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民主党政権への政策提言
第1.7版(順次拡充)

青山貞一
池田こみち
鷹取敦

14 September 2009 無断転載禁
初出:独立系メディア「今日のコラム」 
1September 2009


 半世紀以上かかったが、自公しがらみ王朝が自滅、崩壊し、民主党政権が誕生した。まさに無血に「政権交代」が国民の手で実現したことになる。

 民主党政権が国民にすべきことは多数ある。その一部を「民主党政権で世の中こうなる」 (日刊ゲンダイ)に示した。以下はそのヘッドライン。

「宙に浮いた年金問題」は2年間で解決!

◆中低所得者に配慮した(新)年金制度

◆保険の一元化で医師不足、病院不足は解消に向かう 

◆日本郵政西川社長の後任に鳩山邦夫前総務大臣の可能性も

◆検察への報復!?厳正公平な捜査を求めます

◆年初来高値の株価はまだまだ上がるゾ!

◆「天下り禁止」で毎年4兆円の財源が浮く 

◆高速道路無料化でドシャ降り不動産業にビッグチャンス
 
 ところで民主党が政権マニフェストのなかに示し、また小沢代表(当時)、鳩山代表、その他の幹部が会見のなかで約束を実現するとともに、以下に示す私たちからの政策提言もぜひ重視し実行して欲しい!

●特集:民主党政権への政策提言
◆青山貞一:政策学校一新塾の講義より@
◆青山貞一:政策学校一新塾の講義よりA
◆青山貞一:政策学校一新塾の講義よりB
◆青山貞一:政策学校一新塾の講義よりC

青山貞一:事業仕分けの次は、公務員給与の大幅削減だ!

青山貞一:民主連立政権は取り調べ可視化法の制定を


情報公開の徹底

○情報公開法の改正
 
現在の国の情報公開法には多くの公開の例外規定がある。これらを出来る限り取り除き国民の知る権利を徹底しなければならない。たとえば各種民営化にともないさもなくとも情報公開が例外的にしかなされていなかった独立行政法人、..機構などの情報公開が制限されている。西日本高速道路株式会社、日本郵政株式会社などはその典型である。

○公文書管理法の改正
 
今年の通常国会で公文書管理法が制定されたが、米国と比べると諸点で課題があり、以前として省庁、官僚側に文書管理上の裁量が残されている。それらを改正しなければならない。公文書管理の徹底はムダな公共事業の徹底見直し、撲滅にも通ずる!

○情報公開の徹底が新たな財源を生む
(*:藤井最高顧問)
 
特別会計系の埋蔵金は有名だが、特別会計だけでなく、一般会計でも省庁が隠しているカネはあちこちに膨大にあるはずだ。情報公開を徹底することにより新たな財源、隠されていた財源が次々にでてくる可能性がある。「花咲じいさんのココ掘れワンワン」を霞ヶ関だけでなく、全日本的に行おう!

「脱」記者クラブ
(*:小沢代表代行、鳩山代表)
 情報公開に関連し、省庁が提供してきた大新聞、テレビなど大メディアの「既得権益」を徹底的に壊さなければならない。いわゆる「記者クラブ」制度は辞めるべきだ。これは小沢一郎代表代行が代表だったとき、そして鳩山由紀夫氏の代表就任時の会見でも明確に述べている。民主党はすでに各種会見に大メディア以外の週刊誌、NPOメディアなどの参加の道を開いている。問題は霞ヶ関の各省庁の記者クラブだ。新政権は、省庁の記者クラブ制度を廃止し、誰でも参加できる会見の場とすべきである!

◆鳩山由紀夫新代表の記者会見(ノーカット版)

核持ち込み問題の明確化(*:鳩山代表)
 米軍の核搭載艦船が日本を通過したり寄港していたことを日本政府が容認していた密約問題だが、米国の情報公開制度ですでに密約の事実が明らかになっている問題について日本国民に事実を公表し明確化にすべきだ。これによりこれまで「密約は存在しない」と繰り返しウソをつき自民党が国民を欺いてきたこと事実を真実として国民に周知しなければならない。民主党が真に国民政党であるなら当然、持ち込み問題に早く決着を付けるべきである。

 この種の日本政府の米国との密約は核持ち込みに限らず多数あるはずだ。すべてを情報探索し、国民の前に明らかにすべきだ。

 



