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環境問題及び
廃棄物条例関連質疑
(2005年6月3日 知事会見抜粋、長野県庁)

田中康夫


掲載日:2005.6.6

以下は、2005年6月3日 知事会見抜粋です。場所は長野県庁。

(前略)

市民タイムス 高石雅也 氏

 昨日知事室の方に飯山の岳北広域の方たちと堆肥センターの方たちがお見えになったときに、知事ご自身が廃棄物条例の制定に改めて意欲を示されていたと思うんですが、6月県会にですね、条例を提出するというような対応はあるんでしょうか。

信州・長野県知事 田中康夫
 現時点では6月県議会にはまだ予定はしていません。昨日の話でも飯山堆肥センターというのは国の税金が巨額に投入されて地元も一緒になって造られたものであります。ただ13年前からですね、この付近が非常に悪臭がすると、あるいは不法投棄の処理に近い形の堆肥になってはいないかと、あるいは堆肥を大量に入れている場所の土壌が異常ではないかと、またそこでは何も栽培されていないのではないかと、何かそれが地球環境の循環リサイクルとは違う何か別の、人間の欲望的リサイクルの循環の方になってないかというようなことは、ずいぶん伝えられた訳です。昨日も申し上げましたけども、私も就任して4年半になる訳で、その間私どもの対応がですね、非常に至らなかったというのは、大変深く反省しなくてはいけない点だと思っています。廃棄物行政というもの、しかしその中においてですね、正にその地域の、私は昨日敢えてしがらみと言いましたけれども、その吉地区の方々がですね、その集落の中の90%以上の方が、これを地元で言ってもなかなか解決できずですね、「県がなんとかして欲しい」という悲痛な叫びでもありました。これは県へのお任せ民主主義というのではなくて、しがらみを断ち切って行なうよりよい環境、人間的な生活そしてまた税金を投入されたものが適正に処理されてきてるのかというご懸念というものを一緒に県が解決しなくちゃいけないっていう事例だと思ってます。それからもうひとつの岳北地域のですね、ですからこれは産業廃棄物の問題です。一般廃棄物の処理施設というのは、平成13年に施設をですね、かなり大規模に改修をしている訳です。しかしながらこの施設を改修をして新しい施設を造るというのに対して、地域の方は、そこは地形的にも窪地であって、非常に空気が淀むだけではなくて、雨雲が低く垂れ込める場所なので30メートルというような煙突の場合にですね、煙突から出たものは正に地元の中で空気がリサイクル循環しちゃうんじゃないかと。これに対して、これは飯山だけでなくて木島平村と野沢温泉村と3つで行うことで、合併をしなかったということもあるかも知れませんが、野沢温泉村の自治組織というところでも、これを現在新設する必要があるのかと。現在の稼動しているものに関しては、その地域の方々もご理解をくださっていると。地元の反対があるのに稼動しているという形ではない形ですので。木島平でも同様の動きがあるというふうに聞いています。こうした中で地元の自治体との話し合い、あるいは行政組合の話し合いではですね如何ともし難いという中で調停を出された方で、これは法律的にも担保されている制度でありますから、これは公害調停の委員を3名選定をしてですね、お話をお聞きを双方からするという形でございます。そのときに条例というのは、これは市町村行政への介入とかですね、そういうことではないということをこの2つの事例からお分かりいただけるんじゃないかと思うんです。つまり私たちは納税をしている住民というものが吉地区でも、あるいはその3市村の同様に限られた範囲の中でのやはり住民が願ってらっしゃることを結果としてその行政側、いや権力側が聞くことに関して前向きでなかったりした時にですね、やはり私たちは住民と共により良い方向で、行政側にいる人も住民の一人ですから、こうした中で今回の条例というものが当初から検討されていることですし、これに関してご理解を深めて下さっている首長はですね着実に私は増えてきているというふうに思っております。そうした中で決してやはり私たちのこうした条例があることでより13年もの長きにわたってであったりあるいはですね公害調停という形にまで至る前に早期の段階でボタンの掛違えをなくす、地元の中においてですね、ために県が一緒にお手伝いをするというのが今回の条例の趣旨ですから。

