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米国連邦最高裁判所
訪問記

池田こみち 
環境総合研究所副所長
1 July 2010
独立系メディア「今日のコラム」
無断転載金

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米国連邦最高裁判所訪問記

 2010年6月下旬より1週間、日本弁護士連合会関連でワシントンDCにスーパーファンド法などの現地調査に通訳として随行しました。その際、連邦最高裁判所を訪問したので、以下に概要を報告します。

 ワシントンDCにある連邦最高裁判所はひろく一般市民に公開されています。土日、祝日でないかぎり、朝9:00〜4:30まで見学することができます。


連邦最高裁判所
撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10

【建物】
 1935年に建築され連邦議会に面しています。外観や廊下などすべてが大理石造りだが、法廷内は諸外国から輸入された大理石を用いています。よりユニバーサルな視点から審理を行うことのシンボルとしているとのこと。


米国の連邦最高裁判所(Federal Supreme Court)の外観です!


連邦最高裁判所の紋章です!

【最高裁での審理】
 毎年10,000件ほどが最高裁判所への申し立てがありますが、クラークや裁判官が内容を精査して口頭弁論が行われる案件は1%、100件ほどであるという。刑務所からの訴えが8割程度を占めるという。

 毎年、10月第一月曜日から翌年の4月ま法廷が開かれます。最高裁での口頭弁論は1時間(双方の代理人から30分ずつ)となっています。傍聴も認められている。5月〜6月は判決の言い渡しの期間となっています。基本的に多数決だがそれぞれの立場からの意見が求められます。

【法廷】
 法廷は天井が高くどっしりした大理石と樫の木でできていて、9人の裁判官が弓形にしつらえられた裁判官席に並ぶようになっています。直線的な座席にしていないのはお互いの顔を見ての意見交換ができるためだという。

【最高裁弁護士会(Supreme Court Bar)】
 最高裁弁護士会への登録は毎年5000人を超えています。3年間の研修が求められるが、弁護士としての権威付けのために登録を希望する人が絶えないという。二人の推薦人がいないと登録申し込みができないとのことです。
 

最高裁の法廷内部(撮影禁止なので写真を撮影)
撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10

【マーシャル像】
 第四代最高裁長官ジョン・マーシャルは司法の独立を確立した人物としてもっとも重要視されています。


マーシャル像
撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10

【最高裁の事務方】
 各裁判官には4名のクラークがついている。クラークの任期は一年。採用は各裁判官が直接行います。事務方のトップは主任書記官(クラーク)。訪問した日は出張中だったため、部屋をお借りしてDeputy Clerkから説明を受けました。古い丁度も沢山残されていて格調高い部屋には、初代クラークの肖像画とともに使っていた文机が残されていました。


最高裁判所就任秘書官の部屋にて説明を受ける
撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10


初代クラークと使った机
撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10

【螺旋階段】
 支柱をもたない大理石の螺旋階段は5階〜地下まで繋がっています。このタイプの螺旋階段はパリのオペラハウス、バチカン、ミネソタの議事堂の4箇所にしかありません。


最高裁のらせん階段
撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10


らせん階段の説明
撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10

【図書館】
 図書館には米国各州の州法や判例など関連の情報がアルファベット順にアラバマ州からユタ州まで並んでいます。


最高裁判所図書館
撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10


最高裁判所図書館
撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10

 天井や床のカーペットの模様は、アメリカの4つの重要な植物の花(綿、小麦、たばこ、トウモロコシ)がデザインされています。天井近くには、大理石で世界の法典に関連する人物像が彫刻されています。


最高裁法廷前の廊下
撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10


最高裁最上階にあったバスケットコートで
撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10


最高裁判所の前では死刑反対の市民運動がキャンペーンを
撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10


最高裁の前で全員で記念撮影
撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10