エントランスへはここをクリック   

米国のキューバ経済封鎖
オバマ大統領は封鎖解除を!

 
青山貞一


掲載月日:2009年1月26日
独立系メディア「今日のコラム」You Tube


特集:チェ・ゲバラ&フィデル・カストロ

青山貞一:ゲバラの生涯を4時間超で映画化「チェ」鑑賞記
青山貞一:
革命家・チェゲバラ 
Che Guevara's Speech At the United Nations(English)
青山貞一:米国の経済封鎖、オバマ大統領は封鎖解除を!
青山貞一:革命家 フィデル・カストロ 
青山貞一:チェ・ゲバラの世界観、国際主義と国連演説
 
革命家 チェゲバラ 新作映画2本
鷹取敦:「チェ」2部作鑑賞記

  
◆米国によるキューバ経済封鎖とは?

 米国によるキューバ経済封鎖は、経済圧力によっていわゆるネオコンなどがいう米国型「民主主義」をキューバに押しつけることが目的となっている。米国はこの措置を半世紀近く続けており、当然、ブッシュ政権下でも続いていた。

 経済封鎖が異常なのは、米国がキューバとの貿易制限・禁止をするにとどまらず、他国に強要している点である。これはいうまでもなくキューバの国の主権を侵害するにとどまらず、関係諸国の主権をも二重に侵害していることにある。

 最近では、キューバへの経済封鎖解除を求める決議が2008年10月29日の国連総会で日本を含む185カ国の圧倒的多数で採択された。


Es discurso de Fidel Castro
米国のキューバ経済封鎖に国連で抗議の演説をするカストロ

Source:US to end embargo against Cuba?

 しかし、採択には米国、イスラエル、パラオの3カ国が反対、マーシャル群島とミクロネシアが棄権した。同様の決議は1992年に行われ、そのときは59カ国が採択に賛成している。採択国の数は、連続17回目の採択となった2008年の賛成国数が最高となっている。

 歴史的に見ると、米国は19世紀初頭からキューバへの併合、干渉政策を強めてきた。1902年に独立したキューバの憲法には、何と米国の内政干渉権と軍事基地保有権が付加されていた。米国の資本は1959年のいわゆるキューバ革命まで、基幹産業や公益事業の大部分を支配していた。

 米国はキューバに対し1961年、反革命部隊に武力侵攻させたがこれは失敗に終わった。米国は1962年からキューバに経済封鎖を実施し輸出入を全面禁止している。

 さらに米国は1990年代、キューバに寄港する船舶への180日間寄港禁止などを課す「キューバ民主主義法(トリセリ法)」と「キューバの自由と民主主義連帯法」を実施、経済封鎖をさらに強化した。

 キューバ政府によれば、1962年以来の米国による経済封鎖によって受けた経済的な損害は930億ドルにのぼるという。

 日本政府は1996年まではキューバ経済封鎖に関する国連決議に棄権してきた。それが賛成に転じたのは1997年からである。その背景にあるのは、前年の12月に起きたペルー日本大使公邸人質事件でキューバ政府が「人道的見地」から武装勢力の受け入れを表明し、両国関係が改善し始めたこととされている。


◆米国オバマ大統領はキューバ経済封鎖を解除を!

 2009年1月20日、米国では黒人初のバラク・オバマ大統領た誕生した。そのオバマ大統領は、キューバの東端にある米国の軍事基地、ガンタナモ基地にあるイスラム人などの強制収容所を撤廃する大統領命令を出した。

 このキューバにあるガンタナモ基地の人権問題には、かのマイケル・ムーア監督も大いに関心を持っている。

 ※Michael Moore under investigation for Cuba trip


キューバの東端にある米国の軍事基地、ガンタナモ基地


日本でほとんど知られていない米軍ガンタナモ基地


キューバ東端にある米国のガンタナモ基地での
イスラム人への虐待行為

Source:McCain’s Guantanamo Problem

 もし、オバマ大統領が中東地域以外で人道、人権外交を推進するなら、まず最初にすべきはキューバへの経済封鎖の解除であろう。これは昨年の国連における国連での上記の採択結果を見ても明らかである。

 オバマ大統領はガンタナモ基地の強制収容所閉鎖とともに、キューバ経済封鎖を解除すべきである!