正当性のない審議会、委員会、検討会、審査会の廃止


○行政裁量による委員任命の廃止
 国には省庁毎に多くの審議会、委員会、検討会、審査会などがある。それらに所属する委員の多くは、いわゆる御用学者によって占められ、御用学者は官僚の手の上での議論、デキレース的議論に終始している。審議会は”審議”したというアリバイとして官僚に使われている。本来、省庁など行政がすべきことを審議会、委員会に丸投げしている。また省庁の行政裁量により委員を決めている。出来る限り審議会、委員会、検討会、審査会を整理し、ムダ、不要なものは経費節減の観点からも廃止すべきだ。

○公職コミッショナー制度の導入
 
どうしても必要となる審議会、委員会、検討会、審査会には、委員を任命する公職コミッショナー制度を創設すべきだ。公職コミッショナー制度はイギリスではじめられた制度である。日本にこの制度を入れるなら、上記の委員の選任だけでなく、独立行政法人の所長や理事、日本郵政など国が過半の株を保有している半官半民組織の代表などもコミッショナーが任命することになる。省庁の役人の裁量で、御用学者を一方的に指名している現状はきわめて異常である。私たちの調査(以下参照)では、ひとりの委員が同時に20以上の委員を兼務している実態もわかった。

◆青山貞一:みんなのメディア作戦会議 第2弾参加記

いわゆる御用学者の徹底排除
 自民党独裁政権時代、審議会、委員会、検討会、審査会に登用、重用されてきたいわゆる御用学者、御用学識経験者を一掃しなければならない。
 

◆青山貞一:政権交代で実現しようシリーズ 御用学者一掃!




ムダな「はこもの」、「公共事業」の凍結・廃止
(*)

群馬県八ツ場ダム事業凍結
(*:鳩山代表、マニフェスト)
 
群馬県長野原町、東吾妻町で巨額な公費で工事が進められている八ツ場ダム事業を凍結すること。これについて鳩山代表が幹事長であった昨年夏、鳩山氏の軽井沢にある別荘に民主党所属の多数の議員を集め議論した後、現地を視察し、八ツ場ダム事業を中止すると述べている。これをぜひ実現して欲しい。

◆青山貞一:笑止、大メディアの八ッ場ダム中止バッシング

◆青山貞一:民主党、政権政策マニフェストで八ッ場ダム中止!

◆鳩山幹事長ら、八ッ場ダムの建設現場を視察 住民のなまの声を聞く

◆無駄な事業の典型:鳩山幹事長 群馬県八ツ場ダム建設現場視察

◆八ツ場ダム続行は問題、鳩山幹事長が会見で

◆1兆円“福田ダム”壮大な無駄 日刊ゲンダイ


吾妻渓谷で進む八ツ場ダム関連工事(長野原町)
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10  2008.11.1


群馬県長野原町の八ツ場ダム工事計画の全体図

○熊本県川辺川ダム事業凍結(*:鳩山代表、菅代表代行、マニフェスト)
 同様に熊本県の川辺川ダム事業も公約通り凍結すべきだ。

◆ダム撤去、川辺川ダム中止:菅代表代行、視察後明言

○長崎県諫早湾干拓事業水門開放(*:菅代表代行)
 菅直人代表代行が永年問題視してきた諫早湾干拓事業についても水質を改善させ、魚介類を蘇生させるために2つの水門を開放させて欲しい!

○愛知県設楽ダム事業凍結
 愛知県の設楽ダムは2千億円超の巨大な予算で計画されているが、現在、このダム計画は利水、治水いずれから見てもムダなダム計画だ。ダムには多目的ダムというのがあるが、まさに設楽ダムは無目的ダムである。まだ一切着工していないので、ぜい計画その者を凍結すべきだ。凍結することで日本の財政難をすこしでも救うことになる。

○30兆円に及ぶ高速道路整備路線の建設凍結(*:マニフェスト)
 本来凍結すべき30兆円に及ぶ高速道路の整備路線を完全に凍結すべきである。たとえば、東九州自動車道の福岡南部から大分北部への路線は建設中止するかミカン農園主が提案している代替路線を具体化すべきだ。

◆青山貞一:既成事実の積み重ねで進む巨大道路建設

◆青山貞一:道路公団民営化」が残したもの!

