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次は、「幸福度」についてです。 みなさんはご存じないでしょうが、正直でまじめに働く日本人は何と先進諸国で一番「幸福度」の低い国にランクされています。 過去、そして現在行われている世界各国の大学などによる「幸福度」についての調査」で、日本は何と43位、36位、90位、81位、OECD諸国34カ国中19位。とてつもなく幸福度が低いのです。信じられないと思いますが事実です。 以下が幸福度調査を行った機関です。ミシガン大学は米国、エラスムス大学はオランダ、レスター大学は英国、フォーブスは米国の著名な雑誌社、そしてOECDは、経済協力開発機構といって先進国のお金持ち団体です。 以下は、ランキングの内訳です。 ●ミシガン大学調査によるランキング 1位 デンマーク 2位 プエルトリコ 3位 コロンビア 4位 アイスランド 5位 北アイルランド 6位 アイルランド 7位 スイス 8位 オランダ 9位 カナダ 10位 オーストリア 16位 米国 43位 日本 ●エラスムス大学調査によるランキング 1. デンマーク(8.2) 2. スイス(8.1) 3. オーストリア(8.0) 4. アイスランド(7.8) 5. フィンランド(7.7) 6. オーストラリア(7.7) 7. スエーデン(7.7) 8. カナダ(7.6) 9. グアテマラ(7.6) 10. ルクセンブルク(7.6) 17. アメリカ(7.4) 22. 英国(7.1) 39. フランス(6.5) 44. 中国(6.3) 45. インド(6.3) 46. 日本(6.3) ●レスター大学調査によるランキング 1 デンマーク 2 スイス 3 オーストリア 4 アイスランド 5 バハマ .... 23 米国 41 英国 82 中国 90 日本 ●フォーブス調査によるランキング 1 デンマーク 2 フィンランド 3 ノルウエー 4 スエーデン 5 オランダ 6 コスタ・リカ 7 ニュージーランド 8 カナダ 9 イスラエル 10 オーストラリア 11 スイス 14 米国 15 オーストリア 17 英国 33 ドイツ 44 フランス 56 韓国 73 ロシア 81 日本 125 中国 ●OECD調査によるランキング 1 位 オーストラリア、 2 位 カナダ、 3 位 スウェーデン、 日本はOECD 加盟 34 ヶ国中19 位 さらに以下は、日本の都道府県における幸福度ランキングです。 法政大学の大学院が行った調査結果です。残念ながら愛知県はほぼ真ん中、21位となっています。 幸福度を評価する具体的な指標をもとに日本人が不幸である原因を見てみましょう! ミシガン大学の調査では、家族、コミュニティ、住宅、健康などに大きな問題があることが分かりました。 事実、日本社会では過去20年で社会の格差が拡大しています。またコミュニティ(地域社会)が農村でも都市でも激しく破壊され、人々はばらばらに生活しています。 とりわけ、過疎のまちのお年寄りにとって、このことは深刻なものとなります。 次に、OECD調査では、住宅、コミュニティ、環境、ガバナンス、生活満足度、ワークバランスなどが課題となっています。 言うまでもなく、日本は海外諸国から「ウサギ小屋」と言われているように、狭い住宅となっています。しかも小さな住宅でも土地付きだと目が飛び出るほど高額です。 冒頭でお話ししましたが、日本の地方では過疎化、高齢化とともに核家族化が急激に進行しています。これは家族の崩壊、地域社会の崩壊と密接に関係します。 ガバナンスは行政の統治機構の問題です。日本では市町村のお役所が住民から離れ、まるで国や都道府県のようになっています。 ワークバランスは働き過ぎについての指標ですが、言うまでもなく日本人は働き過ぎです。ブラック企業論ではありませんが、これほどの労働時間をかけないと、普通の生活が出来ないとするなら、日本は先進国で一番貧乏な国となります。 下のスパイラルチャートによるOECDの幸福度指数調査では、日本が住居、生活と仕事、生活満足度、地域社会、ガバナンス、環境などで非常に低いスコアであることが分かります。とくに酷いのは生活と仕事、生活満足度、地域社会、政府と収入です。 生活と仕事、生活満足度、地域社会、政府はいずれも最下位となっています! 出典:OECD Better Life Index Ranking このように、日本人は正直で真面目に働きながら、けっして「幸福」ではないのです。 下は、大部分の幸福度調査で第一位となっているデンマークの特徴を示したものです。 何と、市野さんに聞けば、この第一位のデンマークに一年間留学で滞在し、研究されていたそうです。研究所での私の同僚、鷹取敦さん夫妻も北欧、とりわけデンマークに注目されています。 1996年ユトランド半島北部で留学中に訪ねてきた友人 と一緒の市野和夫さん 見て分かるように、デンマークは福祉、教育、子育て、医療そして男女平等が進んだ国であることが分かります。 しかも、デンマーク国民の一人当たりの所得は、それほど高くはありません。逆に税金、年金、健康保険などの掛け金は高くなっています。 スイスのダボスで開催されている世界経済フォーラムWEF2012年では、毎年さまざまな分野でのランキングが発表さています。 日本は男女格差で世界で101位となっているのです。男女格差については、日本の現実はどうしようもないくらい酷いのです。 WEF調査だけでなく、多の国際調査でも日本の男女格差は低ランクとなっています。101位と言えば先進国で最下位であるだけでなく、発展途上国を含めても低い国であると言うことになります。 これについては、あちこちでその実態を見ることが出来、かつ実感します。 私は田中康夫氏が長野県知事に就任した後、知事の政策顧問として長野県に3年〜4年係わりました。田中さんが知事だった長野県でも女性の登用、たとえば課長級以上への登用はほとんどありませんでした。 欧米、とくに北欧では、クォータ制と言って、議会は半分の女性議員とすべしと言う制度があります。 下の写真は昨年視察したスコットランド議会の議員です。半分弱が女性議員であることが分かります。スコットランドは英国を構成する国の一部です。 ◆スコットランド(英語:Scotland)は、北西ヨーロッパに位置する グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(イギリス)を構成する 4つの国(カントリー)のひとつです。 現在のスコットランド議会議員 よく見ると女性議員がたくさんいる 撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8 日本では国会でも10%強しか女性議員がいません。地方でも同じです。ちなみに、設楽町には10名ちょっとの町議会議員がいますが、女性はわずか一人です。 今後、男女格差が著しい日本で、女性の社会、経済、政治参加をどうまちづくりに反映してゆくかも大きなテーマであり、最終的に幸福に係わる問題だと思うからです。 青山が長野県行政にいたときの経験を紹介したこの命題については、質疑で多くの女性の発言を呼び起こしました。 つづく |