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衣の下に鎧か?
小沢環境大臣の原発容認意見



青山貞一


23 October 2009


 小沢大臣による鹿児島県川内原発増設の環境アセスの環境大臣意見に温暖化対策として原発を推進するという内容を出した件で、すでに横田一さんが週刊金曜日に私の意見をふまえ民主党、連合、財界の間で、”癒着”問題を4頁にわたり書かれました。
 
 ◆横田一:民主党、連合、財界、”癒着”を示すある事実 週刊金曜日

 その後、本件について取材が舞い込んでいますが、先ほど●●新聞科学部の記者から取材がありました。質問の趣旨は科学部なので環境アセスとの関連で小沢大臣の意見をどう思うか?でした。

 私の意見は以下の通り。

1)原発の環境アセスへの意見に際し、民主党政権としてマニフェスト
  において明確となっていない原発政策を一大臣しかも国民の安全
  や環境の保全をあずかる環境大臣が、二酸化炭素排出が少ない
  からといって原発を推進することを言明してよいものか?

2)環境アセスは政策の方向性を示すものではなく、現下における定量
  的、定性的な科学的知見にもとづき、意見を出すべきものであり、価
  値判断を示すものではない。

  その観点から環境大臣が上記のような公的意見を出してよいものか?

3)原発がCO2削減に資するという評価はきわめて短絡的、表層的な
  ものである。

  原発は、@温排水の影響、@放射能漏れ、A核廃棄物処理問題、
  B原発解体問題など巨大な財政負担もさることながら汚染削減に
  ついては科学技術的に未解明な部分があまりにも多い技術である。

  それは、先のNHKスペシャル、原発解体を見れば一目瞭然である・
  正常稼働時にCO2排出が少ないというだけで環境行政の責任者が
  推進することを意見の中に言明すること自体問題である。

  ◆池田こみち:Nスペ「原発解体、世界の現場は警告するを見て 

  
  出典:NHKスペシャル、原発解体

4)そもそも日本の今の法律の体系にあって、善し悪しは別として環境
  省は原子力分野は管轄外となっている。たとえば環境省は所轄外
  の3)の@、A、B、Cについての知見を有しているのだろうか?

  所管でない問題に対し、事実認識でなく、安易な価値判断で大臣が
  意見を述べるのは問題である。

5)本来、環境大臣は環境アセスの意見の中で政策を述べるのではなく、
  2)、3)を大臣意見として述べるべきである。

  また1)の原発政策については、国民に対し政権選択マニフェストで
  何ら具体的な政策、方針を示していない。

  最低限、民主党は原子力政策について自分たちの立場を明確にすべきである。おそらくそれは3)が保証された上でのことである。