日本国民は不幸 遠因は男女格差(1) 青山貞一 掲載月日:2013年6月2日 独立系メディア E−wave Tokyo 無断転載禁 |
日本国民にはあまり知られていないようだが、世界各国の大学や国際機関が客観的な社会経済指標をもとに、「幸福度」(英語で Happinnes)を定義し、データを収集した上で「幸福度」の世界各国ランキングを公表している。 ◆<参考>青山貞一:目指すべき私たちの幸福とは何か? 世界各国の幸福度調査とランキング ざっと見ただけで、以下のような調査がある。 ●主な世界各国の幸福度調査 @ミシガン大学(米国)の幸福度調査 Aエラスムス大学(オランダ)の幸福度調査 Bレスター大学(英国)の幸福度調査 Cフォーブス誌(米国)の幸福度調査 DOECD(国際機関)の幸福度調査 ランキング結果を見ると驚愕する。それは日本の幸福度が愕然とするほど低いからである。 ●主な世界各国の幸福度調査ランキングにおける日本の順位
お金持ちクラブと言われるOECDの調査だけは、加盟国が34カ国中の19位だが、他の調査は世界各国であるから150〜190カ国中の順位である。 最近中国にその座を追われたが、GDPで世界第二位の日本がこと、幸福度では、さんざんな順位となっているのである。実は上記以外に、「子供の幸福度」とか、「研究者の幸福度」などの調査があるが、いずれも調査対象国で日本は最下位となっていた。 他方、どの調査でも第一位あるいは上位にいる国がある。それはデンマークである。 ●世界各国の幸福度調査ランキングにおけるデンマークの順位
表 欧米諸国の大学などによる幸福度調査に基づくランキング
上記の調査のうち、OECDの最新ランキング(2012)を見ると、OECD調査でもデンマークが第一位となっていた。日本は27位で今までの調査で最悪となっている。 表 OECDの最新加盟国幸福度ランキング(2012)
上記の調査は、欧米諸国にある大学や国際機関が行ったものではないか、という批判や指摘があるだろう。そこでたとえば、南米、アジアなどの途上国の価値観、見方からThe Happiest Countries in the Worldランキングを発表しているHappy Planet Indexによるランキングがある。 この幸福度調査では、大きく分けて@Experienced well-being、ALife expectancy、BEcological footprint、すなわち幸福・健康実感、平均余命、生態学的豊かさである。ここにはGDP、所得、失業率などの経済的指標はない。 ランキングを見てみよう。下図の左がHappy Planet Index、右がOECDの幸福度ランキングである。いずれも赤色が濃ければ濃いほど幸福度が高いことになる。これをみると、OECDは37のいわば世界の金持ちクラブのなかでの幸福度ランキングであることが分かる(図、右側)。一方、Happy Planet Indexの幸福度では、南米、東南アジア、南アジア、北アフリカなどの諸国の幸福度が高いことが分かる。 The Happiest Countries in the World(Happy Planet Index)ランキング しかし、具体的順位を見ると、日本はここでも45位と低迷していたのである。 ちなみにこのランキングのトップは中米のコスタリカ、第2位はベトナムなど、発展途上諸国がズラーと並んでいる。以下に日本までの順位を示す。 表 Happy Planet Indexにもとづく世界各国の幸福度ランキング
上記の指標のうち2つ目の平均余命では日本はトップクラスにあるが、幸福・健康実感そして何よりも生態学的豊かさで日本は後塵を拝している。 下表は、環境保全持続可能性指標(Environmental Sustainability Index)である。調査は、米国のコロンビア大学とイェール大学が担当し、世界経済フォーラムで毎年発表してきたものである。 これを見ると、上位はスカンジナビア諸国、カナダ、オーストラリア、すなわち幸福度の高い国が占めており、日本は何と18位(2000年)、22位(2001年)、62位(2002年)、30位(2005年)と、決して高くないのである。 表 環境保全持続可能性指標(Environmental Sustainability Index) にもとづく世界各国ランキング 出典:青山貞一 このように、欧米的社会経済指標(OECD)で見ても、途上国的尺度(Happy Planet Index)のどちらから見ても、日本の幸福度は極めて低いのである。 つづく |