGOが現地調査の対象である。現地視察の後半は、天気が良ければ、その昔、事例調査を行ったカリフォルニア州とネバダ州の境界線上にあるタホ湖(Lake Tahoe)にも足を伸ばす計画だ。

 
また以前から気になっているカリフォルニア州の自然エネルギー開発状況、とくにオルタモント・パス(Altamont Path)のウィンド・ファーム(風力発電施設)を視察する予定である。

 さらに昨年11月に行ったカリフォルニア州サンディエゴへの環境政策調査同様、カリフォアルニア沿岸地域管理計画の対象となっているサンタ・クルス(Santa Cruz)など太平洋沿岸地域も見て回りたい。


サンフランシスコ・ベイエリア周辺地図

 ということで、一週間もない短い現地調査だが、いつものように私たちは超高密度なタイトな視察予定となっている(笑い)。

 出発前の東京で、3月下旬の気候、天気をインターネットでタホ湖周辺の天気予報を見ると、標高2000m級のタホ湖周辺では、昼間でも気温は摂氏5度から6度、夜間は比較的暖かい日でもマイナス5度とある。もし、現地で吹雪や嵐に巻き込まれたら大変なことになる。

そんなこともあり、今回の現地調査では、まずサンフランシスコ湾岸のサンフランシスコ市、オークランド市、バークレー市などいわゆるサンフランシスコのベイエリアと州政府があるサクラメント市を現地調査や訪問のメインとし、週末近くにタホ湖に近いサクラメントで天気の様子を見て、タホ湖まで行くこととした。もっぱら、サクラメントからタホ湖までの距離は160〜180kmもある。また土日はウインド・ファームがあるリブモア地域のオルタモント、さらに太平洋沿岸地域のサンタクルスにまで足を伸ばすことした。

さて、サンフランシスコ国際空港に到着後、パスポート・コントロールを無事通過。ここ数年トラブルつづきの荷物も無事出てきた。

 次にすることは東京から予約したレンタカーを借りることだ。レンタカーは通常、空港ターミナルに事務所や窓口があるが、サンフランシスコ国際空港では、なぜか空港ターミナルではなく近くのレンタカー・ビルにある。

 新交通システム(BART)に乗って空港からレンタカー・ビルまで行き、そこに各社の受付があり、手続きをすることになっている。

 国際空港のターミナルビルを5階まであがり、そこから専用の新交通システムでレンタカービルまで移動する。エレベータでビルの5階にあるレンタカー会社の受付に行く。ここには10社以上のレンタカー会社の受付がある。


ダラー・レンタカーSFOにて
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 in California

 私たちはカナダのノバスコシア州の現地調査などでいつも利用するダラーというレンタカー会社に東京からあらかじめコンパクトカーを予約しておいたので、ダラー
(Dollar)の窓口に行き手続きをする。2月のイタリアのナポリではローマ滞在中にすりにあい、カードを盗まれ、結局レンタカーが借りれなかったが、今回は無事レンタカー借用がOKだ。

米国やカナダではこの借用手続きが至極簡単である。手続き完了後、エレベーターでレンタカー・ビル2階に降り、クライスラー社のコンパクトカーを借りる。

 なぜダラーを使うかといえば、利用料金が他社よりリーズナブルであるからである。これは米国やカナダはもちろん、欧州各国でもそうだ。

 数年前、カナダのセント・ジョーンズやノバスコシア州のケープ・ブレトンで都合1000km走ったことがある。そのときはじめてダラーから車を借りたが、コンパクトカーを借りたが1日当たり5000〜6000円と、他社よりかなり安かった。
もちろん、各種保険などの料金も含まれている。

到着日の3月24日は、予備日でどこにもアポはとっていない。ホテルにチェックインするには時間が早いので、慣らし運転をかねてサンフランシスコ空港がある南サンフランシスコから、サンフランシスコのダウンタウンまで行って見ることにした。

 空港ビルからフ州道のフリーウェー、101号線経由でサンフランシスコのダウンタウンに向かう。昨年の11月に行ったサンディエゴ同様、米国のフリーウェーは片側4〜5車線もあり、制限速度も時速65マイル、どの車も100km/時以上のスピードを出していて、全体の流れに乗るだけでも大変だ。


州道フリーウェー101号線。見えているのは大部分が片側車線。
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 in California

 サンフランシスコ空港からダウンタウンまでは約18kmある。だが101号線を使うとわずか15分弱で行ける。101号線は片側4〜5車線、上下で最大10車線もある州のハイウェーである。