○不要な砂防ダム建設事業凍結
 わが国には膨大な数の砂防ダムがある。長野県は全国第2位で2000−3000もの砂防ダムがある。これらの砂防ダムは、@海岸浸食、A磯焼け、B骨材の不足、C河床低下、D貯水ダムの堆砂など、多くの問題を持っている。さらに砂防ダムはひとつひとつの工事費は巨大ダムに比べて小さくても、まとまると巨額となり、税金の無駄遣いとなるだけでなく、累積債務のもとにもなっている。必要な砂防ダムと不要不急、ムダな工事をふるい分けする仕組みをつくる必要がある。

◆青山貞一・池田こみち:長野県松本市安曇・島々谷川の砂防ダム視察@

◆青山貞一・池田こみち:長野県松本市安曇・島々谷川の砂防ダム視察A

◆田口康夫:霞沢砂防ダム 建設現場 見学会 報告1

◆田口康夫:霞沢砂防ダム 建設現場 見学会 報告2

○インチキな公共事業監視評価委員会の取りやめ
 国土交通省の要綱で全国都道府県が設置、運用している公共事業監視評価委員会は、結局、巨大な不要不急公共工事や公共事業を取りやめさせるものでなく、小物の公共事業を取りやめることとで国、自治体、御用学者がデキレース的にポーズをとり、アリバイをつくるための委員会である。こんな委員会は取りやめるべきだ。存続させるなら、委員を公選制にするか公職コミッショナーが委員を選ぶシステムに変えなければならない。デキレースのための現地調査などでかなりの公費が使われている。

◆青山貞一:長野県の審議会事情 県裁量でゾンビのごとく復活、浅川ダム


○東京オリンピックへの政府補償の取りやめ
 東京は他のオリンピック候補都市と比較して国民の支持最も低い。そのような東京オリンピックに多額の税金を支出し、ハコものをつくり、都心部の混雑を増し、環境を悪化させ、後世にツケを残すオリンピックに、国が政府補償をつけるのはやめるべきである。

◆東京五輪は鳩山さん次第?…都がIOC総会出席要請 読売新聞

○東京都築地中央市場の豊洲移転中止!
 
東京中央築地市場の豊洲東京ガス跡地への移転は、即刻辞めるべきだ。すでに調査に次ぐ調査で膨大な事前費用がかかっている。環境基準の数千倍、数万倍のVOC、セミVOCなどの有害物質汚染がある土地に、こともあろうか食の市場を移すこと自体、ナンセンスである。強行する東京都の姿勢には何らかの利権があるのではと疑われても仕方がない。新たに就任する農水大臣が中央市場法を根拠に東京都の申請を不許可とすべきである。

◆築地市場洲移転問題、新農相がノーと言えばオシマイ 日刊ゲンダイ

◆青山貞一:築地市場の豊洲移転は新農水大臣が不許可で決着か!


○97カ所もあり経営が悪化する地方空港の徹底見直し!
 日本には99もの民間空港がある。あの広い米国のカリフォルニア州は日本とほぼ同じ面積だが、民間空港は16しかない。世界に冠たる新幹線と高速道路網を有する日本が99もの地方空港を持つ必要はない。これも公共事業天国ニッポンのひとつの実像だ。空港数が異常に多いということは、JAL、ANAなど航空会社の経営を極度に悪化させることを意味する。事実、JAL、ANAとも経営は極度に悪化している。果たして日本が2つの国際キャリアーをもつ必要があるのかという問題を含め、民主党は戦略的に空港、航空会社経営に大なたを振るわなければならない!

◆青山貞一:大マスコミが報じないJALの深刻な経営危機!



省庁外郭団体・独立行政法人などの廃止
(*マニフェスト)

随意契約による省庁から外郭団体への業務の廃止
 
そもそも省庁官僚の天下りの温床であり民業を圧迫する省庁外郭団体への随意契約による業務委託を全面的に禁止すべきだ。

不要な独立行政法人、公益法人、財団法人の業務の廃止
 
社会的役割を終え公金の不正・不当な支出の温床となっている独立行政法人、公益法人、財団法人、社団法人などを整理し、大部分を廃止すべきだ。民間研究所、大学によって十分フォロー可能な研究開発を行っている経済産業省の外郭団体、巨大独立行政法人、産業総合研究所、また財団法人地球環境戦略研究機関(IGESなど類似の研究機関を多数設立している環境省の外郭団体も整理集約し、さして成果を出さない財団法人は廃止すべきである。そもそも環境省と経済産業省は、地球環境問題の研究を理由に多数の類似の外郭組織を競って設置してきた。本来競うべきは研究内容である。

