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   ボロブドウール寺院遺跡群
  Archaeological site of Borobdur templ
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ボロブドゥール博物館 概要
Musium Karmawibangga Taman Wisata Candi Borobudur
 
青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda
掲載月日:2017年1月31日
独立系メディア E−wave Tokyo
 
無断転載禁
@ 博物館へ A 入口・ガムラン楽器      B 博物館概要    C レリーフ展示1    
D レリーフ展示2     E レリーフ展示3 F 仏像展示 G 寺院図面他

 ここでボロブドゥール博物館の概要について紹介しておきます。

博物館の概要

 正規名:アム・カルマウィバンガ・タマン・ウィサタ・キャンディ・ボロブドゥールについて
 Musium Karmawibangga Taman Wisata Candi Borobudur
 https://id.wikipedia.org/wiki/Museum_Karmawibhangga

 カルマウィバンガ博物館は、別名ボロブドゥール博物館とも呼ばれ、インドネシア中央ジャワ州、メガラング、タマ・ウィサタに建設されたボロブドゥール寺院から数百メートル北に位置しています。

 博物館は、ボロブドゥールから数ブロック離れた位置にあるボロブドゥールの隠された基壇に施されたカルマウィンバンガのレリーフとともに、ボロブドゥール周辺の考古学的な工芸品なども展示しています。

 加えて、1975年から1982年にかけてUNESCOの支援を受けて行われた復元事業に係わる膨大な文献資料も展示されています。

 博物館の建物は伝統的なジャワの建築様式、すなわち、大きな庇をもつ完璧なジョグロ様式となっています。この博物館は、1983年にスハルト大統領によって落成式が執り行われたタマン・ウィサタ・チャンディ・ボロブドゥールの考古学公園を構成する要素の一つとなっています。

 考古学観光公園のこの博物館のすぐ西側にはサムドラ・ラクサ博物館があります。

 ボロブドゥールの船舶を展示しています。この二つの博物館の入場料はボロブドゥール寺院の拝観料に含まれているため、来訪者はいずれの博物館も無料で見学することができます。

 この博物館はタマン・ウィサタ・チャンディ・ボロブドゥールの主要な施設の一つであり、ボロブドゥールの歴史と考古学の中心と言える施設です。



撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2016-11-18



撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2016-11-18


カルマウィンバンガのレリーフ

 ボロブドゥール寺院のレリーフの基本的な部分は自然を表現しており、最初の三段は仏教の概念でいうところの人間の精神的な意識のレベル、すなわち、「カマダツ(六道)、欲望」を表しています。

 この一連のレリーフは物語を描いています。短くマハカルマウィバンガ、カルマウィバンガを描いています。

 すなわち、それは、人々は依然として情念や業(カルマ)に執着し、因果応報の法則に支配されているという様子です。全部で160枚のレリーフパネルは続き物の長い物語を描いている訳ではありません。しかし、それぞれのパネルは完璧に因果応報の関係を描いています。

◆六道とは 

 六道(ろくどう、りくどう)とは、仏教において迷いあるものが輪廻するといいます。6種類の苦しみに満ちた世界を意味します。

 天道(てんどう、天上道、天界道とも)
 人間道(にんげんどう)
 修羅道(しゅらどう)
 畜生道(ちくしょうどう)
 餓鬼道(がきどう)
 地獄道(じごくどう)

  仏教では、輪廻を空間的事象、あるいは死後に趣(おもむ)く世界ではなく、心の状態として捉えています。たとえば、天道界に趣けば、心の状態が天道のような状態にあり、地獄界に趣けば、心の状態が地獄のような状態である、と解釈されています。

 以下に六道のそれぞれを概説します。

天道
 天道は天人が住まう世界である。天人は人間よりも優れた存在とされ、寿命は非常に長く、また苦しみも人間道に比べてほとんどないとされています。また、空を飛ぶことができ享楽のうちに生涯を過ごすといわれています。しかしながら煩悩から解き放たれておらず、仏教に出会うこともないため解脱も出来ません。天人が死を迎えるときは5つの変化が現れます。これを五衰(天人五衰)と称し、体が垢に塗れて悪臭を放ち、脇から汗が出て自分の居場所を好まなくなり、頭の上の花が萎びます。

人間道
 人間道は人間が住む世界でし。四苦八苦に悩まされる苦しみの大きい世界ですが、苦しみが続くばかりではなく楽しみもあるとされます。また、唯一自力で仏教に出会える世界であり、解脱し仏になりうるという救いもあります。

修羅道
 修羅道は阿修羅の住まう世界です。修羅は終始戦い、争うとされています。苦しみや怒りが絶えないが地獄のような場所ではなく、苦しみは自らに帰結するところが大きい世界です。

畜生道
 畜生道は牛馬など畜生の世界でし。ほとんど本能ばかりで生きており、使役されなされるがままという点からは自力で仏の教えを得ることの出来ない状態で救いの少ない世界とされています。他から畜養(蓄養)されるもの、すなわち畜生です。

餓鬼道
 餓鬼道は餓鬼の世界です。餓鬼は腹が膨れた姿の鬼で、食べ物を口に入れようとすると火となってしまい餓えと渇きに悩まされます。他人を慮らなかったために餓鬼になった例があります。旧暦7月15日の施餓鬼はこの餓鬼を救うために行われています。

地獄道
 地獄道は罪を償わせるための世界でし。このうち、地獄から畜生までを三悪趣(三悪道、あるいは三悪、三途)と呼称し、これに対し修羅から天上までを三善趣と呼称する場合があります。また地獄から修羅までを四悪趣と称することもあります。

 また六道から修羅を除いて五趣(五道)と称すこともあります。初期仏教では、地獄・餓鬼・畜生・人間・天上を五趣とし、修羅はありませんでした。つまり五趣の方が六道より古い概念とされています。

 これは当初、修羅(阿修羅)が、天部に含まれていたもので、大乗仏教になってから天部から修羅が派生して六道となった。したがって、これらを一括して五趣六道という。



六道輪廻図の例。ただしこれはラサのセラ寺のものです

出典:Wikipedia

  窃盗、殺人、強姦、堕胎、そして虐待などの罪の描写は不道徳な行動を説明するレリーフとなっています。直接間接を問わず、悪業の結末は、来世が厳しい運命となることを説明しています。地獄を描いたレリーフは、身体を切り刻まれ、焼かれ、真っ赤に熱した鎖で縛られたりする恐ろしい場面です。

 さらに、賞賛に値する慈悲に満ちた行為、聖地への巡礼、そしてそうした行動のすべてが報酬を得るに値するものであるといった場面も描かれています。このレリーフには、調和のとれた行動と相互扶助、農作業、そして調和の取れた家族の姿なども描かれています。

 地獄の苦しみと天国の快楽についても述べられています。サムサラ(誕生の限循環)の痛みの描写もここで説明されています。 パネルに刻まれた文字にはいくつか傷がありますが、それらは、彫られた場面の解説と考えられています。 パネルの中には完成していないものもあり、寺院が完成する前に余分な基壇を追加したのではないかという疑いが生じています。

 寺院建設の過程において、隠された基壇(足)の部分は後から加えられた基壇によって覆われ、さらに神秘的な部分が残されることになりました。この追加の基壇は美と宗教をうまくバランスさせるために、非常に注意深く丁寧に創られています。


 現在、唯一、南東の角が公開されているので来訪者が見ることが出来ますが、その他の部分は隠された構造となっているため基壇の部分を見ることが出来ません。



つづく