 その101号線からからダウンタウンへの出口は2つある。明日の最初の訪問先との関連では、どちらを選べばよいかまだわからない。そこで、とりあえず海沿いにあるキング通りに降りる。

キング通りは、サンフランシスコ湾を渡りお隣のオークランドなどに行くベイ・ブリッジに近い。そこからサンフランシスコのダウンタウンを北上する。ダウンタウンを斜め北西に走るコロンバス通りに入る。そこから、サンフランシスコでもっとも著名な観光スポット、フィシャーマンズワーフを目指す。

青山は米国には過去15回以上来ている。しかし、ことサンフランシスコは、35年前に一度、そして31年前に大竹慶明さん(財団法人大竹財団理事長)と一緒に国際婦人年の年に参加するためロサンゼルス経由でメキシコシティーに行った帰りに米国のNGO現地調査で来てこの方、来ておらず、勝手がわからない。

 一方、池田さんは、東京大気汚染公害裁判の原告弁護団からの依頼で若手の弁護士と一緒に、カリフォルニア州の大気汚染関連部門などに現地調査に数年前に来ている。

そんな訳で、青山はサンフランシスコに来たのは30数年ぶりとなり、その昔の記憶はほとんどんない。走ってみると、サンフランシスコはいわずと知れた坂道ばかり、それも驚くような急坂ばかりのであることが分かる。

徒歩はもとよりおろか車でも上るのが大変な坂ばかりである。逆に言えばたくさんある丘(ピークという)に登りつめるとすららしい景色が展望できる。


この程度の坂はまだ序の口
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 in California

 私たちは、東京でグーグルを使い検索して作成したサンフランシスコの地図をもとに、47もあるサンフランシスコの桟橋(ピア)のうち、ゴールデン・ゲート・ブリッジの一番近くにあるピアに到着する。ここはマリーナ・グリーン・パークの東はずれである。またゴールデンゲート国立リクレーション地域の一部となっている。


ピアにて
撮影:池田こみち、Nikon CoolPix S10 in California

 桟橋にはたくさんの帆船が「博物館」として停泊している。この海浜公園は有名なゴールデン・ゲート・ブリッジとフィシャーマンズ・ワーフの間にあり、ゴールデン・ゲート・ブリッジや沖合いにあるアルカトラス島がよく見える。

アルカトラズ島は、その昔、犯罪人を入れた牢獄がある島で有名だ。現在はゴールデン・ゲート・ブリッジ国立公園の一部として環境保全地域となっている。同島にゆくための船がフィッシャーマンズ・ワーフの桟橋からでている。

私たちの車はパーキング・メーターがついている路上に駐めた。

 サンフランシスコに限らず米国では路上駐車は1回当たり1時間までとなっているものが多い。費用は1時間約1ドルである。1時間を過ぎると出なければならない。近くに空きがあれば場所をずらす。サンフランシスコやサクラメントでは1時間までとなっていたが、バークレーのダウンタウンでは1時間ではなく30分毎にと書かれていた。

 ただ現実には時間を過ぎると超過時間がメーターに表示され、それに対応したコインを入れれば、同じ場所で数時間駐車も可能で実際駐まっている車の多くは時間超過となっていた。
もちろん、本格的に駐車する場合は公共駐車場や民間駐車場に駐車することになる。

 ちなみにサンフランシスコの公共駐車場の利用料金は、1時間あたり1ドルが相場である。その後1時間増すごとに1ドル増えるが、たとえば6時間以上は10ドルとしているものが多い。極端な話、1日中駐めておいても10ドルということになる。

 事実、3月25日以降、ダウンタウンにある環境保護団体を訪問した際、朝の9時から夜の10時過ぎまで駐車したが、公共駐車場は10ドルだった。ただし、民間駐車場には1時間でも5〜6ドルと高額な場所もある。

私たちは海浜公園をあとにして、ベイ通りからサンフランシスコ北端の桟橋がつながっているエンバルカデロ通りを一路東端まで走る。この通りには海浜公園からベイ・ブリッジに至るウォーターフロントにあり、実に47もの桟橋(Pier)が海に向って連なっている。実に壮観だ。


サンフランシスコの第5番ビアー
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 in California


サンフランシスコの第1番ビアー
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 in down town SFO California

 ピアの東はずれにオークランドやバークレーに行くためのベイ・ブリッジ近くに、フェリービルディングがある。



サンフランシスコのウォーターフロントにあるフェリービルディング
海側から見たところ
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 in California