◆青山貞一:独立行政法人は廃止すべし

○高額な科学研究費を特定の研究者や組織に流す独法の整理・廃止
 もともと原子力開発、エネルギー開発、宇宙開発の巨大研究開発を所管する科学技術庁の外郭団体として設置され、その後、文部科学省の外郭団体となっているJST(科学技術振興機構)は、「仲間うち」で巨大な研究資金をまわし、まともな成果の評価を出さず、しかも補助している研究費すら満足に情報公開していない。いわば税金、公金の無駄遣いであり、とっくに社会的役割を終えているはずだ。産官学の間での利権に満ちたこの種の組織は整理し廃止すべきである。

◆青山貞一:霞ヶ関と自民党は無節操な財政焦土化作戦にでている

◆青山貞一:独立行政法人は廃止すべし

○各省庁所管する科学研究費の情報公開の徹底化
 各省庁が所管する科学研究費も同様である。どのようなテーマの研究にいくら助成したかを明らかにするのは税金である以上当然のことであるが、JST同様に、環境省の研究助成の担当者は「個別の研究費を助成することはいろいろと支障があるのでこれまでも今後も公表する積もりはない」と言い放った。

 日本の研究開発投資は必ずしも十分とは言えないが、この分野こそ、情報の透明性が極めて重要である。仲間内でのお手盛りの審査や評価による自己満足で莫大な税金がムダに使われている可能性が高い。この分野こそ鋭くメスを入れる必要がある。

○外郭団体への立ち入り検査情報の公開

 環境省は外角団体への立ち入り検査について、どの団体に検査を行ったという私たちの情報開示請求に対し未だ返事をよこしていない。どの団体に検査を行ったのかを国民に公表できないこと自体、不可思議であり、自分たちのOBらが天下りしている団体を擁護していると思われてもしかたがない。立ち入り検査結果はすべからく国民の前に公開すべきである!

◆鷹取敦:環境省立ち入り検査法人名公開請求の経緯  



政府調達の公正化
(*:マニフェスト)

一般競争入札の実施(*:マニフェスト)
 国土交通省はじめ環境省に至るまで、以前として実質的にみて委託業務などでの特命随意契約が多い。これらを改め、一部の政策調査、企画調査などを除き、可能な限り一般競争入札を導入すべきである。

トンネル再委託の全面禁止(*:マニフェスト)
 環境省などでは一端外郭団体に随意契約で委託し、数10%を事務局費として外郭団体がピンハネし、民間企業などに再委託することが多い。これらを改め、一部の政策調査、企画調査などを除き、可能な限り一般競争入札を導入すべきである。

○省庁天下り先への随意契約の完全取りやめ実施(*:マニフェスト)
 省庁官僚の天下りがいる外郭団体や民間コンサルタントなどへの随意契約も全てとりやめるべきである。正直者が馬鹿を見るような調達方式、契約ははすべて無効となる立法を行うべきだ。




省庁幹部の天下り、渡りの全面廃止
(*:マニフェスト)

○官僚の天下り・渡りの全面的禁止
 G7諸国で国が官僚に天下りを斡旋している国は日本だけ。省庁のキャリアー制度を全面的に見直し、次官、局長、審議官などの天下り、渡りを全面的に廃止すべきである。

「天下り禁止」で毎年4兆円の財源が浮く
日刊ゲンダイ

駆け込み天下りが相次ぐ背景 日刊ゲンダイ

○官僚の旧国立大学教授への天下りの禁止
 官僚が定年間近に国立大学に「教授」として天下る例が年々増加しているが、民間への天下り同様、研究費の「手みやげ」や「持参金」をもっていくことが大学側から期待されているようだ。

 文部科学省から旧国立大学への天下りは有名だが、環境省から国立大学教授に天下り、その後すぐにJSTの公募研究助成に応募し、多額の研究費を3年継続して獲得している例もある。審査プロセス、結果の評価プロセス、審査及び評価に携わるメンバー構成のあり方などの妥当性が改めてが問われる。

 環境省から名古屋大学などの旧国立大学への天下りコースがすでに定着している。名古屋大学の場合、同じ学部学科に環境省の役人が次々と天下り、教授として着任している。いずれも地球環境部からの天下りだ! 



