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厳寒のロシア2大都市短訪

   
エルミタージュ西洋絵画

イタリア・ラファエロ・サンティ

青山貞一 Teiichi Aoyama  
池田こみち Komichi Ikeda
掲載月日:2017年4月30日
独立系メディア E-wave Tokyo

無断転載禁
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 ・西洋画コレクション(大エルミタージュ)
 
 イタリア  ダヴィンチ       イタリア  ラファエロ
   イタリア  ティツィアーノ     イタリア  ジョルジョーネ
   イタリア  カラヴァッジオ    ギリシャ   エル・グレコ  
   スペイン フランシスコ・ホセ・デ・ゴヤ
   スペイン   ベラスケス     フランドル ルーベンス
   フランドル ダイク        オランダ  レンブラント


サンクトペテルブルグ(Saint Petersburg)
  サンクトペテルブルク歴史地区と関連建造物群

    

西洋絵画コレクション

 レオナルドダヴィンチの次は、やはり巨匠、ラファエロ・サンティです。

 私たちは、本場、イタリア・ローマのバチカン美術館で、多数のラファエロの実物絵画に接しています。その中には、以下の世界的に著名な絵画ありました。折角なので、当時執筆したブログから以下に転載します。

◆ラファエロ・サンティ(1483年4月6日 - 1520年4月6日)


Source:Wikimedia Commons
ラファエロ・サンティ - http://nevsepic.com.ua/art-i-risovanaya-grafika/2409-raffaello-sanzio-rafael-santi-37-rabot.html image, パブリック・ドメイン, リンクによる



 ラファエロ・サンティは、盛期ルネサンスを代表するイタリアの画家、建築家。一般的には単にラファエロと呼ばれます。ラファエロの作品はその明確さと分かりやすい構成とともに、雄大な人間性を謳う新プラトン主義を美術作品に昇華したとして高く評価されており、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロとともに、盛期ルネサンスの三大巨匠といわれています。

 ラファエロは異例なほどに大規模な工房を経営しており、37歳という若さで死去したとは考えられないほどに多数の作品を制作しました。多くの作品がヴァチカン市国のヴァチカン宮殿に残されており、とくに「ラファエロの間」と総称される四部屋のフレスコ画は、ラファエロの最盛期作品における最大のコレクションとなっており、もっとも有名な作品の一つの『アテナイの学堂』も「ラファエロの間」のうち「署名の間」と呼ばれる部屋のフレスコ壁画です。


イタリア・ローマ・バチカン美術館所蔵のラファエロの絵画

 下は「署名の間」にあるラファエロの超有名(笑い)な「アテナイの学堂」(School of Athens)である。この作品は、東京を南北に走る地下鉄、南北線の「東大前」の構内に描かれています。


ラファエロの『アテナイの学堂』(School of Athens、1508-11年)
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10

 以下はラフェエロの部屋にある『ボルゴの火事』(Fire in the Borgo)


ラフェエロの『ボルゴの火事』(Fire in the Borgo)
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10


 以下はコンスタンティヌスの間にある「ミルヴィオ橋の戦い」である。ラファエロの死後、ジュリオ・ロマーノなどラファエロの弟子たちが描いたのものである。


ラフェエロの部屋にある『ミルヴィオ橋の戦い』
Battle of Constantine against Maxentius

撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10

 さらに下はラファエロの間の全容。壁だけでなく、天井にも秀作がびっしりと描かれている。これにはびっくりだ。左下に「ミルヴィオ橋の戦い」がある。


ラファエロ(Raffaello Sanzio)ら
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10


ラファエロ(Raffaello Sanzio)の天井画
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10


 以下はエルミタージュ美術館のラファエロ・ギャラリーです。


ラファエロのギャラリー
Лоджии Рафаэля
Source:Wikimedia Commons
By Tura8 - Own work, CC BY 3.0, Link


・「コネスタビレの聖母」

 「コネスタビレの聖母」 はイタリア人ルネッサンスルネッサンス芸術家ラファエロの小さい(そして、おそらく未完成の)絵です。この作品は、おそらく、フィレンツェに移る前にウンブリアでラファエルが描いた最後の作品と思われます。

 その名前は、ペルージャのコネスタビレ家に由来しており、1871年にロシアのアレクサンドル2世が取得したものです。皇帝は、彼の配偶者であるマリア・アレクサンドロヴナにそれを贈りました。 それ以来、この絵画はサンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館に展示されています。

 この絵は、本を読んでいる間、子供を抱いている聖母を描いています。 絵がキャンバスに移された1881年、元のバージョンでは、聖母は本の代わりにザクロの実(情熱のシンボル)のことを考えていたことが発見されました。

作者 ラファエロ・サンティ(148~1520)
タイトル Madonna Connestabile
日付 1504年
技法 パネル(木板)に油彩
寸法 Diameter: 17.9 cm.
所蔵 エルミタージュ美術館



ラファエロ 『コネスタビレの聖母』  1504年 エルミタージュ美術館所蔵
Source:Wikimedia Commons
By Raphael - The Yorck Project (2002) 10.000 Meisterwerke der Malerei (DVD-ROM), distributed by DIRECTMEDIA Publishing GmbH. ISBN: 3936122202., Public Domain, Link


