長野県議会が全面・大幅削除した 田中知事肝いりの事業予算! 青山 貞一 掲載日:2005.4.1 |
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前に戻る 長野県の2005年2月県議会は、理由にならない理由、わかりにくい理由、ひとことで言えば「タメにする理由」(あらかじめ批判することが理由であると言う意味)で田中知事の肝いり予算が全額あるいは大幅に削除された。 常日頃、田中康夫知事バッシングの急先鋒でまさに「タメにする記事」を書きまくっている信濃毎日新聞だが、その信毎の記者でさえ2月議会について次のように書いている。
県民クラブ・公明、緑のフォーラム、志昂会、県民協働・無所属ネット、 緑新会、政信会。これらの多くは田中知事に対し当初「是々非々」 でのぞむとしていたが、現在は「非々非々」的対応となっている。 7会派による田中知事の肝いり予算の全面・大幅予算は、県民ニーズにそったものとは言えない。それはまさに「タメにする予算削除」であるからだ。すなわち田中色がもっとも濃厚な事業や人事の関連予算を、片っ端からろくな議論もせずに切り落とした。関連委員会で7会派の議員が多数をもっていることから、問答無用に近い方法で、全額・大幅削除を断行したと言うことだ。田中知事の肝いり予算の削除があらかじめあり、あとからとってつけたような理由をつけたと言うのが実態ではないのか。 もっぱら、これほど酷い議会は、ないが、県議会における「タメにする議論」や「タメにする予算削除」は今にはじまったことではない。 実際、この一年だけをとっても、田中知事が提出する全国に先駆けての条例案や政策それに施策を否決している。しかも、地元新聞と連携することで、議会が近くなると、にわかに唐突に、田中知事の政策をことごとく政局化させるような動きが顕著になってきた。すなわち次期(2006年夏)の知事選に絡め、知事の支持率を低下させたり、あたかも知事のスキャンダルであるかの如くにするのである。このような7会派とメディアの連携による卑劣なやり方がいかにおかしなものかを、多くの県民はすでに見抜いている。良識ある県民は、このような県庁所在地(長野市)で起こっている茶番劇に、もうへきへきとしているのである。 友人で日本を代表とする見識ある月刊雑誌の編集長は、「いやはや、大変な議会ですね。これは田中知事への『いじめ』でしょうね。本当にお疲れ様でした」と言っている。編集長が言うように、いまの長野で行なわれていることは、知事を標的にした執拗な集団的な『いじめ』とも思えるのである。 事実、長野県が実施している県民世論調査では、7会派が削除した事業が県民ニーズが高いことも明らかになっていると言う。逆説すれば、県民から選ばれたとことある度に公言している7会派議員が、少なくとも県民の代理人、代弁者として機能せず、また「是々非々」にもなっていないことを示すものだ。 最近、「しなやか会」を退会した茅野実氏はじめ、7会派の県議の多く、さらに地元メディアは、ことさらそしてことあるたびに田中知事は「壊すだけで創る努力をしない」などと批判してきた。だが、今回の議会であらためて著となったことは、これでは田中知事や県政が新たな信州を創りたくても創りようもないと言うことであった。 先に「今日のコラム」で報告した長野県知事、総合実力・実績で47都道府県知事中ナンバーワンに!を見ると、これだけ理不尽な7会派の批判や反対の連続の中で、よくぞ信州・長野をこれだけ改革してきたものだ、と感心するのは筆者だけでない。「これでここ数年長野で起こっていること、知事がしてきたことが良く分かりました」と言う趣旨のメールが沢山寄せられている」 ※長野県知事、総合実力・実績で47都道府県知事中ナンバーワンに! 平成17年度一般会計予算の総額に比べれば全面・大幅削除された事業予算や人事関連所産は微々たるものだ、と言う趣旨のコメントが一部議員らが地元新聞に出した意見広告にあるようだ。しかし、逆説すれば、これは大部分の巨大予算についてはろくな議論もせず素通りさせ、田中知事の肝いり予算だけを標的にして「タメにする予算削除」したことを、世間に公言にたようなものではなかろうか。 いずれにしても、田中知事に「是々非々」で対応する言っていた議員が、「非々非々」議員と化している。このような議員とメディアの言動に、本質が見えている多くの県民はウンザリとしているのである。 7会派の議員らは、自分たちの前に「●●の壁」をつくり、それら県民、世論を知らない、知ろうとしない議員やメディアはおろかではないか。まさに今の長野ほど、ただ田中知事をバッシングすることに終始し、議員やメディアがその本分を忘れている地域は日本広しといえ、他にないのではないかと、憂慮する。県民不在であり、県民は実に不幸だ。 また結果的に現職の環境保全研究所長の生首を切り落とす平成17年度報酬の全額削除は、地方公務員法や労働基準法に違反する可能性が大である。 なぜなら、県議会には副知事、出納帳、教育委員長など議会承認事案でなく知事の専管的権限である人事権を同決議は、実質的に侵害している可能性が大であるからだ。常勤の地方公務員(一般公務員)は、地方公務員法、地方自治法でその身分がいくえにも厳重に守られている。他方、非常勤の現職特別行政職公務員は、いとも簡単に首となることを2月議会は示したとも言える。7会派議員による事実、実態から乖離した「タメにする理由」で人権さえ軽視したいわば政治的意図による報酬全額削除は、行政法、労働法の法理からも大きな疑義がある。 知事は常々県職員に「バカ者、若者、よそ者」を大切にし、そこから多くを学べと言っている。だが、いわば「よそ者」への人権無視の理不尽な決議が、こともあろうか立法府(=議会)内でまかり通っているところに、今の長野県議会の常軌を逸した現実があると思えるのである。本コラムでも報告したように、常軌を逸したヤジを飛ばす議員らを放置し、他方、「よそ者」に対し問答無用で理不尽な決議をする7会派議員にはただただ呆れるばかりである。 ※田中康夫:怒号飛び交うわが長野県議会の悲しき姿 田中康夫知事、異例の議長申し入れの背景(法的検討) 寂しいかな、これが長野県の実態であり現実である。 さて以下は、全額削除、大幅削除された田中知事肝いりの5つの事業と、2005年3月24日に何十年ぶりかに県議会で開かれた「再議」における田中知事の趣旨説明と宮川速雄議員の演説である。 以下における図はいずれも広報ながのけん(PDF)最新号(2005.3.26)から転載している。 ※広報ながのけん(PDF)最新号(2005.3.26)は拡大してご覧下さい。
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