平成16年度 長野県政 世論調査 〜結果紹介とコメント〜 調査実施:長野県 コメント:青山貞一 掲載日:2005.4.23 |
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以下、調査結果の概要を2005年4月23日発行の「広報ながのけん」より示します。 同時に青山貞一からのコメントも掲載しますのであわせてご覧下さい。 |
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【青山の見解】 「今後の県政改革の進め方」の世論調査結果で特筆すべきことは、次のことです。すなわち、県民は長野県政に関するマスメディア報道の内容に不満を感じていることです。 「県民が知りたいことを報道機関がより客観的に報道する」が最多であったこと、がなによりもそれを裏付けています。 ここ一年だけを見ても、地元新聞などマスメディアは、毎週知事が行う会見で政策的な事柄を正確に報道せず、逆に、ことのはじめから政局的、すなわち田中県政を一方的に非難し、追い落とすような攻撃的な論調で記事化してきたと言えます。 また田中知事が就任以来行ってきた県政改革の大きな成果には、敢えて目をつむり、県民にとってそれほど重要と思えない事柄を針小棒大に連日大きな見出しを付けて記事としています。とくに地元のメディアは報道のあるべき姿から大きく逸脱し、寄ってたかって田中県政をこき下ろすようなことが続いています。 たとえば、田中県政は「壊すばかりで創らない」と言った事実と大きくかけ離れた論調が県庁所在地周辺で報道されています。しかし、現実は議会やメディアの激しい抵抗にあいながら田中県政は、着実に地方改革を敢行していると言えます。 多くの県民はこのようなメディアの姿勢に、今やウンザリしているのではないでしょうか? 最低限、メディアは是々非々に報道すべきです。また新聞に係わる人々は、日本新聞協会の新聞倫理を一度じっくり読んでみて下さい。 このことは、長野県議会のいわゆる7会派にも妥当します。調査結果では、「県議会がはじめから反対姿勢」である、また「本質的な議論がされていない」と感じる県民が約5割を占めていることからも分かります。 これらの傾向と状態は、この一年とくに酷くなっています。7会派の議員は是々非々どころか非々非々となっています。 とくに2005年2月県議会で強く感じました。およそ議会は言論の府とは言えません。多数派の横暴の府とでも言える状態が常態化しています。 |
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【青山の見解】 47都道府県いずれも財政は極度に悪化し、借金だらけ、累積債務状態になっています。 そんななか、田中県政がまさにツメに灯を灯すやりくりし、累積債務(県債及びその利息)の返済をしていることは、本来、マスメディアが県民にことあるたびに報道すべき内容のはずです。 しかし、どうでしょう。 どういうわけか地元メディアは、知事会見で「それが何なんですか?」(地元最大手の新聞記者)と発言するなど、実際は分かっていながら田中県政の実績を認めたくないのか、県民に対してまともに報道してきませんでした。 今回の調査では、そのいわばツケが明らかになっています。 県財政の危機的状況を約6割の回答者が知らなかったと回答しているからです。このような重大事をメディア各社はほとんど記事にせず、ニュースにしていません。したとしても、ツイデにベタ記事としているだけです。 世論調査では、客観的な実績を示すなか、田中県政の財政的取り組みや方針を聞いています。 質問に対し、県債に強く依存することのない健全財政や必要な分野に集中投資する田中知事流のやり方を評価する回答者が52%と最多となっています。これは事の重大性が分かれば分かるほど評価が高まる事項といえると思います。 県民に田中県政がこの間してきたことを、地元メディアや県議会の7会派が正確かつ客観的に伝えてこないなか、県民は今日本の自治体、とりわけ長野県のおかれている状況と長野県政の対応に的確な判断をしていることも分かりました。 |
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【青山の見解】 「コモンズ」は当初、難しいカタカナを使ってなどと、メディアや議員から批判を浴びました。 しかし、コモンズの概念は、必ずしも日本語で表現しづらい、できない概念だからこそ、カタナカ表現されてきたと言えます。 今回の世論調査の結果を見ると、次第に、「コモンズ」の本質が県民に理解されてきたことが分かります。従来の上意下達や長野市にある県庁中心の県政から、各地域、地域でひとびとが生き生きと暮らすための行政サポートが厳しい財政のなかでも着実に進んでいます。 今後ますます高齢・少子化を迎える人間社会、地域社会にとって、何が本当に大切なのかについて県民が行政との関連において次第に理解し認識していることが伺えます。 |
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【青山の見解】 田中県政は、この間、一貫して「安心、安全、正直」を大切にした信州ブランドづくりを進めてきました。これは観光や食べ物、スキーなどのスポーツで大きな成果をあげています。 しかも、田中県政は白骨温泉問題への対応に象徴されるように、「災い転じて福となす政策や施策」をあらゆる分野で展開してきました。その核となっているのが信州ブランドです。 世論調査では、約8割の回答者が、そのよううな信州ブランドづくりを率先して進めるべき、と前向きに評価しています。 2月県議会で7会派が予算を全面削除した「スキー王国NAGANO」キャンペーンにも7割以上の回答者が県の取り組みを高く評価していることが分かりました。 県議会7会派は一体何を考えているのでしょうか? これでは県政の政策、施策はどうでもよく、田中知事憎しだけで予算の全面削除をしていると県民に思われても仕方ありません。 すなわち、県議会の反田中の7会派は、ただただ田中知事に感情的反発しているだけで、決して県民のこと信州の主要産業をサポートする気などないことが分かります。 また環境問題の大きな特徴は、ひとたび生ずると取り返しがつかないことです。したがってより早期の段階から環境汚染、景観破壊、自然環境破壊などをおこさないよう対応すること、すなわり計画段階の環境配慮が大切です。回答者の57%(最多)が、このような豊かな環境や美しい景観を守るための県の施策を支持、評価していることが分かりました。 |
