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パドヴァPadova、イタリア)

パドヴァの聖アントニオ教会1


青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda 共編
掲載月日:2019年4月20日改訂公表予定2020年10月1日
独立系メディア E-wave Tokyo
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本稿の解説文は、現地調査に基づく開設に加え、Veneziaイタリア語版を中心にVenice英語版からの翻訳及び日本語版を使用しています。また写真は現地撮影分以外にWikimedlia Commons、さらに地図はグーグルマップ、グーグルストリートビューを使用しています。その他の引用に際しては、その都度引用名をつけています。 

◆パドヴァの聖アントニオ教会1



パドヴァの聖アントニオ教会の聖堂 - 聖パドヴァのアントニオの聖遺物を祀る。
市で最も重要な教会で、単にイル・サント(Il Santo)と呼ばれている。
6月13日には聖アントニオ祭が開かれる。
Source:Wikimedia  Commons
CC 表示-継承 4.0, リンクによる



パドヴァの聖アントニオ教会・聖堂のクーポラ
Source:Wikimedia  Commons

 パドヴァの聖アントニオ教会 (Basilica di Sant'Antonio da Padova) は、パドヴァ市民には単に「イル・サント」(il Santo) として呼ばれるカトリック教会のバシリカです。この教会はパドヴァで最も重要な教会の一つであり、世界でも多くの来訪者が訪れる教会のひとつでもあります。教会はパドヴァの聖アントニオの聖遺物を保管しています。パドヴァの大聖堂やドゥオモといった類の称号はありません。

 ロマネスクのファサード、ゴシックのアーチ、ビザンティン様式のクーポラ、イスラム美術を取り入れた鐘楼など異なる様式の完璧な調和という特徴をもち世界でもめずらしい巨大建築物となっています。

 聖人の遺体は彼の願いにより彼が1229年に設立した修道院の隣にあるサンタ・マリーア「マーテル・ドミニ」小教会に葬られました。 その教会は聖堂の建設時に中心部分としてマドンナ・モーラ礼拝堂として組み入れられました。

 聖堂の建設は聖アントニオの死んだ翌年の1232年には始まっていたと考えられており、完成は1310年にまで長引きました。 1394年の火事とそれによる鐘楼の崩壊により聖堂の整理のための改築は15世紀まで続きました。 15世紀の作業は回廊の増築、内陣席の再整理、新しい中庭の設置を含んでいます。

 カローナ出身のセル・マルティーノの息子である彫刻家で建築家のピエトロ・ロンバルドが29歳の1464年にルネサンス様式で彫刻した「アントニオ・ロゼッリの碑」と1467年の「ヤーコポ・パヴィーニの墓碑」が聖堂内にあります。

 正面の広場にはすばらしいドナテッロによるガッタメラータ騎馬像が置かれています。 ドナテッロは主祭壇や聖歌隊の囲い、ブロンズのキリストの磔刑像も作製しました。 主祭壇には輪になった7聖人、聖母子、ダニエーレ、フランチェスコ、アントーニオ、ジュスティーナ、プロズドーチモ、ルドヴィーコが置かれています。



パドヴァの聖アントニオ教会の聖堂の立体案内図 
Source:Wikimedia  Commons
CC BY-SA 2.0, Link


重要な部分

北翼廊


 「聖人の墓」とともに礼拝堂に含まれている、聖堂のなかでも尊敬されている重要な場所のひとつです。

墓の祭壇

 7段の階段のついた台座の上にあります。 ティツィアーノ・アスペッティの作(1607年)で特徴的な3つの彫像、中央の聖アントーニオ、側にいるのは聖ボナヴェントゥーラとフランチェスコ会の司教となるトローナの聖ルイージがあります。

 祭壇の背後には、年代順に並べるとアントニオ・ミネッロ、ジョヴァンニ・ルビーノ、シルヴィオ・コジーニ、ダネーゼ・カッターネオ、ジローラモ・カンパーニャ、ヤーコポ・サンソヴィーノ、トゥッリオ・ロンバルド、ジョヴァンニ・マリーア・モスカ、ピエル・パオロ・ステッラといった16世紀の異なる彫刻家が手がけた9つの大理石の薄肉彫りがあります。

芸術での引用

 カルロ・マッツァクラーティの映画「聖アントニオと盗人たち」(La lingua del santo) において、二人の泥棒が聖堂に寄り忍び込んで聖アントーニオの舌聖遺物箱を盗む場面と後に買い戻しに訊ねる場面があります。


聖アントニオ教会2 につづく