ボロブドウール寺院遺跡群 Archaeological site of Borobdur temple ムンドゥッ寺院 レリーフ3 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 掲載月日:2017年1月31日 独立系メディア E−wave Tokyo 無断転載禁 |
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◆ムンドゥッ寺院のレリーフ(3) レリーフの中には、ストーリーとなっている仏教の教えの寓話があります。 1.鳥と亀 二羽の鴨が一本の棒を加えています。その棒を亀がくわえて空を飛んでいきます。これを見た人間が驚いて大声で叫んでいます。「ごらんよ、なんて頭のいい鴨たちだ」 亀はこれを聞いて憤慨します。そして、「違う、これを思いついたのは俺だ、鴨たちじゃない」と言おうとした瞬間、亀は口を開いて、もんどり打って地上に落ち命を落としてしまいました。 撮影:池田こみち Nikon Coolpix 9900 2016-11-19 2.猿と鳥 猿が一匹、木の下で雨に濡れて震えています。これを見た鳥が言いました。 「おまえさん、私のように雨期が来る前に住む家を造っておけば良かったのさ」と。 猿は腹を立て鳥の巣を壊してしまいました。以後一生二人は雨の中で震えることになってしまいました。 人にお説教をするよりは手をさしのべた方がよいことが時にはあるものです。 撮影:池田こみち Nikon Coolpix 9900 2016-11-19 3.ライオンと猿 臆病者のライオンがあるとき、「おまえを取って食うぞ」と羊に言われ、縮み上がってしまいました。 それを見ていた猿が、「羊なんか怖がることはない、私がそばに居てやろう。」と安心させるために、猿は自分の体をライオンの体に縛り付けました。 こうして二匹は一緒に羊に近づいて行きましたが、臆病なライオンは走って逃げようとします。 可哀想な猿は、逃げていくライオンに引きずられて死んでしまいました。力の強い動物と手を結ぼうとすると、時にはとんでもないことになってしまうこともあるのです。 撮影:池田こみち Nikon Coolpix 9900 2016-11-19 4.猫とネズミ あるとき猫がネズミをだまそうとして手に数珠をもちお坊さんに化けました。 猫の計略を見抜いたネズミが言いました。「ほんもののお坊さんになるには手に数珠をかけるだけでなく、首にきれいな鈴を掛けなければなりません。」 猫はなるほどと思い、首に鈴を掛けてもらいました。こうしてネズミは猫が近づくといつでも猫から身を隠すことができるようになりました。 人を騙そうとする者は、簡単に騙されるものです。 撮影:池田こみち Nikon Coolpix 9900 2016-11-19 5.二つの頭を持つ鳥 二つの頭をもつ鳥が居ました。 天に近い方の頭はいつでも美味しい果物を口にすることができました。一方、地に近い方の頭は、いつも零れた残り物しか口にすることができません。 地に近い方の頭はいつも不平を言っていましたが、天に近い方の頭は「どちらが美味しいものを食べてもたべても入っていくところは同じひとつの腹ではないか。」と言って取り合ってはくれません。 地に近い方の頭は望みはないと思って、ついに毒キノコを食べて相手を諫めようとしますが、鳥はキノコの毒にあたって死んでしまいました。 撮影:池田こみち Nikon Coolpix 9900 2016-11-19 石に刻まれたこれらの動物の愚かさを笑うとき、私たちは同時に自分の愚かさを笑うことになります。なぜなら私たち人間もこれと同じ社会に生きているのですから。 つづく |