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第1~5回 アマルフィ海岸自治体の持続可能性基礎調査 2003~2020
A Survey on Sustainability of Costiera Amalfitana Comune

ヴェスヴィオ噴火と周辺都市
Eruzione del Vesvio e città circostanti

はじめに Preface

青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda
2021年5月1日 独立系メディア E-wave Tokyo

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はじめに

 南イタリア、ナポリ真東のヴェスヴィオ大噴火ではポンペイが世界的に有名ですが、他にヘラクラネウム、スタビアエ、ミノーリなどの大遺跡(いずれも世界遺産)も一般公開され世界中から専門家だけでなく、市民が訪れています。
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ヴェスビオ山大噴火の影響範囲 L'eruzione del 79 d.C.
ソレント半島の付け根、アマルフィ海岸にもかなりの灰が落ちたことが分かる
Source:Wikipedia Italia
Par MapMasterTravail personnel, CC BY-SA 3.0, Lien



ヴェスィオ周遊鉄道のポンペイ駅(正式にはVilla Dei Misteri、邦訳、秘儀荘駅)
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10



ソレント半島のサンタニェーロから見たヴェスヴィオの夜明け。海はナポリ湾。
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S10


 青山貞一・池田こみちの今回の特集では、都合5回に及ぶ現地、南イタリアへの徹底した現地視察と文献資料調査により、現在250本のアーティクル、2300枚超の写真で、その全容を紹介します。

 そこでは、関連する基礎自治体(コムーネ)や地域の現状も紹介しています。火山噴火前の人々の様子については、後に歴史家が発掘し解読した、当時の人々が友人に宛てた書簡などから分かります。


ヴェスヴィオス大噴火イメージ図  
Source:Da Wikipedia, l'enciclopedia libera.



南イタリア・エルコラーノのヘラクラネウム遺跡のボートハウスで発掘された
300人以上の人骨については、世界各国による学術調査も行われています。
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8  2016-2



ヴェヴィオは1700年代にも写真のような噴火ヲシテイマス。
Eruzione del Vesuvio del 1760-1761
Source:Wikipedia Italia
Pubblico dominio, Collegamento

 「ヴェスヴィオ噴火と周辺都市」調査のきっかけとなったのは、私達の環境総研の北軽井沢別荘がある浅間高原一帯が、江戸の天明3年の浅間山大噴火で火砕流、火山灰で埋もれ多数の村民が亡くなりイタリアのポンペイと似たような状態になっているからです。

 私達が過去約50回行っている浅間高原の鎌原観音では、鎌原村のお年寄りが観音様を掃除するとともに、私達参拝客にお茶や漬け物(白菜漬けやキュウリ漬け、沢庵など)などをふるまってくれますが、地域のお年寄りたちは鎌原のことを「日本のボンベイだよ」と説明して下さいます(笑)。


天明3年(1783)の浅間山大噴火と鎌原村
上側にあるのが浅間山。下側が鎌原村
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10  2008.5
元出典:鎌原村郷土資料館



天明3年の浅間山大噴火の経過
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10  2008.5
元出典:鎌原村郷土資料館


 
火砕流に追われ観音に逃げ込んだ村民の中で、母親を
おんぶし階段を上ろうとし、途中で息が絶えた親子の遺骨
撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8
元出典:鎌原村郷土資料館

 ということで、過去20年に及ぶ現地視察、文献資料調査、イタリア語などからの翻訳の最終段階にあり、2020年内に公開する予定です。はからずも、新型コロナで自宅にいる機会が多くなり、作業が大幅に進みました。

 これも地球温暖化研究と同様、地質学、考古学が調査研究のベースになっており、じっくり時間をかけています。

 この一環として、ポンペイの「ロザリオ聖母の巡礼聖堂」やカーヴァ・デ・ティッレーニ(Cava de' Tirreni)の「ベネディクト大聖堂(修道院)」にも訪問しています。これらの大聖堂もヴェスヴィオ大噴火時の風下にあたっています。

 さらに、アマルフィ海岸のミノーリのヴィラ・ロマーナ遺跡も2000年前に出来ていますが、同様に火山灰に埋まっております。これも一部を情報提供していますが、すばらしい古代ローマ形式のヴィラが灰の下から発掘されています。


学芸員の女性と一緒の池田こみち  アマルフィ海岸ミノーリにて
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2013-6-6



アマルフィ海岸ミノーリのヴィラ・ロマーナ遺跡から発見された牛のモザイク画
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2013-6-6

 歴史の教科書や一般の観光では、「ポンペイ」について学び見学しますが、その周辺には多くの貴重な遺跡が今も残っており、地域毎に特徴の有る人々の生活、暮らしぶりを知ることができます。

 2000年以上前にナポリ湾に面したこの地域に暮らした人々の生活を、発掘された建築物の構造や間取り、フレスコ画、彫刻類などからその衣食住を想像すると、非常に豊かで優雅であったことが分かります。

 往事の人々の自然と調和した人間らしい生き方は羨ましくもあります。是非、今回の「ヴェスビイオ噴火と周辺都市」をご覧頂き、現代の私たちが失ったものが何なのか考えてみていただけると幸いです。


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