市民タイムス 高石雅也 氏
 今そういった形で一日でも早くの条例の制定を望む方もいる一方で市町村の首長さんの中では反対していらっしゃる方もいる現時点で6月県会に提出に至らないですね理由というか、知事ご自身の現状認識というのはどんな・・・

信州・長野県知事 田中康夫
 県議会の方々はねそもそもご反対の方がどうも多い、ご反対というか正しく認識までは残念ながらいただいていない方が多いように思うんですね。
 先程の飯山の、すみません「吉地区」の間違いです。吉祥寺の「吉」と書きますが吉(よし)地区であります。ただ一方でですね昨日かおととい日経産業新聞にも載ってましたけれども造船業界であったり製鉄メーカーであったりが今まで廃棄物の処理施設というのをつくってきましたけれども、他の自治体においてはですね、やはり巨大なハコモノ行政でその後の維持費が大変だということで他の都道府県においてはですねこれも一つの新しいハコモノ公共事業だったんですけれども、随分と縮小されてきている中でですね確か荏原ともう一社がその事業を部分的に廃止したり統合しようと言っていたのを統合のメリットがないということでおやめになっているという記事がありましたので、大きなやはり廃棄物行政というものはですね、やはりその大量に焼く、何でも焼くという形ではない形に変わってきていると思うんですね。この点は少しく本県であったり、またあと同様の住民から悩みが多く出ている福島県であったり福岡県であったりはですね、本県とまだ同じ状況にあるのかなというふうに私はこれは思っていますけれども。ですからやはりまずご理解を自治体長たちによりご理解いただくということが大事だと思います。また、住民の方々がですね、やはり県民の方がですねこの飯山の事例を見ながら飯山の方に留まらず全県的にですねやはりこうした条例を制定していくことが本当にクリーンな信州ということだけではなくて、それが結果として本当に自治体にとってのより良いものなのだということをですね県民運動として、草の根の運動としてですねより私は広がって下さることを願っております。条例に関してはですね6月議会にはまだ出さないという形であります。

市民タイムス 高石雅也 氏
 温暖化防止条例の関係なんですが、先日検討会の第一回の会議がありまして、会議の中では規制、ある程度の何らかの規制を取り込んでいくべきだという意見もあった一方で、合意形成をやはり大切にしていくべきだという意見が多かったというふうに私は理解しているのですけれども知事ご自身提出時期を優先するのかそれとも合意形成を優先するのかという基本的なスタンスというものをどちらに軸足を置いていらっしゃるのか・・・