省庁や外郭団体によるインチキ・ビジネスの廃止


○エコマークなど科学的根拠の薄い認証、マークの全面禁止
 環境省の外郭団体、日本環境協会では、メーカーが提出するカタログだを鵜呑みにして、何ら調査、分析、実験などをせずに、企業の製品にエコマークなどを付けている。
しかも一品ごとに高額の認証料を協会は企業からとっている。この種の科学的根拠、第三者性、客観性がないマークや認証はすべて辞めるべきである。往々にしてこの種の団体に省庁の役人が天下り、高額の年収を得ている。

○グリーン購入制度の抜本的改正
 法律まで制定し、グリーン購入制度、すなわち環境負荷が少ない物品の購入優先すすめているが、製紙会社が古紙100%などとうたっていた紙に古紙がほとんど含まれていない問題が発覚した。これはココマーク同様、何ら何ら調査、分析、実験などをせずに、企業のグリーン購入製品の認証を与えていたことを意味する。この種の客観性のないファッション的、ブーム的な認証、マーク制度は抜本的に改正すべきである。

◆青山貞一:大手製紙会社の古紙再生偽装、業界ぐるみ!?

◆青山貞一:大手製紙会社の古紙再生偽装、環境省の監督責任は!?

○免許交付料、更新料の全面改訂
 日本では、自動車はじめさまざまな免許の交付、免許の更新に際して、高額な交付料、更新料をとっている。国際免許交付も同様に高額である。IT、ICT全盛の時代にわざわざ交付、再交付に膨大な時間待たされ高額な手数料をとられるゆえんはない。大部分はオンライン申請、交付、再交付、再免許とすべきである。

○財団法人 全日本交通安全協会などコバンザメ商法の禁止
 運転許証の更新に行くとなると『交通安全協会費』の話を聞かされる。更新の時には『交通安全協会費』を請求される。この支払いは義務でないにも関わらず、あたかも強制的なものであるかのように取り立てる。払ってもビニール製の免許証ケースをくれるくらいでメリットはない。更新手続きでは、初めから会費を上乗せした額を請求してくる。

 「安協」は交通安全ののぼりや看板の作成、交通安全講習会の開催、パーキングメーターの見回り、事故証明書の発行など、本来警察がすべきことを運転免許者からなかば強制的に取り立てた資金で、天下り組織である「安協」がおこなっている。この種の外郭団体が日本には多すぎる。国民目線でこの種の組織の廃止、合理化を行うべきだ。

○無線局への包括免許制度免許の実施
 日本では米国のFCCと異なり、未だにアマチュア無線局や放送局への包括免許を実施していない。そのため軽微な変更があっても。その都度変更届を出さざるを得ず、手数料を取られる。一手の範囲での変更を許容する米国並みの包括免許制度を導入すべきだ。これにより大幅に行政組織の簡略化が図れる。

○根拠薄弱な電波利用料の廃止
また総務省(旧郵政省)は、理由が明確でない電波利用料を被免許者から徴収している。被免許者の足元を見るようなこの種のカネの徴収は廃止しなければならない。




米国盲従の外交・防衛から脱却

○普天間基地の名護市辺野古への施設移転の凍結
(*:鳩山代表、小沢代表代行、マニフェスト)
 沖縄県にある米軍の普天間飛行場を名護市辺野古に移設させる問題について鳩山代表は「基本的には県外、できれば国外と思っている」としてきた。米国大統領との会談などにより、ぜひこの決着を図って欲しい。

◆青山貞一:普天間の県外移設めざす、民主党新旧両代表が言明!

◆田中良紹: 「密約」から分かるこの国の姿

◆鳩山由紀夫新代表の記者会見(ノーカット版)

○日米地位協定の見直し
 
治外法権的な米軍の存在を見直すべきだ。地位協定、思いやり予算についても同様に見直す必要がある。

◆全文公開:機密文書「地位協定の考え方」(琉球新報スクープ)

○朝鮮半島・中国敵視を利用した軍事力増強、防衛利権からの脱却

青山貞一:北朝鮮ミサイル迎撃騒ぎの裏に防衛利権あり!?




立法(制度)改革


○政治主導による行政のコントロールの徹底
 今まで日本は行政府が内閣法提案で実質的に立法府を誘導、コントロールしてきた。その結果、立法され施行されているあらゆる行政法には、過大な行政裁量が認められ、行政訴訟でも行政が立場上圧倒的に有利となっていた。このような西側先進国は他にない。

 民主主義の常道、本質は、国民に選ばれた立法府が国民に選ばれていない行政府、行政職員が勝手な行政裁量をコントロールすることにもある。
本来、行政府は立法府の立法内容に従い運営されねばならい。そのためにも立法府は、先進民主主義国で当たり前の本来の機能を発揮しなければならない。

◆青山貞一:議員内閣制下の大臣は「族議員」か「ど素人」?

