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   東南アジア最後の秘境 ミャンマー

独立公園の周辺

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda
掲載月日:2016年8月4日
独立系メディア E−wave Tokyo

無断転載禁
(24) 旧官庁街の歴史的建築物  (25) ヤンゴン 目抜きの露天商  (26) 独立公園の周辺
(27) スーレーパゴダ (28) 夕方の活気、熱気  (29) ボージョー・アウンサン市場


 そして何度もお見せしました下のグーグルアースの衛星写真にある独立記念公園(正式名、バハマンドゥーラ公園)、独立記念碑(記念塔)、ミャンマー旧最高裁裁判所、ヤンゴン市役所、そしてスーレーパゴダなどがあります!


出典:グーグルアース

 ところで上記の写真を含む一帯は「ヤンゴン管区チャウタダ郡区」といいます。下のグーグルマップの薄い赤色の部分です。東京でいえば東京都の千代田区と港区を合わせたような地区ですが、遷都しているのでいわゆる霞が関や永田町は含まれていません。


ヤンゴン管区のチャウタダ郡区    出典:グーグルマップ

 この「ヤンゴン管区チャウタダ郡区」の面積はわずか0.6km2 ですが、人口が37,000人もおります。そしてこの地区には、スーレー・パヤー、ヤンゴン市庁舎、ミャンマー旧最高裁判所、ストランドホテルなどの歴史的建造物や、アメリカ合衆国大使館、イギリス大使館、オーストラリア大使館、インド大使館など大使館、政府機関庁舎も数多く立地しているのです。

 ヤンゴンで最も高いビルのトップ3のトレーダーズホテル、サクラタワー、セントラルポイントタワーもこの郡区に位置しています。

 スーレーパヤーとヤンゴン市庁舎の向かいにあるマハバンドゥラ公園はこの界隈の憩いの場となっています。さらにこの「ヤンゴン管区チャウタダ郡区」には小学校5校、中学校1校、高等学校1校がありますが、近隣の先ほど県託してきたボタタウンやパベダンの学校に通っている生徒も多いようです。

建築物 種類 所在地
ミャンマー中央銀行 政府庁舎 スーレー・パヤー通り 24-26
中央消防署 政府庁舎 スーレー・パヤー通り 137-139
中央郵便局 ボー・アウンジョー通り 39-41
中央海軍水文部デポ 政府庁舎 ストランド通り 55-61
ヤンゴン市庁舎 政府庁舎 マハバンドゥラ通り
税関 ストランド通り 132
エマニュエルバプテスト教会 教会 マハバンドゥラ公園通り 411
消防局 政府庁舎 スーレー・パヤー通り 127-133
情報広報局 政府庁舎 パンソダン通り 22-24
入国管理局 政府庁舎 マハバンドゥラ公園通り 416
国税局 政府庁舎 パンソダン通り 55-61
労働局 政府庁舎 パンソダン通り 138-158
年金局 政府庁舎 バンク通り 27
オーストラリア大使館 大使館 ストランド通り 88
インド大使館 大使館 マーチャント通り 545-547
イギリス大使館 大使館 ストランド通り 80
アメリカ合衆国大使館 大使館 マーチャント通り 581
ミャンマー旧最高裁判所 裁判所 パンソダン通り 89-133
内水域交通局 パンソダン通り 44-54
メソジスト教会 教会 セイカンタ通り 239
ホテル観光省 政府庁舎 スーレー・パヤー通り 77-91
ミャンマー農業農村開発銀行 ストランド通り
ミャンマー経済銀行 政府庁舎 マハバンドゥラ公園通り 564
ミャンマー経済銀行第2支店・ミャンマー経済貯蓄銀行第4支店 政府庁舎 パンソダン通り 27-41
ミャンマー経済銀行第3支店 政府庁舎 スーレー・パヤー通り 15-19
ミャンマー輸出入公社 政府庁舎 ストランド通り 579
ミャンマー保険 政府庁舎 スーレー・パヤー通り 142-144
ミャンマー工業開発銀行 政府庁舎 パンソダン通り 26-42
ミャンマー保険
(火災 & エンジニアリング)
政府庁舎 パンソダン通り 128-132
ミャンマー郵便電信公社 政府庁舎 パンソダン通り 125-133 (マハバンドゥラ通り角)
ミャンマー港湾局 政府庁舎 パンソダン通り 2-20
Cybermec 科学技術部 ストランド通り 550-552
ストランドホテル ホテル ストランド通り 92
スーレー・パヤー パゴダ スーレー・パヤー通り
スンニー・ジャマー・ベンガリー・モスク モスク スーレー・パヤー通り 93
スリティ・スンニー・ジャマー・モスク モスク 35番通り 224-228
ヤンゴン管区合同庁舎 政府庁舎 バンク通り 56-66
ヤンゴン管区統計事務所 政府庁舎 バンク通り 22-34
ヤンゴン管区裁判所 (民事) 裁判所 パンソダン通り 1
出典:Wikipedia