・「聖家族」

 聖家族羅( Sacra Familia)は、幼少年時代のイエス・キリストと養父ヨセフ、聖母マリアのことであり、キリスト教美術の主題のひとつでした。

 聖家族をモチーフとした作品の創造は、15世紀から17世紀のルネサンス美術・バロック美術において盛んでした。よく描かれたのは『マタイによる福音書』が伝える聖母のエジプト逃避で、旅の途上で休憩するマリア母子が豊かな風景画として描かれていました。後の画家は、この画題に幼い洗礼者ヨハネや他の聖人を配していました。

 16世紀のイタリア美術はフランドル絵画の影響により風景画の技法が発達し、とくに宗教画でその技法が取り入れられました。


ラファエロ 『聖家族』  1506年  エルミタージュ美術館所蔵
The Holy Family by Rafael - Hermitage
Source:Wikimedia Commons
ラファエロ・サンティ - Web Gallery of Art:   画像  Info about artwork, パブリック・ドメイン, リンクによる


・「聖ゲオルギオス(ジョージ)と龍」(精細複製版)

 ゲオルギオス (Georgios) 、あるいはジェルジオは、キリスト教(正教会・非カルケドン派・カトリック教会・聖公会・ルーテル教会)の聖人の一人。古代ローマ末期の殉教者です

 ドラゴン退治の伝説でも有名です。キリスト教の聖人伝説をまとめた『黄金伝説』には数多くのドラゴン退治物語が記載されており、聖ゲオルギオス伝承もその中に記載されています。

 ゲオルギウス、ジェルジオ、ゲオルギイ(その他、ゲオロギウス、ギオロギウスなど)とも表記されています。正教会では聖大致命者凱旋者ゲオルギイと呼ばれています。日本のカトリック教会では聖ジェルジオ殉教者(ジェオルジオ殉教者)と表記されています。

作者 ラファエロ・サンティ(1483~1520)
ラファエル-聖ジェルジオとドラゴン-グーグル・アート・プロジェクト
タイトル Saint George and the Dragon
分野 Painting
日付 1506年頃
技法 パネル(木板)に油彩
寸法 Height: 285 mm. Width: 215 mm.
所蔵 ナショナル・ギャラリー



Raphael - Saint George and the Dragon - Google Art Project
Source:Wikimedia Commons
By Raphael - hwGXaBhHtRkZIg at Google Cultural Institute maximum zoom level, Public Domain, Link


・「アルバ・マドンナ」

作者 ラファエロ・サンティ(1483~1520)
ラファエル-聖ジェルジオとドラゴン-グーグル・アート・プロジェクト
タイトル 『L'Alba Madonna』
The Alba Madonna
分野 Painting
日付 1510年頃
技法 油彩 / パネル / キャンバス
寸法 Diameter: 94.5 cm.
所蔵 ナショナル・ギャラリー


 『アルバの聖母』(伊: Madonna d'Alba, 英: Alba Madonna)は、盛期ルネサンスの画家ラファエロ・サンティが、1510年に描いた絵画です。聖母マリアと幼児キリスト、幼児洗礼者聖ヨハネを典型的なイタリアの田園風景を背景に描いた作品です。

 ヨハネはキリストに向けて十字架を掲げ、キリストはその十字架を握りしめており、そしてマリアも含めて描かれている三人全員が十字架を見つめています。絵画構成としては、三人の人物がすべて画面左に集められていますが、画面右に向けられたマリアの左腕と波打つマリアの上着とが作品全体のバランスをとっています。

 『アルバの聖母』は、ノーチェラ・ディ・パガーニのオリヴェターニ教会への献上用にパオロ・ジョヴィオがラファエロに依頼した作品でした。その後、18世紀中にはスペイン貴族のアルバ家が所有していたことから『アルバの聖母』と呼ばれるようになりました。

 1836年にロシア皇帝ニコライ1世が、サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館の前身である王室コレクションの目玉作品として購入しました。さらにおよそ1世紀後のロシア革命で成立したソヴィエト政府が、財政難からエルミタージュ美術館所蔵の絵画作品を秘密裏に諸外国へ売却し 、『アルバの聖母』もこのときにアメリカ人実業家アンドリュー・メロンが購入した作品です。

 大富豪で美術品コレクターでもあったメロンは、新たな美術館ナショナル・ギャラリー・オブ・アートの建設費用を遺贈し、さらに自身の絵画コレクションを新設されるナショナル・ギャラリー・オブ・アートへ寄付しました。それ以来『アルバの聖母』はワシントン D.C. のナショナル・ギャラリー・オブ・アートが所蔵しています。

 もともと『アルバの聖母』は円形の板に油彩で描かれた板絵でしたが、エルミタージュ美術館に所蔵されていた19世紀初めに正方形のキャンバスへと移植されました。これは、もともとの支持体であった板の中央と右側に大きな亀裂が入っていたことによっています。キャンバスに移植された現在でも、背景の風景画部分の最右側に移植の過程で損傷したと見られる跡が残っています。


ラファエロ、アルバ・マドンナ 1510年頃
エルミタージュ美術館⇒ナショナルギャラリー
Source:Wikimedia Commons
By Raphael - 6AHnnRNv3KumjA at Google Cultural Institute maximum zoom level, Public Domain, Link


つづく