○議員提案法案(議員立法)の強化
 民主党が従来から議員提案法案を多数出しているので、問題はないが、とくに行政関連の法、すなわち行政法は、いくら民主党が政権を取ったとしても内閣提案法ではなく、あくまで議員提案法案として制定すべきである。これにより行政法における省庁、官僚の裁量を大きく減らすことが可能となる。 

青山貞一:日本の行政法立法の重要課題について

○法制局(内閣、衆議院、参議院)のサポートの課題
 国会には、内閣提案法、衆議院議員立法、参議院議員法それぞれに対応し、各70名前後の法制局組織がある。これらの組織には省庁から官僚が送り込まれているが、それらの官僚が省庁益を法案作成において立法内容にすり込ませる可能性がある。それらを排除するための制度、手続きを創設すべきである。

青山貞一:日本の行政法立法の重要課題について

○質問主意書制度の改善
 自民党の小坂衆院議員(当時)らによって歪められ制約がつけられた質問主意書の手続・制度を以前に戻さねばならない。質問主意書制度は少数政党にとってもっとも有効、有力なものであり、生物多様性保護同様、少数政党保護のためにも、この制度を改正すべきだ。全議員は長妻昭議員をみならおう!

○国会の各委員会審議の適正化、拡充
 行政分野とは異なり、立法府の各種委員会での審議、とくに専門家、NPOなどを招致しての審議を拡充すべきである。とくにこの種の委員会は、審議の前半は半ばで行うべきであり、従来のように終盤で行い、その後すぐに採決となることは避けなければならない。

○公共事業の進捗管理法案(*:マニフェスト)
 省庁による大型公共事業は小さく産んで大きく育てるなど、一度走り出すと止まらないことが大きな問題となっている。各種予算についても年度ごとに厳密にチェック可能な制度を創設しなければならない。また時間が経過し、実質的に不要不急となった公共事業をストップさせる制度も同時に創設すべきである。都道府県の公共事業監視評価委員会は、形骸化している。 

○予算、補正予算の全面組み替え、見直し(*:マニフェスト)
 政権交代後、最も重要なことは一般会計、特別会計など国家予算を組み替え、見直しすることである。自民党政権のやりたい放題、とくに政権交代を念頭に膨大な国債、赤字国債を連発するとともに財政焦土作戦と思える挙にでている。これらを全面的に見直し、不要不急、ムダな予算は凍結すべきだ。

◆青山貞一:霞ヶ関と自民党は無節操な財政焦土化作戦にでている




環境政策


○燃やして埋める廃棄物政策からの抜本改革

 
G7及び多くの先進諸国が燃やして埋める方式の廃棄物処理からゼロウエイスト政策、すなわちゴミを出来るだけ発生、排出しない、させない、廃棄物などもともとなく分別、再利用すれば資源であるという考えとゴミを燃やさず、埋め立てずの基調をもったゼロウエイスト政策をとりつつある。

 ...製鉄、...造船などの重厚長大型巨大企業と経済産業省、環境省が利権癒着した日本の燃やして生める方式の廃棄物処理から脱却し、日本も市町村単位の市民参加、企業参加のゼロウエイスト政策を取り入れる次期に来ている。民主党のマニフェストには、抜本的な廃棄物政策の理念、政策が見れない。ぜひ、ゼロウエイスト政策を推進すべきだ。

◆青山貞一:脱ゴミ社会への挑戦〜カナダノバスコシア州

◆青山貞一:トキメキ、生き生き、オンリーワンの上勝町

○廃棄物処理法の抜本全面改正
日本の廃棄物処理法は度重なる改正でも分かるように、生じたゴミをとりあえず収集、運搬、処理、処分することを想定した極めて古くさい法律であり、3R,5Rの時代にそぐわない法律である。しかもその基調は一般廃棄物、産業廃棄物ともにただ燃やして埋めるにある。市区町村は今迄国からの補助を受け焼却炉や溶融炉、処分場を建設するのに汲々としている。それは到底、循環型社会からほど遠い法体系である。

