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翌8月19日は、早朝から快晴。朝食後、朝一番に旧六合村(くにむら)に向かい、最初に現在の中之条町六合にある赤岩養蚕集落と赤岩神社を短訪した。 北澤さんは別件があり午前中にJR吾妻線で渋川駅に向かった。今日は、青山、池田、鷹取、奈須の4名だ。 ●赤岩養蚕集落について 国道292号線から見た赤岩養蚕集落。写真中右端に赤岩神社がある 撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 群馬県中之条町六合にある赤岩集落は、江戸時代から明治、大正、昭和にかけ養蚕が行われ農家の建築物、建造物を中心に東西1070m、南北930mが平成18年に「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されている。 赤岩神社の参道入口前にある以下の案内図では、緑色の■となっている部分が「重要伝統的建築物群保存家屋」となっており、その右外れ(実際は南端)に赤岩神社の入口がある。 撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 群馬県六合村赤岩の水車 撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 このように赤岩集落は 埼玉県の奧秩父地域や長野県上田地域のように、もともと養蚕を生業にしてきた中山間地の農山村集落の一部である。 ◆池田こみち:温故知新・秩父事件〜地場産業のちちぶ銘仙 個々の建築物は江戸時代後期から明治時代に建てられており、指定された家屋の大部分は現在でもその主屋のみでなく、土蔵、付属舎、庭などを含め農村家屋が街道沿いに連たんしている。 赤岩養蚕農村落の住宅 撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.5.3 赤岩養蚕農村落の住宅 撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.5.3 群馬県六合村赤岩の大きな養蚕農家の古い民家 撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 赤岩地区では現在でも江戸時代の原風景や景観を維持しており歴史文化遺産地区をなしていると言える。 このように赤岩農村集落は、養蚕を地域産業の母体としてきたことから同じ群馬県内富岡市にある「富岡製糸場」や「絹産業遺産」とともに暫定世界遺産のリストにも選定されている。 赤岩集落の特徴は、養蚕家屋が、そのままあるいは改良され、村民が今なお生活や生産(農業)の場として活用していることにある。 赤岩地区で精算されていた生糸 撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S8 赤岩農村落の風景 撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S8 赤岩農村落のジオラマ。 撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S8 なお、この赤岩集落の一角にある旧家「湯本家」は、木曽義仲の残党と言われ、戦国時代から江戸初期にかけて子孫が活躍して繁栄の基礎を築き、江戸期は漢方医学の流れの医者を出し、河童伝説の家伝薬「命宝散」や「月桂酒」という薬酒の製造と医業にたずさわった歴史がある。 たとえば、1806年頃に建造された湯本家住宅は高野長英をかくまったと伝えられる「長英の間」などを残す貴重な民家もある。また地域内には岩山を切り開き道路を開設した秀英法印、神社仏閣などが歴史的経緯を偲ばせてくれる。 撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.5.3 高野長英像 出典:Wikipedia 下は、明治維新に開国を唱えた、かの蘭学者であり蘭医の高野長英が一時期、隠れ家としていた建築物。現在は湯本氏の自宅となっている。高野長英はあのシーボルトに学んだ蘭医のひとりでもある。 以下の2枚の写真は2009年に赤岩に来たときに撮影したものである。 撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S8 赤岩養蚕集落には町営の「長英の隠れ湯」という温泉がある。 私たちも行く度に温泉を楽しんでいる。赤岩村落の人々は200円、以外は400円である。町民にとっての銭湯の役割も持っている。 町営の「長英の隠れ湯」という温泉 撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 町営の「長英の隠れ湯」という温泉 撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 つづく |