 東京であらかじめ調べたところフェリー・ビルには観光客用というよりはサンフランシスコ市民向けのレストランや食材ショップが入っているという。そこでビルの隣にある民間駐車場に車をとめ、フェリービルに入る。フェリービルには数10もの小さなレストラン、食材屋さん、日曜生活に関連した物品が軒を連ねている。

 ちょうど昼食時だったので、日本食の弁当ショップでカツ弁当とお茶を13ドルで買う。米国では消費税が外税となっている。日本で買うよりは2割ほど高い感じだったが、結構おいしい。


フェリー・ビルディング内部
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 in California

 ここには中華、メキシカン、イタリアン、フレンチ、和食、シーフードなどのミニ・レストラン、きのこ、パン、パスタ、乳製品、新鮮な肉、魚、果物、無農薬・無食品添加物、惣菜などのの新鮮食材を売る店、アイスクリーム、チョコレートなどの菓子屋、花屋、食器屋、菜園用品などを売る店が多数並んでいる。


フェリー・ビルディング内の店の前で
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 in California

 よく見ると観光客もいるが、その多くは地元のひとたちである。値段はまぁまぁ。ただし、となりの民間駐車場が1時間でも6.5ドルもするので、日常生活用とはいえないが、気の利いた店ばかりでなかなか楽しい。

フェリー・ビルの隣はウォーターフロントになっていてテラスである。海を見ながら食べる。大きなカモメが寄ってきてえさをねだる。ここからはベイ・ブリッジ(Bay Bridge)もよく見える。


大きなカモメ
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 in California


フェリービルディングのテラスから見たベイブリッジ
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 in California

 この後、ゴールデン・ゲート公園に向うが道に迷う。結局この日は、ゴールデンゲート公園には行けず、ダウンタウンに戻ることにした。

 途中、坂の上から海側をみると、どこかハリファックスやシアトルなどの町に似ている。明日の下見のためダウンタウンでは国連広場、シビックセンター近くに行く。


丘の上から見たサンフランシスコの町なみ
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 in California

 シビックセンターはサンフランシスコの中心である。サンフランシスコ市役所、議事堂、市立図書館などが多数立地している。明日訪問以降訪問する環境NGOや市役所の環境部もこの辺にあるのだろう。

 ところでサンフランシスコという名の由来だが、キリスト教のフランシスコ会の修道士が創設者の聖フランシスコを街の名に付けたのが地名の由来である。漢字では桑港や旧金山と表記されている。


シビックセンターにあるサンフランシスコ市役所と議事堂
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 in California

 そうこうしているうちに夕方となったので、ホテルにチェックインするためサンフランシスコのダウンタウンから南サンフランシスコの空港近くにあるホテルに行く。

 来る前、東京でホテルを予約するために調べていたら、サンフランシスコのダウンタウンには当然のこととして星の数ほどホテルがあるが、いずれも車を泊めるのに、一日20ドルほど別途料金がかかることがわかった。

サンフランシスコや隣のバークレーに行くだけならベイエリアで有名な新交通システムBARTを使えばよい。しかし、今回の現地調査ではサクラメントやタホ、サンタクルスなどに遠出する。そのような理由で、どうしてもレンタカーが必要であり別途料金では駐車場がはじめからホテル料金に含まれているしかもリーズナブルなホテルを選ばなければならなかった。


これがBART。車内は広く快適

撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 in SFO, Californi
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 東京でいろいろ物色したところサンフランシスコ国際空港近くに私たちの考えにぴったりのホテルがあるることが分かりそこに3泊分予約した。このホテルはチェーンになっていてサクラメントやロス、サンディエゴなどカリフォルニア州内に10箇所以上ある。しかもコンチネンタルではあるがB&B並みに朝食もついている。

 チェックインを済ます。

 つづく

カリフォルニア環境紀行:全体概要  初日;SanFrancisco
2日目:SanFrancisco(Greenaction) 2日目:Oakland City-Berkeley(GAIA) 2日目:SFO Down Town
3日目:SFO Golden Gate Park  3日目:City of SFO  3日目;Berkeley(Urban Ore, GCM)
4日目:San Pablo Bay  4日目: Sacramento(State EPA, State Assembly, State University)
 5日目:LakeTahoe South  5日目:LakeTahoe North  5日目:Sacramento Old Town
 6日目:Altamont Path(Wind Farm)  6日目:SantaCruz & Half Moon Bay
 番外;Flower