エントランスへはここをクリック      

メアリー・ステュアートの足跡を追って
スコットランド
2200km走破


グラスゴー美術学校3
Glasgow School of Art 1

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda
2018年12月10日公開
独立系メディア E-Wave Tokyo 無断転載禁


スコットランド総目次へ
 
グラスゴー美術学校1   グラスゴー美術学校2  グラスゴー美術学校3
チャールズマッキントッシュ


◆グラスゴー美術学校

 GSAは現在、2つのキャンパスを保有していあます。ファインアート学部、デジタルカルチャー学科、修士課程があるのは、火災の被害を受けたマッキントッシュ棟の近辺です。デザイン学部(テキスタイル、ジュエリー・銀細工、プロダクトデザイン・エンジニアリング、プロダクトデザイン、コミュニケーションデザイン、インテリアデザイン)、先端テキスタイル・センター(Centre for Advanced Textiles)、デザイン・イノベーション・スタジオ、フェアー・ザ・モンキー・スリープス・カフェは最近、ガーネットヒルキャンパスに移転し、リード棟を校舎としています。

 デザイン・イノベーション・センターは、デザイン学部付属の研究センターであり、本部はフォーレスにある。中国の北京にはGSAの支部があります。GSAは専門研究大学院センターのデジタルデザインスタジオ(DDS)を持っています。所在地は、グラスゴー南部のクライド川に面したパシフィック・キーにあるハブ(The Hub)という新しい施設の中であります。

 マッキントッシュ棟はキャンパスの中心に位置しており、2014年5月23日の火事が起きるまで大学の本部として機能していました。中には、絵画学科、1年生のスタジオ、そして職員事務室が入っていました。

 マッキントッシュ・ギャラリーも建物内にあり、一年を通して様々な展示が行われています。マッキントッシュ・ギャラリー(マッキントッシュ美術館とも呼ばれる)はマッキントッシュ棟のうち、一般に公開されている唯一の場所でした。他の部分は、ガイド付きのツアーを伴ってしか見学できないようになっています。ただし、卒業制作展が開かれる時のみ、例外的にマッキントッシュ棟の全スタジオが一般公開されます。

マッキントッシュ建築学部と学部付属図書館など関連施設は、ブールドン棟にあります。

 西グラハム通りにあるバーンズ棟には次の学科があります。彫刻・環境アート、国際ファンデーション、デジタルカルチャーです。

 復旧後も、マッキントッシュ棟はキャンパスの中心機能を持ち続ける予定ですが、他の棟については売却されるという案も出ています。

 2009年には国際的な設計コンペが開かれ、キャンパスのマスタープランと第1フェーズの建物のデザインするチームを募りました。結果、選ばれたのはニューヨークを拠点に活動するスティーヴン・ホール建築事務所あり、地元グラスゴーのJM建築事務所、そしてアラップ・エンジニアリングと協力して設計することになりました。

 工事は2011年に開始され、2013年まで続きました。建物の構造は2013年に完成ました。新しい建物は前学長セオナ・リードの名前にちなんでリード棟と名付けられました。リード棟は、『アーキテクツ・ジャーナル』誌により2014年最優秀建築物(2014年5月のAJ100アワード)に選ばれました。また、構造工学協会の2014年構造アワードでは、芸術・エンターテイメント構造賞を受賞しました。


マッキントッシュの建物の西側のファサード
Source:Wikimedia Commons
CC BY 2.0, Link


展示

 GSAは年に一度、一般向けの展示イベントを開催しています。マッキントッシュ・ギャラリーでは、現代アーティスト、デザイナー、建築家、GSAの教職員と学生の協力のもと、キュレーターの企画による展示が行われています。GSAの持つ豊かな遺産と建築、そして所蔵品が、展示では大いに利用されています。

学生生活・教育

 ガーディアン大学ガイドにおいて、GSAはイギリスの専門教育機関トップ10に選ばれ、視覚芸術分野ではランキング1位の評価を得ています。GSAは他の大学ランキングには登場しないが、独自に学位を授与する権限を持たないことが理由です。GSAで得られる学位はグラスゴー大学によって認定されます。

 QS社が2015年に初めて行った「美術・デザイン分野」の世界大学ランキングによると、GSAは世界でトップ10の美術教育機関として評価されています。

 全学生1,900人のうち、約20%が留学生、20%はイギリス国内の他地域出身である。また、約20%が大学院生です。

 高等教育統計局(HESA)の統計調査によると、GSAの中途退学率はイギリス国内で最も低いうちの一つです。

 2002年、イングランド高等教育財政カウンシル(HEFCE)の発表したデータによると、GSAに在学する労働者階級出身の学生の数は、イギリスの大学の中で下から2番目に少ないことが明らかになりました。社会階級分類表の3m(筋肉労働の熟練職)、4(半熟練職 )、5(非熟練職)出身者は、GSAには7%しかおらず、この数字から見るとオックスフォード大学やケンブリッジ大学よりも階級的排他性が高いと言えます。

 GSAはこのデータについて次のように反論した。すなわち、GSAに出願する学生のほとんどは上記調査の基になっているUCASシステムを使っていないため、対象となる学生数が非常に少なくなってしまっている、と。HEFCEもまた、データは注意深く読み取るべきだと述べており、GSAの見解を支持しています。

学生ユニオンと代表


GSAの建築模型。
Source:Wikimedia Commons
CC 表示-継承 2.0, リンクによる



GSAのマッキントッシュの建物のスケールモデル
Source:Wikimedia Commons
CC BY 3.0, Link


研究・知識交流

 GSAは数多くの顕著な研究プロジェクトを主催しており、助成金を主に次の政府機関から受けています。芸術・人文学研究評議会(AHRC)、工学・自然科学研究評議会(EPSRC)、経済・社会研究評議会(ESR)。また、過去には国内の他の研究カウンシルからも助成を受けていました。

 2008年に行われた最新の研究評価事業(Research Assessment Exercise)によると、GSAはイギリス国内で2番目に規模の大きなアート・デザイン領域の研究コミュニティを持っています。また、研究成果の25%は世界トップレベル(world leading)の評価を受け、25%は国際的水準(internationally excellent)にあると評価されました。

 GSAは次のように多くの研究センターを持っています。デジタル・デザイン・スタジオ、マッキントッシュ環境建築研究所、デザイン・イノベーション研究所[15]、先端テキスタイル・センター、グラスゴー・アーバン・ラボです。

 GSAには教員として次のような人物が所属している。トーマス・ジョシュア・クーパー、アラステア・マクドナルド、ポール・アンダーソン、ティム・シャープ、アイリーン・マクアラ=マクウィリアム、ケン・ニール、ジョニー・ロジャー、クリストファー・プラット、ブライアン・エヴァンズです。

 GSAのマッキントッシュ建築学部には現在、2人のフルブライト特別教授が在籍しています。それは、アン・マークセンとジュリアナ・マーンタイです。


チャールズマッキントッシュにつづきます   スコットランド総目次へ