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Now on the Silk Road

風力発電ファーム1

(敦煌郊外)

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda 共編
掲載月日:2015年1月24日 更新:2019年4月~6月 更新:2020年4月1日
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敦煌からトルファンへ
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 本稿の解説文は、現地調査や現地入手資料、パンフなどに基づく解説に加え、百度百科中国版から日本への翻訳、Wikipedia 日本語版を使用しています。また写真は現地撮影以外に百度百科、Wikimedlia Commons、トリップアドバイザーさらに地図はグーグルマップ、グーグルストリートビュー、百度地図などを使用しています。その他の引用に際しては、その都度引用名を記しています

 次は敦煌~柳園南駅まで行き車や新幹線の車窓から見た風力発電ファームです。

◆風力発電ファーム1

 驚いたのは新幹線に乗る前、車で柳園南駅までの国道の沿道と、柳園南駅から吐魯番駅に行く800kmに及ぶ新幹線車窓から見える砂漠の中におそらく数100kmにわたり、大型の風力発電システムが無数に立地され、すでに稼働していたことです。一部地域で太陽光パネルもありましたが、膨大な風力発電装置が砂漠に並んでいました!

 以下は敦煌市内から柳園南駅に向かう途中の沿道の車窓から撮影した風力発電ファームです。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900

 以下はズームアップ撮影した風力発電システムです。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900

 写真は甘粛省の柳園南駅から新疆ウイグル自治区に向かう新幹線鉄道の車窓から撮影した中国の風力発電ファームです。このような風力発電ファームが延々とつつくのです。


撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900

 現在世界最大の風力発電は、この中国甘粛省のGansu Wind Farmであり、約 795万5千kWあり、近い将来2000万kW)に増設する計画があります。

 以下は柳園南駅近くにあった風力発電用の巨大な変電所です。


撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900

 現状でも日本最大の発電所(柏崎刈羽原子力発電所 821万2千kW)匹敵する発電能力をもっています。
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 この中国甘粛省の風力発電は、新幹線の車窓からはどこまで行っても、このような光景が見れる、おそらく数100km長にわたり膨大なシステムが並んでいます。
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中国甘粛省の風力発電プロジェクト(Wind generation farm)は、甘粛省西部で建設中の大型風力発電所のグループのひとつです。 甘粛省の風力発電プロジェクトは豊富な風力資源を持つ甘粛省北西部に位置する砂漠地帯にあり、複合施設は現在20GWの計画容量で稼働しています。 

 以下は世界各国の風力発電導入量の2000年から2016年の推移ですが、ご覧のように、中国が圧倒的に一位となっており、日本は19位に過ぎません。



 以下のScience Portal Chinaの記事にあるように、中国の風力発電は、2011年6月に本格的にスタートしたことから、わずか8年で世界最大の風力発電大国となったことになります。これにより、中国西域の発展を大きく後押しすることになったのは間違いありません。

◆甘粛省酒泉に国内初の風力発電基地建設
  2011年 6月30日 Science Portal China

 人民日報は6月29日、甘粛省酒泉市にある国内初の千万キロワット級風力発電基地を紙面上で紹介した。

 甘粛省酒泉市は、発達した宇宙科学技術が有名な西部都市であり、風力発電の宝庫でもある。同市内の瓜州、玉門は「世界の風力発電基地」と呼ばれる。このあたりの風力エネルギー潜在総出力量は2億キロワットとも言われ、技術的には5000万キロワット以上を開発できるという。国内初の千万キロワット級風力発電基地は、ここに建設された。

 酒泉の千万キロワット級風力発電基地は、一基当たり300キロワットの発電ユニット4基からスタートした。それが今では32の発電基地を有する大規模発電基地だ。各基地には数種類の発電ユニット計3773台が配備されている。

 送電網の建設において、第一期施工プロジェクトはわずか8カ月で完成した。建設計画2年の750キロボルト送変電工事は、送電網の発展史上、最大の工事規模、最長の送電線、最も劣悪な建設環境、最も複雑なシステム調整という大変な状況の中、世界初の大容量、高負荷、遠距離送電の先駆を切った。

 発電基地建設のスピードアップに伴い、生産コストも低下した。風力発電1000キロワットあたりの投資額は、2008年の約8000元から現在は6500元前後までコストダウンした。つまり、10万キロワット級の風力発電基地の建設にあたって、1億5000万元を節約できることになる。

 風力発電産業の牽引のもと、第11次5カ年計画期、酒泉市の総生産額は405億元に達した。固定資産投資額は438億6000万元、工業増加値は173億元となっている。経済が急速に発展したことで、酒泉の就業・就学環境、医療環境も実質的な改善を見せ、都市は大きく変貌しようとしている。



風力発電ファーム2へつづく