信州・長野県知事 田中康夫
 高石さんがおっしゃった提出時期と合意時期ていうのはその二つどちらかの二択という内容じゃない気がするんですよね。私はずっと私がやることは拙速だというふうに議会の人たちがおっしゃったりもします。けれども結果として本県が行ってきていることはですね様々な場所で実は信州型木製ガードレールというものを先日全国知事会で資料をお配りしたのですが、それに先駆けての関東知事会が一週間前にあった時にですね本県はこういうものをやっててこれは切り捨て間伐でそのまま放置していた木材を使って中に鉄柱を入れて国交省の強度テストに合格をして地元の三つの土木建設業の企業体に助成をして設けてこの木製ガードレールを設置していると言いましたらですね大変に賑やかに良い意味でのどよめきがおきまして関東知事が、現物の写真とかも何もないのに「おー」と言ってですね、本当に群馬県であったり神奈川県であったりが「ぜひそれすぐ資料くれ。導入したい。」というふうにおっしゃって下さったんです。これはとても私は有り難いことだなあと思ってですね、やはり本県が行っていることも木製ガードレールも拙速だったのかもしれませんし無駄な公共事業だというふうにおっしゃる方もいたりします。ただ私の基本認識をここで一個申し上げておくとですね、よく行政は合意形成に時間をかけるといいます。私、時間をかけるとですね住民の願いというのはですね潰えていっちゃうことが多いんです。どういうことかというとですね、利権で集っている人たちはそれが仕事ですから365日専従職員をおくことができますし、何年かかってもそれを獲得してるし、例えば選挙の時もですね3人候補者がいても利権の1本化ができれば候補者の1本化もできるんです。ところが利害で集っている人たちは食い扶持は別に自分はサラリーマンやったりして稼いでますし、家事もある、学業もある、すると時間がかかっていくとですね、専従職員がやる訳でもありませんしですね、やはりあきらめていっちゃうんですね。これはダムの問題を考えると皆そうです。最初にダムと造ると言った時に、最初からダム賛成と言っていた地域というのは全国見回してもほとんどないと思います。みんなダム反対と言うんです。これは亀井静香さんも言ってました。広島県でみんな反対と言う。ところが時間がかかっていくとですねずーと行政は説明だと言って同じ説明をしてくれて時間がかかっていくとみんな住民の人は疲れちゃうんですね。疲れちゃって高齢になって過疎地になっていくとお金が入りますよと言われると条件闘争になっていっちゃうんですよ。そしてまあ自分のこの自然をと思いながらも田畑を継ぐ息子もいないと思ってですね、結果として条件闘争で賛成になってっちゃうんですね。その時いい意味でしがらみのないよそ者の人たちは「おいそれでいいのか」って来るけれども、当初は皆反対だったりしているんです。反対賛成って逃げるのではなくてやはり時間をかけるというのが行政の私はアリバイ作りになるようではいけないと思うんです。時間をかけてもみんなが願っていることが実現できるためにですね議論をしていくならいいんですけれども、いつの間にか匿名性の思惑で出てきたものが時間をかけることでそれが実現されちゃって、逆に住民の願いが実現されないというのではいけないと思います。その意味でいうとやはり本県の改革というのは皆各論に今入ってきていますから、総論では皆賛成していたことがそれは各論になれば痛みはあるんですよね。だから地球温暖化にしても廃棄物のことでもやはり皆が願う社会がこれだって提示されたものに皆がいい意味での総論としてですねそういう社会を目指すべきだねと言うのであればそれを実現していくということだと思いますから、その時間をかけるという時もですね皆が願っているものが提示された形でのなのか、そこまではできないからとか、今までその専門領域でやっていた人はそうは言ってもと言っていることに引きずられていっちゃうのかで大きな違いがあると思いますけれども。だからなかなか君ら事実を記事に書きにくいと思うんだけどこの通りでござる。その通りでござるが、記事に書きやすいものというのが本当にみんなの願いを実現することになるのかなと私もヘッポコ物書きとして思ってて、だからやはり地球温暖化の、こういう地球にしたい、こういう長野県にしたいというものをきちんと先に提示する。それを皆さんが「そうだね」っておっしゃる方が多いんだろうからそれを実現するにはどうしていったらいいのか、その時にはそれは痛みや負担があるかもしれないけど、でもそれが結果として人口が今後急速に減少していくであろう本県にいい意味で移り住んで下さったり訪れて滞在して下さったりという後からプロフィットがやってくるかなって思ってます。

市民タイムス 高石雅也 氏
 当面、今からあきらめてしまうということはない訳で、やはりその年内に検討を終えるとか当面の目標を・・・

信州・長野県知事 田中康夫
 だからまあ、ここで欲しいんだと思うんだよ、6月に出しますとか9月に出しますとか12月に出しますとか臨時議会で開きますとか。そうするとまたね、わかんないんだけどさあ小泉さんなんかさあ、年度を越えてから急に交付税変えるとか言ったってみんな今まで各自治体や議員も黙っていたんだぜ。国が言うことだったら突如決めても黙っているのかということで、ちょっと拙速とすぐ言葉がでるんだけど迅速と拙速とはどっちだろうというのは前から言っていることだし、もう一個私が言っていることを単に反対とか否決するんだったら必ず最初の治水の時に言われたように代替案というものを具体的に県民に提示しないといけないと思うんです。これをダメって言うんだったら、こうだっていうのを出していただきたいし、基本的にはやはり私ずっと感じてるんだけどやっぱり脱ダム宣言に象徴されるものは天動説から地動説になったということだと思っているんですよ。今までは国の霞ヶ関が真ん中にあってその周りをぐるぐる回っておべっか使ったりおねだりするとお金がくるから天動説だったのが、そうではなくて私たちが言っているのは、意固地な地動説ではなくて自分でできることをやっていかないと天動説やったらだんだんだんだんおこぼれなんかもこなくなっちゃうよというか、天動説のその中心自体がこんなに借金抱えているのを片してないんだからいつか脱落しちゃうよっていうことだから、その地動説になりましょうというのを最初から100人がとかみんなが諸手を上げてというのはなかなかないと思いますよ。だからその地動説を言い出してるんだったら今までの天動説でもこのように将来像大丈夫だよって、逆に10年後20年後の安心像を実効性のあるものとして示すってことだってことが車の両輪にも求められていると思うし、私たちにも求められていると思うのね。まあ記事になんねえな。申し訳ねえな。だけどまあ地球温暖化の条例、あるいは廃棄物の条例、あるいは景観法がもう先にできましたのでそれに基づいてのやっぱり本県のより良い景観条例、こうしたものはですね、無論条例を作ることが目的っていうんじゃなくて長野県があるべき姿を多くの人が願っているものを実現したり保全してたりあるいは育成したり、ぜひさせるために必要だと思っています。

