アンコール遺跡群現地調査報告 アプサラとデヴァタ (Apsara and devata) 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 2019年2月24日公開 独立系メディア E-Wave Tokyo 無断転載禁 |
アンコール遺跡全体目次 東南アジア巨大石造遺跡に魅せられて シエムリアップに行く1 シエムリアップに行く2 視察・見学の方法と注意 遺跡・寺院の概要・場所 <参考> カンボジア基礎知識 シェムリアップ基礎知識 博物館 クメール王朝について 創建順による遺跡・寺院 アンコール関連用語解説 クメール建築様式 アプサラとデヴァタ カンボジアの伝統工芸 ここではクメール(アンコール)時代の彫刻についてWikipedia(英文版)を日本語に翻訳し紹介します。 ◆アプサラとデヴァタ(Apsara and Devata) アプサラ(Apsara)について 左がアプサラ、右がデヴァダ、バンテアイ・クデイの美しい壁面彫刻 12世紀の仏教寺院であるバイヨンのこの柱には二人のアプサラが描かれています。この彫刻の源は、ヴィシュヌ聖典にみられる乳海攪拌の物語に登場します。 マハーバーラタの他の物語では、ここのアプサラの手柄を詳述しており、そこでは、アプサラは、神話の悪魔、英雄、禁欲主義者を説得したり誘惑したりするための神の使い(仲介者)として使われています。 しかしながら、寺院や他の宗教的建造物の壁や柱を飾るためのモチーフとしてアプサラを広く使用することは、クメールの新機軸でした。アンコールの寺院の現代の記述では、「アプサラ」という用語は踊り子だけでなく他の余り重要ではない女神を指すのにも使われます。 踊っている女神よりもむしろ立って描かれているマイナーな女神はより一般的に「devatas」と呼ばれます。 アプサラとデヴァタはアンコールに偏在していますが、12世紀の基盤で最も一般的です。真の(踊る)アプサラの描写は、例えば、プレア・カーンの踊り子の広間(Hall of Dancers)、バイヨンの外側のギャラリーを通る通路に並ぶ柱、そして乳海撹拌を描いたアンコール・ワットの有名な浅浮き彫りに見られます。 最も多くの女神たち(約2,000人)はアンコール・ワットに描かれており、そこでは個々にそしてグループで描かれています。 出典:Wikipedia 英語版 デヴァタについて 左がアプサラ、右がデヴァダ、バンテアイ・クデイの美しい壁面彫刻 バンテアイ・スレイ寺院のデヴァタの彫像 Source:Wikimedia Commons デヴァタ(Devata)はヒンドゥーの言葉で、神を意味しています。 しかし、デヴァタはインド、ジャワ、バリ、スンダの呼び方であり、マレイ語やバタク語ではデバタ、カロ族はディバタ、スマトラ語ではナイバタ、フィリピン少数民族語ではディワタなど様々な言い方があります。 デヴァタという言葉は、またデヴァ(複数形はデヴァタス、神々の意味)も意味しています。デヴァタにはいろいろな種類があります:ヴァナデバタ(森の精、おそらく、初期の自然霊信仰の末流)、グラマ・デヴァタ(鎮守の神々)、川の合流点のデヴァタ、洞穴のデヴァタ、山のデヴァタなどいろいろ種類があるのです。 ヒンドゥー教では、デヴァタは8方位、9方位、10方位の基本方位を守る神であり、ローカパーラ(方位/方向の守護神)と呼ばれているか、あるいはさらに特別なものとしては、古代のジャワの伝統では、デヴァタ・ナワ・サンガ(DewataNawa Sanga:9方位の守護神)と呼ばれていました。すべての人間の活動にはデヴァタ、精神的カウンターパート、あるいは精神的な側面があります。 デヴァタの類型/種類 ヒンドゥーのデヴァタは例えばコンカン地域では、しばしば5つの類型に区分され ます。 1. JatheraやBaliの先祖代々の崇拝などの創始者の神である可能性があるGrama devatasまたは鎮守の神々であり、例としては、Hanuman、Kalika、Amba、 Bhairavaがあります。 2. Sthana devatasまたは地方の神、例えば、NasikのRama、Pandharpurの Vithoba、DwarkaのKrishnaなど、巡礼のある場所にいる人。 3.クラ・デヴァタ又はカンデライのような家族の神々 4. イシタ・デヴァタ 又は 選ばれた神々 5.ワツ・デヴァタ又はグルハ・デヴァタなど、家を統括する階級のデヴァタ 聖典によると いくつかの有名なヒンズー-仏教の美しい存在は、アプサラやヴィディダリなどのデヴァタのグループに属しています。 インドラ(帝釈天)がスヴァルガから瞑想している行者を誘惑するために送った天の乙女とその相手の男;ガンダルバスはすばらしいミュージシャンです。 デヴァタは、ラーマーヤナやマハーバーラタなどのヒンズー教の叙事詩や、いくつかの仏教の聖典でも頻繁に出てきます。 バリの島は、その活気に満ちたヒンズー文化と伝統のため、Pulau Dewata(インドネシア語: "devataの島または神の島")と呼ばれています。バリ島には、デヴァタに関連する守護霊であるヒャン(Hyang)に捧げられた多くの供物があります。 出典:Wikipedia 英語版 タ・プロームの7つのデヴァタ 出典:グーグルマップ・ストリートビュー 2013年10月 アンコール遺跡全体目次 |