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シルクロードの今を征く Now on the Silk Road

パドヴァ( イタリア)
 
サンタ・ジュスティーナ教会(パドヴァ)

(Abbey of Santa Giustina in Padua)

ダニエル・レヴィタ礼拝堂

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda 共編
掲載月日:2019年4月20日改訂公表予定2024年7月21日
独立系メディア E-wave Tokyo
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位置と外観    概要    内装    聖ジャコモ礼拝堂       聖グレゴリオ・マグノ礼拝堂
聖ダニエレ・レヴィタ礼拝堂       聖パルシド礼拝堂       聖マウロ/マウルス礼拝堂
殉教者ジュリアーノ礼拝堂        聖フェリシタ礼拝堂       聖ルカ礼拝堂 
ビート・アルナルド・ダ・リメナ礼拝堂 聖歌隊席(クワイヤー席)   主祭壇   ピエタの礼拝堂
聖マキシム礼拝堂              聖マティアス礼拝堂      殉教者の廊下
プロズドチモの聖なる場所        聖ウーリオ礼拝堂
無辜の幼児殉教者のための礼拝堂 聖ベネディクト礼拝堂      聖スコラスティカ礼拝堂
聖ジェラルド・サグレド礼拝堂     聖ゲトルデの礼拝堂     聖パウロの回心の礼拝堂

 本稿の解説文は、現地調査に基づく開設に加え、Veneziaイタリア語版を中心にVenice英語版からの翻訳及び日本語版を使用しています。また写真は現地撮影分以外にWikimedlia Commons、さらに地図はグーグルマップ、グーグルストリートビューを使用しています。その他の引用に際しては、その都度引用名をつけています。 
 
◆聖ダニエレ・レヴィタ礼拝堂(Cappella di san Daniele Levita)


 第三礼拝堂はパドヴァのダニエル(Daniele)に捧げられています。祭壇の建築は、フランス産の赤い大理石と、カララとパドヴァの大理石を使用しています。 祭壇画の絵はイタリアの画家アントニオ・(Antonio Zanchi:1677)によるもので、殉教者聖ダニエルを描いています。祭壇はコルバレッリ(Corbarelli)兄弟の作品です。


Chapel of St. Daniel of Padua パドヴァの聖ダニエルの礼拝堂
Source:Wikimedia  Commons
CC BY-SA 4.0, Link



Martyrdom of Saint Daniel by Antonio Zanchi  
アントニオ・ザンチによる聖ダニエルの殉教
Source:Wikimedia  Commons
Public Domain, Link


<参考> ダニエル


『ライオンの穴の中のダニエル』1615年頃 ルーベンス
Source:Wikimedia  Commons
パブリック・ドメイン, リンクによる


 ダニエルは旧約聖書の『ダニエル書』に登場するユダヤ人男性です。

 ユダヤ名がダニエルで、ベルテシャツァルはバビロンの宮廷でつけられた名前です。ダニエルとは、ヘブライ語で「神は私の裁判官である」という意味があります。キリスト教においては預言者だが、ユダヤ教では預言者とはみなされません。ダニエル書の伝えるダニエルの物語は以下のようなものです。 正教会でダニイルと呼ばれ聖人とされています。

経歴

 紀元前6世紀、エルサレムを陥落させたバビロンのネブカドネツァル王は、自分の占領行政の官吏を養成するため、ユダヤ人の「王族と貴族の中から、体に難点がなく、容姿が美しく、何事にも才能と知恵があり、知識と理解力にとみ、宮廷に仕える能力のある」(ダニエル)少年たちを選び出して連れてこさせ、カルデア語を学ばせました。

 ベルテシャツァルと呼ばれることになったダニエルはその一人でした。ダニエルをリーダーとするシャドラク、メシャク、アベド・ネゴの四人組は、異邦人の地にあっても唯一の神への信仰を守りぬき、「異邦人の肉類と酒で自分を汚すまい」(ダニエル)と誓っていました。ダニエルらはぬきんでて優秀であったため、王に仕えて重用されました。

 ダニエルはネブカドネツァル王の見た夢の謎を解き明かしたことでバビロン全州の長官に任命されました。また、ネブカドネツァルの子ベルシャツァルが宴会中に壁に字を書く指の幻を見たときも、その意味を解き明かしています。

 ペルシアがバビロンを征服したのち、メディア人ダレイオスもダニエルを重用したが、他の家臣の陰謀でダニエルはライオンの洞窟に投げ込まれることになりました。しかし、ダニエルは神の力によってライオンに襲われることなく、逆にダニエルを陥れようとした者たちがライオンの餌となりました。

 ダニエルが主に祈っていると天使ガブリエルが現れ、メシアに関する定められた時についてのお告げを受けた事もあります。「大いに愛せられている者」と呼ばれている事から、主のお気に入りだったとうかがえます。

 旧約外典のダニエル書補遺には、ダニエルがキュロス王治下でベル神の祭司と争う物語、および二人の男に誣告された女スザンナを巧妙な裁判(スザンナが庭の樹木の陰で逢い引きしていたならば、その樹木の種類は何かと個々に尋ねると、二人はしどろもどろになって異なる樹木名を答えたので、事実無根と判明する)で救う物語が収録されています。

 後者からダニエルは裁判の守護聖人とされました。シェイクスピアの『ヴェニスの商人』では、ポーシャが肉を切り取っても良いという判決を下したので、シャイロックが名裁判官の例としてダニエルが引き合いに出しますが、それはこの旧約外典の物語にちなんでいます。

 ヘブライ語でシュシャンと呼ばれるスーサには、ダニエルの墓とされるもの(シューシュ・ダニエル)があります。

旧約聖書におけるダニエルの謎解き

 ネブカドネザル2世は夢の中で頭が純金,胸と腕が銀,腹と腿が青銅、すねが鉄、足は一部が鉄で一部が陶土できた像の夢を見ました。そこに一個の石が投げつけられ陶製の足を砕き、像は粉々になり、跡形も無くなりますが、石は山のようになって全地に拡がるという夢でありました。

 ダニエルは、金の頭はネブカドネザル2世自身であり、銀、青銅、鉄、陶土はバビロニア王国の跡を継ぐ、より劣った王国を表し、これらはついに永遠に続く神の王国によって滅ぼされるだろうと解きました。

 次にネブカドネザル2世が別な不吉な夢を見ました。それは天に達する一本の高い木に、豊かな実が実り、鳥が巣を作り、動物は木陰に宿っていたが、聖なる天使が下って来てその木を切り倒し、切り株だけを地中に残したというものでした。

 ダニエルは、木は栄光と権力を握る王自身を表し、主がすべてを支配する事を知らせるために、王は動物の境涯に落とされるであろうと解き、ネブカドネザル2世に間に合ううちにやり方を変えるように説きました。

 次の話は、ベルシャザルが王宮で大宴会をしていたとき、一本の手が現れ宴会場の壁に「メネ、メネ、テケル、パルシン」と描きました。ダニエルは、メネは数えるという事であり、神があなたの治世を数えてそれを終わらせられたと解きまそた。

 テケルは量を計ることで、あなたは天秤にかけられ不足と見られたと解きました。パルシンは分けるという事で、あなたの王国はメディアとペルシャに与えられると解きました。


聖パルシド礼拝堂 につづく