2018年・東日本大震災 復旧実態調査(宮城県北部編) 気仙沼市沿岸3がれき処理 青山貞一・池田こみち 環境総合研究所顧問 掲載月日:2019年5月20日 2020年3月11日第2次公開 独立系メディア E-wave Tokyo 無断転載禁 |
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次に、国道45号を北上し、気仙沼市階上処理区に向かった。気仙沼線の陸前階上駅の少し手前を右折し海側に入る。なだらかな傾斜で岩井崎まで住宅地や農地が広がっていたことが想像されるが今は見る影もない。 宮城県内 気仙沼階上地区 出典:グーグルマップ 岩井崎の手前、波路上瀬向地区に立地していた100年余の歴史を誇る気仙沼向洋高校は、海から200mの距離にあり、コンクリート4階建ての校舎は津波の直撃を受け、生徒一人が死亡、一人が行方不明となったと言う。向洋高校の校庭だったと思われるところに階上処理区の仮設焼却炉の建設が進められていた。 ここもまだ建設工事中で多くのクレーンが動いていたが、連休ということもあり比較的静かな様子だった。回りをぐるりと壁に囲われているため中の様子を詳しく見ることは出来なかったが、ここも津波の被害が大きく水路もあったことから地盤の整備にも時間を要したと思われる。 宮城県気仙沼ブロック階上処理区の仮設焼却施設(建設工事中) 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2012-11-23 気仙沼ブロックの二カ所の仮設焼却炉はいずれも気仙沼中心地からはかなり離れており、災害廃棄物の輸送、仮置きがこれから大きな作業となると思われる。 宮城県気仙沼ブロック階上処理区の仮設焼却施設(建設工事中) 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2012-11-23 この地域のこれまでの津波被害について、文献から以下のことがわかった。
2012年11月、気仙沼市では、階上地区とは別に、もう一か所がれき処理のための焼却処理施設が置かれた地域があった。以下はその小泉地区でのがれき処理の実態である。 ■気仙沼ブロック小泉処理区 焼却施設 処理能力:300t/日(200t/日×1基、100t/日×1基) (気仙沼市本吉町新南明戸外 地内)
朝、古川駅前の東横インを8時過ぎに出発し、国道108号で涌谷町を経由し、さらに国道346号(佐沼街道)を抜けて登米市へと北上、登米市からは同じ国道346号(西郡街道)を海側(東側)へと進み、気仙沼の南部地域に向かった。 宮城県内 気仙沼市小泉地区 出典:グーグルマップ 宮城県内 気仙沼市本吉町新南明戸 出典:グーグルマップ 海に面する町は、気仙沼市本吉町、JR気仙沼線の本吉駅もあり、南部の主要都市となっている。国道45号(東浜街道)に出て右折し、目指す小泉処理区へと車を走らせた。 宮城県気仙沼ブロック小泉処理区の仮設焼却施設(建設工事中) 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2012-11-23 そこは、太平洋に向かって津谷川が注ぎ込み、震災前は川の両側(新北明戸、新南明戸)に水田が広がっていた。しかし今は見る影もない。気仙沼南部では本吉町の中心市街地を除けば、このあたりしか仮設焼却炉を建設できる平地がなかったことが伺われる。 環境省の災害廃棄物処理サイトには、気仙沼の仮設焼却炉は建設中であり、試験焼却(試運転)が来年にずれ込むと記載されていたが、現場はまさにプラント建設の真っ最中、多数のクレーンが稼働し、連休中にも拘わらず大勢の作業員が動いていた。 宮城県気仙沼ブロック小泉処理区の仮設焼却施設(建設工事中) 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2012-11-23 宮城県気仙沼ブロック小泉処理区の仮設焼却施設(建設工事中)の解説 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2012-11-23 解説:鷹取敦 プラント立地位置は津谷川の沖積低地であり、水田が広がっていたところに津波が押し寄せた地域である。そのためプラント建設のためにはまず地盤の整備が必要となり、それだけでもかなりの時間を要したものと思われる。 最も近い民家は背後の里山の影にあり、プラントから数100mの距離がある。現在はまだ工事中なので工事車両や建設機械の騒音が激しいが、稼動すれば低い煙突からの排ガスも日常的に大きな問題となることが予想された。 気仙沼4につづく |