 まず最初は、独立広場に面して建つこの建築物はエマヌエル・バプティスト教会です。

 バプテストは17世紀頃に英国で始まり、現在では米国に最も多く分布しています。米国の宗教人口はプロテスタントが最も多いのですが、その中でも最も多いのがバプテストであり、非カトリック教派団体として最大の規模を誇っています。

 まずミャンマー人の90%は概要で述べたように、仏教徒であり、キリスト教徒は4.5%、イスラム教徒は4%となっています。ミャンマーは大きくわけて八つの部族(州)からなっており、仏教徒が多数を占める州が多いのですが、キリスト教徒の多い州がエーヤーワディー管区(26%)です。

 その理由をたどると、今から200年ほど前、米国のバプテスト派宣教師、ジャドソン師夫妻がカチン族に伝道したことに起源があるそうです。これはビルマが英国の植民地になる前の事です。

 その伝道の歴史を読むと12年間で1270人が洗礼を受けています。さらにジャドソン師は聖書をビルマ語に翻訳し、40年間布教活動した後、米国の他のバプテストの宣教師が引き継ぎ、1890年には識字率が0%であったのが、その後一世紀以内に100%になったとされています。

 さらに1820年に創建されたヤンゴン大学の構内に19322年にジャドソン教会が建てられるなど。ミャンマーの近代史に深く関わっていたことを伺わせます。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900   2016-6-2 Yangon


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900   2016-6-2 Yangon


 独立公園に面したエマヌエル・バプティスト教会のすぐ南隣にあるレンガ造りのすばらしい建築物がミャンマーの旧最高裁判所です。グーグルアースの衛星写真にあるように、最高裁は上空から見るとロの字をしており、大きな中庭があります。

◆旧最高裁判所

 ミャンマーではネ2006年にピドーへの遷都を行っており、その時にミャンマーの最高裁も移っていますが、他の歴史的建築物と同様、旧最高裁判所も保存されています。

 ミャンマー最高裁判所は、ミャンマーの憲法上、最も上位の司法機関、最終的な訴えの場であり、独立国家として、立法及び行政機関と共に、自立した司法の存在を示しています。裁判所では、法的に主任裁判官を含め、7人から11人の判事を擁していることが定められています。

 高等裁判所の建物は、ヤンゴン市のダウンタウン、Maha Bandula庭園通りとKyauktada群区のPansodan通りの間に位置しており、以前はビルマ最高裁判所でした。新しい高等裁判所は、2006年に新たに首都となったネピドーのNo.54事務所に移動しています。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900   2016-6-2 Yangon


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900   2016-6-2 Yangon



撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900   2016-6-2 Yangon

 独立公園の北側にある歴史的建築物のような形をしたビルがヤンゴン市役所です。ヤンゴン市は四つの県 (District) に分かれており、その下にさらに郡区 (township) に分かれる。 全45郡区ありますが、そのうち33郡区がヤンゴン市となっています。「ヤンゴン管区チャウタダ郡区」もそのひとつです。

