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■日本の原発銀座、若狭湾地域からスタート! 今後、若狭湾地区にある大飯原発、高浜原発、美浜原発、敦賀原発を皮切りに、日本各地にある浜岡原発、玄海原発、柏崎原発、伊方原発、川内原発、志賀原発、泊原発など、日本のすべての原発立地域周辺についてERI版のSPEEDIをもとに、影響範囲を推定してみたい。 第一回目は、54機ある日本の原発のうち、最も地理的に近い場所にたくさんの原発がある福井県の若狭湾地域である。 若狭湾地域には、以下の15の原発と高速増殖炉のもんじゅが立地されている。福島原発の比ではない規模の原発が若狭湾岸に並んで立地されている。まさに原発銀座である。
原発立地地図をベースに青山が作成 出典:北海道新聞 もんじゅ 出典:Wikipedia 以下のグーグルマップでは、若狭湾地域に立地する関西電力及び日本原子力発電の原発及び日本原子力研究機構のもんじゅの位置を示している。 若狭湾に立地している原発。左から高浜、大飯、美浜、もんしゅ、敦賀 出典:グーグルマップ 出典:グーグルマップ 若狭湾地域と関西5府県 ■若狭湾原発から関西主要都市までの距離 ところで、3.11による福島第一原発事故で明らかになったことはさまざまあるが、とりわけ重要なことは、事故による放射性物質の飛散、放射線、放射能の影響範囲である。 たとえば、小中学校敷地で高い線量が検出された福島市は、福島原発から約50kmの距離にある。また福島市同様に高い線量が検出されているいわゆる中通りの二本松市、郡山市などは福島原発から約60kmの距離にある。さらに依然として高い線量にある栃木県の那須塩原地区は、福島原発から約110kmの距離にある。 では、若狭湾岸にある15機の原発から関西の京都市、大阪市、大津市、神戸市はそれぞれどのくらいの距離にあるのだろうか? グーグルアースのGIS機能(距離測定)を使って調べた結果は以下の通りである。ただし、もんじゅは美浜原発と敦賀原発の間にある。
上の表を見ると、現在再稼働が問題となっている大飯原発から京都市、大津市までは60km台、大阪市、神戸市までは90km台にあることが分かる。 周知のように、福島原発事故では、1号機から4号機が事故となったが、若狭湾には上記のように15機もの原発がある。 したがって、もし地震、津波、テロ攻撃などにより上記の大部分の原発が福島原発事故並の事故を起こしたら、どうなるか? しかも冬場で北風系の風が吹いていたとしたらどうなるか? まず分かることは、京都市、大津市は、福島第一原発並の事故でも福島市、二本松市、郡山市の数倍の影響がありうるということである。 すなわち、この場合には、累積的な放射性物質の移流、拡散が起きることから風向き、降雨次第では、京都市、大津市はもとより大阪市、神戸市にもかなり高濃度の放射性物質、放射能が拡散する可能性が高い。 いうまでもなく、京都市、大阪市、神戸市は人口規模が100万人を超す政令指定都市である。そこに福島市、二本松市、郡山市の数倍のレベルの放射線、放射能汚染が起きたらどうなるか? ノー天気な政治家や知事、市長であっても、それくらいのことは想像がつくだろうが、何と言っても放射線も放射能も人間の目には見えない。 そこで私たち環境総合研究所が独自に開発し利用している3次元流体シミュレーションシステム、通称、ERI版のSPEEDIをもとに、若狭湾地区にある原発に事故が起きた場合、京都市、大津市、大阪市、神戸市はどうなるかについて、その影響範囲をお見せしてみたい。 つづく |