 青山貞一(東京都市大学)、梶山正三(弁護士)、北村喜宣(上智大学)は、地方主権時代に対応する条例、「信州廃棄物の発生抑制と良好な環境の確保に関する条例」案を長野県知事の要請にもとづき企画立案した。残念ながら同案は県議会で否決されたが、今の廃棄物処理法を全面的、抜本的に改正するうえでの参考にして欲しい。

青山貞一(東京都市大学環境情報学部)、梶山正三(弁護士、理学博士)、北村喜宣(上智大学法学部)、信州廃棄物の発生抑制と良好な環境の確保に関する条例案(PDF)

○拡大生産者責任の明確化とデポジット制度の導入
 日本の廃棄物政策では、いずれも最終的に廃棄物となる生産者自身の責任が不明確である。日本の廃棄物政策に汚染者負担の原則とともに拡大生産者責任を明確にすることが不可欠だ。その一環として、家電、自動車はじめ現在...リサイクル法の対象となっている物品に対し、デポジット制度を導入すべきである。

 これはあらかじめ製品を購入する際に、3R,5R等の諸費用を消費者が負担するもので、デポジットの一部を用いて循環型社会構築のための費用に当てることも模索すべきである。カナダ・ノバァスコシア州ハリファックス市がここ10年施行してきた社会実験は大いに参考になる。

○現状追認の環境基準ではなく、国際水準の環境基準へ
 わが国では大気、水、土壌等の多くの環境基準が、現状の汚染状況を追認した値に設定され、大きく問題がないかのように結論づけられる水準に定められている。長年環境基準を達成できない場合には、環境基準が緩和されることすらある。国際的にみれば、大きく見劣りするレベルであったり、一部だけ採用して国際的なレベルに準じているふりをしているものが少なくない。汚染が見つかりにくい分析方法を採用している方法もある。国民の健康のことを考えたあるべき環境基準を設定すべきである。

○地球温暖化対策:2020年に1990年比25%マイナスのCO2削減(*:マニフェスト)
 
○原発依存のハードエネルギー政策からの抜本改革
 わが国は、核廃棄物処理、プルトニウム処理すらまともに行えていないにも係わらず、原子力発電所にエネルギー供給を大きく依存している。米国、ドイツなどでも原発依存を順次削減する方法が国民、州民投票などで示されている。原子力産業会議、電気事業者連合会との利権を配し、民主党のマニフェストに原発を順次削減し、それにかわる自然系エネルギーなど新たなエネルギー政策の戦略を明らかにしなければならない。一部、電機労連出身の議員の存在により原発問題がまともに議論されていない現状は奇怪である。

○依然として奇怪な原発依存のCO2削減策からの脱却
 
日本政府は京都会議、京都議定書で世界に公約した1990年対比で2008から2010年のCO2排出量を舞うナス6パーセントはまったく実現できなかったばかりか、逆に1990年比対比で13−15パーセントにもCO2を増加させている。これは日本の環境行政が経済産業省など経済諸官庁及び経団連に蹂躙されていることに由来する。

 その延長で経済産業省や経団連は今後もCO
2を削減するために原発を増設させるという長期的に間違った政策をとってきた。立地域住民、再処理施設周辺地域、国民の生命を危険にさらす可能性もあり、人類の将来に禍根を残す原発依存をこれ以上高めないCO2政策を民主党は政策立案しなければならない。ここでも一部、電機労連出身の議員の存在により原発問題がまともに議論されていない現状は奇怪である。


○田子の浦港の高濃度ダイオキシンを含む浚渫土砂の海浜への不法投棄
 静岡県富士市にある田子の浦港には、周辺地域にある100を超す製紙工場から過去、膨大な量のダイオキシン類が河川を伝わり流れ込んできた。田子の浦と言えばヘドロが有名である。国土交通省と静岡県は定期的にその2000pg-TEQ/gを超すような高濃度ダイオキシン類を含む膨大な量のヘドロを田子の浦港から浚渫し、臨港地区に仮置したあと、万葉集にも出てくる田子の浦の海浜に投棄してきた。また汚染土砂を投棄した後に覆土し公園にしてきた。

 だが、これは法的にみれば、国会決議にもあるように明らかに汚染土砂(あるいは汚染ヘドロ)の海浜への不法投棄であり、廃棄物処理法にいうところのまさに「不法投棄」であり、刑事告発の対象ともなる行為のはずだ。これは国、自治体が永年、不法投棄を繰り返してきたこと意味する。民主党政権は、早急に国と静岡県によるこのような違法行為を中止させるとともに、綺麗な砂浜として原状回復させなければならない。