 ヤンゴン市の行政は、ヤンゴン市開発委員会 (Yangon City Development Committee:YCDC) によって行われています。市開発委員会は都市計画を調整する役割も持っています。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900   2016-6-2 Yangon


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900   2016-6-2 Yangon


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900   2016-6-2 Yangon

 下の写真は1945年の第二次世界大戦直後のヤンゴン市役所です。


Source : English Wikipedia


 ヤンゴン市役所の右隣()振り向けば、立派な英国風の建物があります。よく見ると英やエイヤワディ(Ayawaddy)バンクとあります。すばらしい銀行のビルです。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900   2016-6-2 Yangon

 この銀行は、ミャンマー国内に下の地図にあるように多数の支店を持つミャンマーで著名な銀行のようです。



◆エヤワディー銀行

 エヤワディ銀行は2010年7月2日に、ミャンマー中央銀行から銀行業としての認可を得て、2010年8月11日に業務を開始しています。

 この銀行は、国内市場向けの投資或いは開発銀行としての権限を与えられており、その他の承認された銀行業務を併せて行っています。


 下の塔は独立記念塔です。この記念塔は、1948年にミャンマーが英国から独立した時の記念としてバンドゥラ公園内に建てられています。

 ミャンマーでは1947年7月19日にスーチーさんの父親であるアウンサンがウー・ソーの傭兵によって暗殺されましたが、そのあとを継いだAFPFL(パサパラ)をウー・ヌが1948年に英国を離脱しビルマ連邦として独立しました。初代首相には、ウー・ヌが就任しています。現在のミャンマー連邦共和国政府は、ビルマの独立、建国をビルマ連邦が成立した1948年としています。

◆ヤンゴン市役所

 ヤンゴン市役所は、ビルマで最も大きい市であるヤンゴンの市役所であり、市の行政機関であるヤンゴン市開発委員会(YCDC)の中心となっています。

 建物は、融合したビルマ建築のすばらしい建物の一つであり、pyatthat と呼ばれる伝統的な重なり合った屋根が特徴です。

 設計はビルマの建築家U Tinによるもので、中央鉄道駅も彼の設計です。建築は1926年に始まり、1936年までかかりました。市役所は以前のRipon Hallの場所に建てられています。

 市役所はしばしば、いくつかの主要な政治的デモの拠点となりました。具体的には、1964年のThakin Kodaw Hmaingが支援した人民平和委員会の集会もその一つで、20万人の民衆が集まりましたが、社会主義体制の当時の政府によって厳しく弾圧されました。また、200年、2008年、2009年に怒ったいくつかの爆発事件の現場ともなりました。

 市役所は、ヤンゴン市の中心市街地の中心に位置しており、周辺には、スーレー・パゴダ、マハ・バンドゥーラ広場、高等裁判所、そして中央郵便局などがあります。


◆独立記念塔

 下は講演の中心にある独立記念塔です。この独立記念塔は、1948年英国から独立した時、記念としてバンドゥラ公園内に建てられました。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900   2016-6-2 Yangon

◆ミャンマーの独立

 1947年7月19日、スーチー氏の実父、アウンサンがウー・ソーの傭兵によって暗殺された後、AFPFL(パサパラ)をウー・ヌが継ぎました。そして1948年、ビルマは英国連邦を離脱してビルマ連邦として独立します。 

 初代首相には、ウー・ヌが就任しました。独立直後からカレン人が独立闘争を行うなど、政権は当初から不安定な状態にありました。現ミャンマー連邦共和国政府はその建国をビルマ連邦が成立した1948年としており、ビルマ国との連続性を認めていない一方で、ミャンマー国軍については、1945年3月27日のビルマ国および日本への蜂起をもって建軍とし、この日をミャンマー国軍念日としています。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900   2016-6-2 Yangon


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900   2016-6-2 Yangon


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900   2016-6-2 Yangon


つづく