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第3回 アマルフィ海岸自治体の持続可能性基礎調査 2013-6
A Survey on Sustainability of Costiera Amalfitana Comune

初夏のアマルフィ海岸を行く
 6日目

内陸のトラモンティへ

青山貞一・池田こみち  2013年6月14日
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 2013年アマルフィ海岸現地視察調査報告<125本 全体メニュー>


    
ソレント半島の位置  トラモンティの紋章  イタリア国旗

 ミノーリのヴィッラ・ロマーノを視察した後、私達はアマルフィ海岸背後の山間地にあるトラモンティに(Tramonti)に向かいました。トラモンティには2011年3月にも来ていますが、今回は13ある集落のすべてを循環視察する予定です。

 このトラモンティは、何度来ても、一体自分たちが町のどこにいるのか、どこの集落にいるのかさえ、非常に分かりにくい町です。そこで次回(2016年2月)の現地視察では、トラモンティのアパートに4日間ほど滞在し、さらにGPS付きのデジカメ(Nikon Coolpix S9900)を持参し、帰国後、撮影した場所の正確な位置が分かるようにすることにしました。

◆トラモンティ(Tramonti)

 トラモンティ(イタリア語: Tramonti)は、イタリア共和国カンパニア州サレルノ県にある人口約4100人の基礎自治体(コムーネ)です。

 サレルノ県北西部、アマルフィ海岸の内陸に位置するコムーネでコムーネの中心集落であるポルヴィカ (Polvica) は、アマルフィから北北東へ約7km、県都サレルノから西へ約11km、州都ナポリから南東へ約36kmの距離にあります。

 トラモンティは、正確にはトラモンティのコムーネは、アマルフィ海岸のミノーリやマイオーリの町からナポリ側(山側)に数km〜10km程行った山中にある村一帯を指します。そのトラモンティには、13の小さな村があります。

 トラモンティに行くには、下の地図にあるように、ミノーリのとなりまち、マイオーリからほぼ北上することになります。トラモンティには2011年3月にも行っていますが、今回はトラモンティにある13の小さな村ひとつひとつを訪問することにしました。 


トラモンティを中心とした道路図  撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

 トラモンティに行くにはマイオーリからSP2aという一般道路を北上するのが一番簡単です。トラモンティで最初に出会う村はプカラと言います。


トラモンティとミノーリ、マイオーリなどのアマルフィ海岸コムーネとの位置関係
Source:Google Earh

  世界一の海岸、地中海の真珠と言われるアマルフィ海岸の魅力は、静寂で断崖に続く小さなまちの景観ですが、トラモンティは、そのアマルフィ海岸の北側、そしてソレント半島を縦断するリッテラリー山脈の西側にある静寂で素朴な山間地の農村です。トラモンティは、観光地ではなく、あくまでも現役の果樹栽培などの農村であり、同時に自然と共生した閑静な著名人などの別荘地と言えます。

 トラモンティの牧歌的な風景、海から8キロの山中そして谷には、ブドウ畑、栗の森それにレモン畑に囲まれた13の村があります。トラモンティの地名の由来ですが、それはイタリア語でイントラ・モンテス、すなわち山の間にある、一言で言えば、山の中、日本語で言えば中山間地の村という意味といってもよいでしょう。


This photo of Monte Finestra is courtesy of TripAdvisor


This photo of Monte Finestra is courtesy of TripAdvisor

 トラモンティは、スカーラやアマルフィなどアマルフィ海岸のコムーネ同様、ローマ人によって創設された独特の歴史と文化をもつ魅力的な村の複合地域と言えます。またトラモンティはアマルフィの最も重要な共和国の一つで、山々に囲まれたこの村は、今なお多くの著名人の居住地に選ばれています。

 当初、地中海交易上の重要な港に通ずる村として栄えたトラモンティは、マイノーリ、アマルフィ海岸につながるチュインチ(Chuinzi)通り沿いに位置し、カバデティレニ、コービー、マイオーリ、ニーダーノチェラ、ノチェラパガーニ、ラヴェッロ、サンテジーディオ・デル・モンテアルビノなどのコムーネに接しています。

 トラモンティの起源は定かではありませんが、歴史家によれば、紀元前4または5世紀にまでさかのぼるといいます。トラモンティの先住民は当初、アマルフィの防衛のためにつくられたスカーラと同時期に、アマルフィ共和国連合に参加したとされています。そしてトラモンティは、永年にわたって海側から進入するサラセンやオスマントルコ軍などに対する防波堤の役割を果たしてきたとされています。


トラモンティの町役場の壁にあったタイルの絵   撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

 このように、トラモンティはアマルフィ海洋共和国の繁栄の歴史の中で、共和国の防衛上、非常に重要な役割を果たすとともに、共和国の通商交易と芸術文化の発展を背後から支えてきたといえます。

 一方、自然環境面から見ると、トラモンティは、アマルフィ海岸にあるコムーネの巨大な緑の肺、すなわち清浄な空気の供給源ともなっています。

 そのトラモンティはアマルフィ共和国の時代、まちとしての総合力は頂点に達しており、13の地区の村には、ひときわ美しい宮殿や教会がつくられています。

 そのため、トラモンティには、多くの教会や修道院があり、その秀逸な文物などの芸術や建築を見ることが出来きます。たとえば、プロヴィカ村にある聖フランシスコ修道院は、1474年にフランシスコ会によって設立されています。


聖フランチェスコ修道院   撮影:池田こみち Nikon Coolpix S10

 岩(ロック)の礼拝堂(岩のチャペル)としても知られるGeTeの村の礼拝堂、また "グレースの聖母"は、ロマネスク様式とゴシック様式により8世紀から12世紀の間に建てられています。同時期にはフィリーネの村で聖ペテロ教会がつくられており、聖ペテロ教会には、8世紀のビザンチン様式のフレスコ画もあります。


トラモンティのゲーテ村の岩の礼拝堂  撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

 以下は、トラモンティにある主な教会や修道院です。

・チャペルロック(ロックのチャペル)
・昇天教会(昇天教会)
・聖エリアス教会(聖エリヤ教会)
・聖ヨハネ教会(聖ヨハネ教会)
・聖ペテロ教会(教会聖ペテロ使徒)
・聖エラスムス教会
・サンタ・マリア・ラ・ノヴァ城
・聖フランチェスコ修道院
・聖ヨセフと聖テレサ修道院

 トラモンティには13の村(行政区)があります。それらの村は、それぞれに豊かな歴史と文化遺産をもっており、大いに訪問して鑑賞に値する村と言えます。プカラ村のマグダラの聖マリア教会にはルカ・ジョルダーノによる絵画があります。テレサ村の聖ヨセフ教会は17世紀に設立されています。この教会で「協奏曲」が初めて作曲されています。 パテルノ村には豊麗な聖ペテロ使徒教会があります。

 カンピノーラ村の聖ヨハネ教会には、天使に囲まれたヨハネとフランシスの間に聖母マリアが描かれています。さらにポルヴィカ村にはアン・ブローズ・ローマン・マイノーリの元司教とマーティン・デ・マイオ島の、ビシェリエ司教の大理石の墓があります。ポロヴィカ村にはトラモンティの町役場の横にフランチェスコ修道院があります。この修道院は1474年に建てられています。このポロヴィカ村の地区にはローマ時代の別荘と重要な遺跡があります。


撮影:池田こみち Nikon Coolpix S10  2013-6-6


つづく