市民タイムス 高石雅也 氏
 すみません長くなって。今日は上着を着てらっしゃるんですけれども、その辺、国会の方ではノーネクタイ、ノー上着ということで対応しているようですけれども、6月県会辺りではどんなようなことを・・・

信州・長野県知事 田中康夫
 今日も日経産業新聞がこの例の「クールビズ」というやつを特集していたんで私、皆さん知ってる?クールビズの「ビズ」ってなんだか知らないけどみんな書いているんだよね。田中康夫カタカナを使いすぎてわからないっていう私も今回始めて知ったんだけどね、日経産業新聞に書いてあったんだけれど、「クールビズ」は「クール」は、涼しいとかあるいはかっこいいとか、素敵とかね、ちょっとそういうのでね、だけど「ビズ」はビジネスの略でBIZなんだってさ。だけどどこも伝えてくれないんだよね。そうらしいんです。これは一個勉強になりましたが、小泉さんの格好が似合っているか似合っていないかとか、武部さんが意外とスタイリストで高得点をピンク色着ていたから得ちゃったとかそういうことではなくて。今日も窓全部開けてやりました。今日は20人位こっちの知事室分室に来ましたけれどもね。ガラス張りの知事室が一個悩ましいところであそこ窓が一個もないんで、あそこ空調を入れるまではすごい暑かった。ただあそこの空調に関してはやっぱり温度表示をしてですね、言われているのよりも2度位高い温度にするとか、そういう中で暑ければジャケットとるかもしれないし入ってきた来訪者にもネクタイとるってのもあると思います。やっぱりプロトコールじゃないけどドレスコードってのもある訳ですし、訪れてくる方々は逆に知事に会うからっていうのではなくてですね、いつもよりも少しジャケットを着てお越しになるというような方もいらっしゃると思うのでそれに対してどうなのかなあと。私が不信任出た時は確かシャツで歩いていたら、不信任前に派手なシャツって書かれちゃったような記憶があるようなないような気がするけど、基本的に私はここ来て暑ければジャケットをとったりその上でネクタイもとるってこともあるかもしれないって思ってますが。もともと水曜日はカジュアルデーという形になってますし、もともと県としては6月から9月末までは基本的にどういった格好でもよいと、ただ不快を与えないってことが大事な訳で、今日のこの日経ビジネスにも出ててアイビーエムは自由らしいんですけれどもジーンズはいけないって決まっていたり、あるいは女性は網タイツはいけないって決まっているらしいんだけど、これはうちの女性職員だっておしゃれになってきて網タイツはいている人いますしね。なかなか時代によって、あるいは相手によって主観の問題だから。いずれにしても政府がやっているような感じにはならないと思う。ただ、だからといってスーツ着てるから温暖化に認識が低いってことではないと思いますし。知事室の温度に関しては、何か表示板、これも無駄使いって言われると困るけど、温度の表示板を作れるのかな。ただあの部屋の中だって、どこで測定するのかで温度も違うのかも知れないんだけど、それは考えたいって思ってます。正に自律的っていうのはそういうことじゃないかなって思います。あるいはTPOってのは、正に暑ければ脱ぐし、脱いだって上半身裸にはなれないし。

(後略)