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【青山の見解】 上述のように安全、安心は長野県の信州ブランドです。これは何も農産物や温泉に限りません。 昨年は台風が10回も本土に上陸したり、震度6前後の地震が多数発生しました。さらに異常気象とも思える大降雨による洪水など、自然災害が多発しています。 災害対策もまちづくり同様、ハードつまり施設面だけでなく、ソフトつまり助け合や協業が大切です。さらに、新潟県中越地震のときに田中知事がおとしよりの家や世帯を一軒一軒まわり、食べ物をお渡ししたような、ハート作戦、つまり心の通いもきわめて大切です。県議会がこだわった「金銭的支援だけでよい」はわずか2%に すぎません。 回答者の約9割がこのような信州モデル、すなわち「適材適所、適宜、適量な災害支援策」を高く評価しています。 |
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【青山の見解】 災害対策、まちづくり同様、福祉でも大規模施設に依存した福祉政策では、お年寄りの心の憩い、ケアはできません。ハード依存からソフト、ハートを大切にした信州モデルがここでも大変大きな意味と価値を持つことと思われます。 回答者の実に9割以上がこのような信州モデルを高く評価しています。 単に財政難だからと言った理由ではなく、温かいケアが受けられるコモンズ社会、これが次第に県民の皆さんに理解、認知された結果であると思われます。 まちの中に民家等を改良、改修、再利用した「宅幼老所」や「グループホーム」がある信濃の環境こそ、本当の福祉だと思います。 |
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【青山の見解】 一昨年の5月1日に施行された改定健康増進法では、受動喫煙つまり間接喫煙の有害性が法に明記されました。いまのところ刑事罰はありませんが、今や人前での喫煙は違法行為となると言っても過言ではありません。 長野県は全国に先駆け、施設禁煙から一歩進め、敷地禁煙を宣言しました。平成12年12月1日からです。 この全面禁煙の試みは、専門的に見ても、大変高く評価されるものです。 喫煙は、あらゆる意味で喫煙者当人の健康に害を及ぼすだけでなく、喫煙者の周辺にいるひとびとに健康上の著しい影響をもたらす可能性が大きい行為です。間接喫煙のリスクは喫煙リスクの3倍以上と言う学術的報告もあります。 県議会のある会派は、全面禁煙措置に批判的対応をとっています。しかし今回の世論調査では、8割以上の回答者が田中知事による画期的な措置を評価しています。 今の長野県では、議員の常識、世間の非常識などと言われないよう、喫煙している議員諸氏は早く禁煙して欲しいものです。決して個人の趣味ではすまされません。 |
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【青山の見解】 日本は大量生産、大量消費のかのアメリカよりゴミの燃やす量が多い国です。長野県もその例外ではありません。 ゴミの大部分は本来、資源であるはずです。 できるだけ燃やさない、できるだけ埋立てなくてすむ循環型社会の構築、廃棄物対策こそ、21世紀の標準でなければなりません。 世論調査の回答者の9割近くが、長野県の新ゴミ条例案の前文、理念にあるこのできるだけ燃やさない、できるだけ埋立てなくてすむ循環型社会の構築を支持していることは実に大切です。 市町村を越境する大気汚染、水質汚濁などをなくすため、県が市町村や一部事務組合、広域連合などがつくる廃棄物処理施設に環境配慮をもりこむ手続きを条例のなかで提案したのは、至極当然のことです。 ゴミ条例案検討シンポジウム(長野市) 県議会の7会派や地元メディアは、これを田中知事による「市町村の権限の侵害」などと針小棒大に喧伝してきました。 これは法的に見ても明らかな間違いです。 廃棄物処理施設の立地、建設等への環境配慮手続きは、環境アセスメント同様、実体法の許認可ではなく、今まで多くの都道府県で試みられてきた環境影響評価同様の手続です。ことさら市町村の権限侵害と誇張することで全国に先駆けた先進的な条例案を制定させないことこそ、県民益、市町村益に反する行為であると考えます。 徳島県の人口約2千人規模のちいさな町、上勝町ではゴミを34種類に分別し、できるだけ燃やさず、できるだけ埋め立てない循環型まちづくりを進めてきました。 昨年春には、町長さんを長野市にお呼びし講演をしてもらい、その後、知事室で知事と議論をされました。長野県には人口2000人前後の小さな町や村が多数あります。それらの地域が上勝町でできることができないはずはありません。長野の市町村でもっと3R、5Rを徹底し、ゴミそのものの発生、排出を抑制したいものです。 上勝町の町長さん(真ん中) |
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【青山の見解】 田中知事は、義務教育費の実質削減になりかねない国の三位一体策に勇気をもって反対してきました。 まともな義務教育は地域そして国の将来にとってきわめて大切なものです。 県の30人規模の学級の取り組みには約8割の方が良いと評価されました。 またこの分野でも「空き教室の活用」や学校と地域との関係の強化など、ハード、つまり施設面でも信州モデルをつらぬいています。建設廃材をだすことなく、学校施設を修理、改修して利活用する、これが今もっとも新しい考えです。 それら小中学校の空き教室を使った地域のお年寄りのふれあいの場づくりは着実に成果を生んでいます。ディテール(細部、現場)を大切にする田中知事ならではのこれらの政策は、間違いなく全国に波及するものと思われます。 |