○八丈島(国立公園特別地区)に廃棄物処分場の建設を容認棄

◆池田こみち:"自然破壊に道開く環境省"、国立公園特別地域(八丈)に廃棄物処分場建設容認


○外郭団体への立ち入り検査情報の公開

◆鷹取敦:環境省立ち入り検査法人名公開請求の経緯 



食品安全・健康政策


○食品中のダイオキシン類・重金属類などについての基準設定
 
わが国では健康を考慮した食品中に含まれるダイオキシン類、PCB類、重金属類などの含有濃度基準がありません。米国、カナダには魚類中のダイオキシン類、重金属類に関する厳しい摂取抑制基準があり、EU諸国には肉類、魚介類、野菜類、牛乳、乳製品などに含まれるダイオキシン類の3段階の基準があります。世界有数の魚介を食する日本にあって、食品、なかんずく魚介類などに含まれるダイオキシン類、PCB類、重金属類などの含有濃度基準が存在しないのは、きわめて不可思議なことです。

 その昔、武部衆院議員が農水大臣だったとき参議院で中村敦夫議員や小川勝也議員(いずれも参議院議員)がこれについて質問したとき、武部氏は毎日同じ高濃度の魚を食べるわけでないので問題ないという趣旨の回答をしている。日本でも欧米並みの食品中の含有濃度基準を設定すべきである。

◆青山貞一・池田こみち・鷹取敦:日本の近海・沿岸魚貝のダイオキシン濃度に関するリスクアセスメント〜国・自治体の公表データをもとにした評価〜 環境行政改革フォーラム研究発表会(2001年10月13日〜14日、愛知大学豊橋キャンパス)

◆青山貞一:農作物中ダイオキシン類のリスク評価について〜1998年度の所沢周辺地域を事例にして〜 環境行政改革フォーラム研究発表会(2002年8月、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)

○魚海中のダイオキシン類・重金属類データの公表
 
わが国では魚介類中に含まれるダイオキシン類、PCB類、重金属類などの含有濃度基準が存在しないだけでなく、国民、消費者に含有濃度データを部分的にしか公表していない現実がある。約10年前ダイオキシン汚染が社会問題化した直後、水産庁、東京都などは魚介類データを公表していたが、沈静化したあと調査、公表とも十分でなくなっている。この種の調査分析、データの公表は継続してこと意味があるものである。その意味で魚介類及び食品に含まれるダイオキシン類、PCB類、重金属類などの含有濃度データを継続的に公表すべきである。

環境総合研究所:魚介類に含まれるダイオキシン類の評価に関する研究 自主研究

◆青山貞一・池田こみち・鷹取敦:日本の近海・沿岸魚貝のダイオキシン濃度に関するリスクアセスメント〜国・自治体の公表データをもとにした評価〜 
環境行政改革フォーラム研究発表会(2001年10月13日〜14日、愛知大学豊橋キャンパス)

○カドミ米についての基準設定
 
食品中のカドミウムの国際的な基準については、1998年からコーデックス委員会において検討が行われ同委員会の食品添加物・汚染物質部会において、当初、お米(精米)1kgに含まれるカドミウムの上限許容量を0.2 mg ( = 0.2ppm)とする基準値案が提案されていたが、2004年3月に開催された同部会において日本が提案していた上限許容量を0.4 mgとする案に規制緩和された。日本では、1.0ppm以上のカドミウムが含まれている米(汚染米)は食用にできず、また0.4ppm以上の米(準汚染米)は流通させてはいけないことになっている。

 ところで環境総合研究所の分析調査(0.2ppm以上全市町村におけるカドミ汚染米調査報告書)によれば、日本国内にも0.2ppmから0.4ppmの濃度を持つカドミ米は全国各地に存在しており、0.4ppmを超すカドミ汚染米もある。国はその実態を国民、消費者に十分公開していない。他方、国は汚染米を工業用使用としながら、流通業者が工業用として安く仕入れた汚染米を食用として売っている実態が明らかになっている。カドミ米の汚染実態を公表するとともに、国は汚染米の管理・監督を消費者が信頼もてる方法で行わなければならない。

○東京都築地中央市場の豊洲移転中止!

◆青山貞一:築地市場の豊洲移転は新農水大臣が不許可で決着か!