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シルクロードの今を征く
Now on the Silk Road

大唐西市博物館 視察14

銅製鏡

(Xi'an 中国)

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda 共編
掲載月日:2015年1月22日 更新:2019年4月~6月 更新:2020年4月1日
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 本稿の解説文は、現地調査や現地入手資料などに基づく解説に加え、百度百科中国版から日本への翻訳、Wikipedia 日本語版を使用しています。また写真は現地撮影以外に百度百科、Wikimedlia Commons、さらに地図はグーグルマップ、グーグルストリートビュー、百度地図などを使用しています。その他の引用に際しては、その都度引用名を記しています。 

 ここででは中国西安市(長安市)にある大唐西市博物館を視察します。

大唐西市博物館視察14



 銅製鏡(ブロンズミラー)

西市の銅鏡工芸

撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900

 中国の銅鏡作りは長い歴史を持ち、日常の生活用品と手工芸品の両方の機能を
もっている。西市では、青銅鏡の製造と販売もまた人気のあるビジネスで、盛唐(唐
の開元、天宝ねkんかん、西暦8世紀前半)と中唐(唐の大暦年間(766~790年)は
その真っ盛りである。形状、装飾の面も新たに創意されたものである。
隋と唐の銅鏡は工芸が精巧で紋様装飾が豊富である。題材が多方面にわたり、味
わい深く、鮮明な時代特徴を持つ。そして、銅鏡の上に、大唐盛世のひときわ抜きん
でた趣を残した。



撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900



出典:大唐西日市博物館・制作展示



唐代西市発掘品 大唐西市博物館
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900



銅鏡 唐代西市発掘品 大唐西市博物館
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900




唐代西市発掘品 大唐西市博物館
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900



双鸾双兽纹菱花铜镜=双鸞双獣紋菱花銅鏡
 (二羽の鸞と二頭の獣の模様に菱花を描いた銅製の鏡)
唐代西市発掘品 大唐西市博物館
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900

 注)鸞(らん) Wikipediaより
  中国の伝説の霊鳥。日本の江戸時代の百科事典『和漢三才図会』には、実在の鳥とし
  て記載されている。それによれば、中国の類書『三才図会』からの引用で、鸞は神霊の
  精が鳥と化したものとされている。「鸞」は雄の名であり、雌は「和」と呼ぶのが正し
  いとされる。鳳凰が歳を経ると鸞になるとも、君主が折り目正しいときに現れるともい
  い、その血液は粘りがあるために膠として弓や琴の弦の接着に最適とある。
  実在の鳥類であるケツァール(キヌバネドリ目)の姿が、鸞の外観についての説明に
  合致するとの指摘もある。

 注)菱花(りょうか)コトバンクより
  ① 菱(ひし)の花。
  ② 「りょうかきょう(菱花鏡)」の略。
    (裏に多くヒシの花を鋳つけるところから) 金属製の鏡の一種。菱花。




海兽葡萄纹铜镜=海獣葡萄唐草模様銅製鏡
(アザラシなどの海獣に葡萄の柄を彫った銅製鏡)
海獣葡萄紋銅鏡 唐代西市発掘品 大唐西市博物館
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900



瑞兽葡萄纹铜镜=瑞獣葡萄唐草紋銅鏡
(霊獣に葡萄唐草紋を彫った銅製鏡)
唐代西市発掘品 大唐西市博物館
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900

 注)瑞獣(ずいじゅう)Wikipediaより
  古代中国でこの世の動物達の長だと考えられた特別な4つの霊獣に代表される、
  瑞兆として姿を現すとされる何らかの特異な特徴を持つ動物のこと。
  この世には魚のように鱗を持つ鱗虫、鳥のように羽を持つ羽虫、獣類のように
  毛をもつ毛虫、甲殻類のように固い殻や甲羅をもつ甲虫がそれぞれ360種類い
  るとされたが、これらそれぞれの軍団の長が前述の瑞獣である。
  優れた王者の時代に出現するとされ、さらには王者の裁判が公正に行われる
  時代に出現する特別な瑞獣もいるといわれる。
  またアルビノの動物を瑞獣・瑞鳥とみなし、白い雀や白い鹿などが献上されたの
  を記念して元号を変える例がよく見られる。



真子飞霜镜=真子飛霜鏡
(鳳凰と音楽を奏でる人物を彫った銅製鏡)
唐代西市発掘品 大唐西市博物館
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900

 注)真子(まこ/しんし)
  子供や妻・恋人を親しみいつくしんでいう語。
  血を分けた本当の子。実子。

 注)飞霜(ひそう)
  秋の霜が降る頃という意味もある。



镶绿松石螺钿折枝花镜=トルコ石螺鈿折枝花紋鏡
(銅製の鏡に裏面にトルコ石で花鳥紋の螺鈿を施した鏡)
唐代西市発掘品 大唐西市博物館
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900



云龙纹镜=雲竜紋鏡(中央に雲と龍の模様を彫りだした銅製鏡)
唐代西市発掘品 大唐西市博物館
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900

 注)雲龍(うんりゅう)
   雲に乗って昇天する龍。また、それを描いたもの。円山応挙の作品などが有名。
  うんりょう とも。



双狮双鸾纹铜镜=双獅双鸞紋銅鏡
(二匹の獅子と二羽の鸞を掘り出した銅製鏡)
唐代西市発掘品 大唐西市博物館
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900



唐代西市発掘品 大唐西市博物館
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900



唐代西市発掘品 大唐西市博物館
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900



(蓮の花の模様の四角い銅製鏡)
蓮花紋方鏡 唐代西市発掘品 大唐西市博物館
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900

 注)蓮華(れんげ) コトバンクより
  蓮(はす)の花。仏典では、ウトパラutpala(優鉢羅華(うはつらけ)、青(しょう)蓮華)、
  パドマpadma(波頭摩華(はずまけ)、紅(ぐ)蓮華)、プンダリーカpurka(分陀利華(ふ
  んだりけ)、白(びゃく)蓮華)、クムダkumuda(拘物頭華(くもつずけ)、黄(おう)蓮華)を
  列挙するが、ウトパラは睡蓮(すいれん)で、パドマとプンダリーカが一般に用いられ
  る蓮華である。(後略)





単蛮鏡=単鸞鏡(一羽の鸞を中央に彫り出した銅製鏡)
撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900


視察15へつづく