シルクロードの今を征く Now on the Silk Road ヴェネツィア( Venezia、イタリア) アルセナーレ・ディ・ヴェネツィア(国立造船所)1 (Arsenale di Venezia) 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 共編 掲載月日:2019年4月20日 独立系メディア E-wave Tokyo |
<ヴェネツィア総合メニュー> <博物館1> ヴェネツィア国立造船所1 ヴェネツィア国立造船所2 海洋史博物館1 海洋史博物館2 ヴェネツィア・ゲットー ヴェネツィア・ユダヤ博物館 市立自然史博物館 本稿の解説文は、現地調査に基づく開設に加え、Veneziaイタリア語版を中心にVenice英語版からの翻訳及び日本語版を使用しています。また写真は現地撮影分以外にWikimedlia Commons、さらに地図はグーグルマップ、グーグルストリートビューを使用しています。その他の引用に際しては、その都度引用名をつけています。 ◆アルセナーレ・ディ・ヴェネツィア(ヴェネツィア国立造船所) 以下は、ヴェネツィア国立造船所跡の位置です。 出典:グーグルマップ 出典:グーグルマップ 造船所入口(Porta Magna) ヴェネツィア国立造船所入口(Porta Magna) Source:Wikimedia Commons CC 表示-継承 4.0, リンクによる 造船施設(ドック) Source:Wikimedia Commons CC 表示 2.0, リンクによる アルセナーレ・ディ・ヴェネツィア(Arsenale di Venezia)は、イタリアのヴェネツィアにある中世の造船所跡です。 日本語ではヴェネツィア国立造船所やヴェネツィア海軍工廠などと表記されることもあります。ヴェネツィア共和国のヴェネツィアにある造船所を指すことが明らかな場合は、単にアルセナーレと表記されることが多いようです。 1835年のアーセナル、ジュゼッペ・ベルナルディーノ・バイソンによる絵画 L'Arsenale nel 1835, dipinto di Giuseppe Bernardino Bison Source:Wikimedia Commons Pubblico dominio, Collegamento 概要 アルセナーレ・ディ・ヴェネツィアは、1104年にヴェネツィア共和国により設置された国立造船所です。 オスマン帝国との戦争状態に入る15世紀頃がこの造船所の最盛期であり、凡そ2万人の労働者が勤務して1日に1隻のガレー船を建造していたとされます。 注)ガレー船 ガレー船(英語: galley, ポルトガル語: gale)は、主として人力で櫂(かい、オール)を漕いで進む軍艦です。古代に出現し、地形が複雑で風向きの安定しない地中海やバルト海では19世紀初頭まで使用されました。正確にはガレーであり、この語だけで船であることも意味していますが、この語が一般的でない日本では「船」を付して呼ばれることが多いようです。 ガレー船 16世紀におけるマルタの典型的な構造を持つガレー船の模型。 この時期がガレー船最後の最盛期となった。突撃船首が確認できる。 Source:Wikimedia Commons CC 表示-継承 3.0, リンクによる 衝角(右側の突き出た部分)を装備したアッシリアのガレー船 Source:Wikimedia Commons CC 表示-継承 3.0, リンクによる 産業革命が起こる数世紀前にも関わらず、アルセナーレではライン生産方式が取り入れられていました。中世に建造される船体にはオーク、カラマツ、モミが用いられることが一般的でした 13世紀から16世紀頃まではカラマツ材やモミ材はラエティア・アルプスやカーニック・アルプスで産出されたものが使われました。後により北のハプスブルク帝国領からも輸入されるようになります。 オーク材は産出地域が広く、ヴェネト地方やフリウリ地方、イストリア地方などヴェネツィア周辺が供給地でした。アルセナーレ内にはロープや帆布を製造する工場や製鉄所も設けられていました。 1724年の兵器庫(造船所)の眺望 Veduta dell'Arsenale del 1724 Source:Wikimedia Commons Pubblico dominio, Collegamento 第一次世界大戦の頃から生産量は縮小され、第二次世界大戦後には造船所としての機能が放棄されるに至ります。 1983年より文化遺産保護当局により保全修復作業が行われており、一部が海洋史博物館(英語版)などとして公開されている以外は未公開の遺構として保存されています。 現在、この造船所跡の大部分はイタリア海軍が管理しており、総面積45,550m2、うち陸上面積23,239m2です。 旧アルセナーレ(Old Arsenal)と新アルセナーレ(New Arsenal)(1305)、新ブランド・アルセナーレ(Nuovissimo Arsenale)(1473)、ガレアッゼ運河(Galeazze(1564)、ポルタ・ノバ(Porta Nova)運河(1810)を起点とした段階的拡張を伴うアルセナーレ流域計画 Abxbay - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, リンクによる Planimetria dei bacini dell'Arsenale con le loro fasi di ampliamento, a partire dall'Arsenale Vecchio, l'Arsenale Nuovo (1305), l'Arsenale Nuovissimo (1473), canale delle Galeazze (1564) e canale di Porta Nova (1810). Source:Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0, Lien ヴェネツィア国立造船所2へつづく |