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本コラムの分類<沖縄>
本連載は、2010年3月7日(日)、東京都三鷹市三鷹公会堂で開かれた普天間飛行場代替施設にかかわるシンポジウムで、青山貞一(東京都市大学大学院教授)が基調講演を行った際の内容の要旨である。 次に、日本政府にとっての沖縄問題は、(1)外交・防衛・軍事の拠点化であるとともに、(2)口封じのための公共事業補助の拠点であった。 この2つに共通しているのは 政官業の「利権」である。 以下は、OECDが1996年に公表した「ナショナル・アカウント」における対GDPで見た公共事業費であるが、言うまでもなく日本は突出して土建系公共事業の割合が高い。 出典:青山貞一、公共事業と官僚政治、公共政策論(東京都市大学) 自民党政権下でできあがった政官業癒着の利権構造は、小泉改革後も、手を変え品を変えて生き残っている。いや焼け太りつづけているの実態がある。これは自由民主主義を標榜するはずの自民党が、その実、「官僚社会主義」に支えられたものであることを如実に示すものである。 しかもその中核には防衛族といわれる国会議員や県議会議員がおり、そのもとに地元の市議会議員や土建業者がいる。逮捕され有罪となっている守屋元事務次官の行状を見るまでもなく、それらの利権を防衛省や外務省の官僚や出先機関の官僚が手引きをしている実態がある。 出典:青山貞一、公共事業と官僚政治、公共政策論(東京都市大学) 出典:青山貞一、公共事業と官僚政治、公共政策論(東京都市大学) これら政官業の利益配分のトライアングル(三角形)は、下の図にあるように、政官業から政官業学報、すなわち御用学者、御用評論家と御用報道機関(メディア)を加えた非常に強固なものとなっている。私たちは、これを現状追認のペンタゴンと言っている。 実際、元外務官僚、元防衛庁幹部らがテレビでしたり顔で米国の広報機関のようなことをぬけぬけと話し、新聞、テレビは、彼らを重用するだけでなく、米国政府の広報機関であるかのような社説、解説を書いている。 このように、八ッ場ダムなどの巨大公共事業同様、米軍基地、自衛隊施設など、防衛に係わる施設も、一大公共事業となっており、利権の種となっていることは今更言うまでもない。 しかも、外交、防衛案件は日本の情報公開法では非公開項目となることが多い。それを良いことに各種調達、予定価格、入札などの情報が非公開とされたり、部分開示しかされないことが多く、それが政官業の利権の大きな原因となっている。 出典:青山貞一、公共事業と官僚政治、公共政策論(東京都市大学) 出典:青山貞一、公共事業と官僚政治、公共政策論(東京都市大学) Bへ続く |