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八ッ場ダム工事のその後A
巨大道路事業

青山貞一・池田こみち・鷹取敦
掲載月日:2013年5月6日
 独立系メディア E−wave Tokyo

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 さて、巨大道路には国道、県道の付け替え工事、それにともなう巨大トンネル、V字型渓谷の両側を結ぶ巨大な橋梁、一般道同士の立体交差(カルバート構造)まである。


一般県道の湖面1号橋梁工事現場を動画撮影する青山貞一
撮影:鷹取敦、CASIO EX-H20G 2013.4.28

 さらに片側2車線の一般県道など、そのほぼすべてが長野原町内で建設されているが、その前後、すなわち東吾妻町と嬬恋村は、道路、鉄道、その他がほぼすべて以前のままだ。これには呆れてしまう。

 おそらく国土交通省はダム工事現場をひとつの基礎自治体に集中することで、そこに5000億円から1兆円になんなんとするカネを注ぎこめば、自治体、議会、産業界、住民らの反対を封じ込めることが可能と考えたのだろう。

 実際、長野原町の上流に当たる嬬恋村や長野原町の北部に当たる中之条町六合村など他の近隣基礎自治体では、まったく八ッ場ダムに関連する土木工事は行われていない。下流域の東吾妻町で一部、道路と軌道工事があるくらいである。

 その結果、長野原町の自然豊かな日本有数の渓谷美を誇る吾妻渓谷は、まさに鉄とコンクリートによる巨大公共事業のオンパレードとなってしまった。かつての日本有数の渓谷美を誇る吾妻渓谷の多くは、見る影もなく、これでもか、これでもかと言わんばかりの土建公共事業の現場に変貌してしまったのだ。 

 残されているのはダムの本体工事とその近くの一般県道の大型橋梁(湖面1号)、それに吾妻線の草津長野原駅と新設された川原湯温泉駅までの軌道の接続及び新川原湯温泉駅から岩島駅までの軌道の付け替えくらいである。

 一般県道の湖面1号橋梁は、昨年夏、大田区議の方々をご案内し現地視察した際は、橋脚工事までだったが、今回見ると、あとちょっとで橋が谷の両岸をつなぐ寸前まで来ていた。

◆2012年8月時点での一般県道湖面1号線の開発状況

◆青山貞一:真夏の群馬北西部短訪 A迷走続ける八ッ場ダムと工事現場


一般県道用道路の橋梁となる湖面1号線(Bに相当)の工事現場
撮影:鷹取敦 Digital Camera CASIO EX-H20G


一般県道用道路の橋梁となる湖面1号線(Bに相当)の工事現場
撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8


撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8


 下は、2013年4月27日時点での湖面1号線の建設現場である。


一般県道の湖面2号橋梁の工事現場。
この現場はダム本体工事となる現場に近い。
撮影:青山貞一、Nikon cool Pix S8 2013.4.28

 下は工事現場。日本有数の自然景観、渓谷美をもつ吾妻渓谷とまったく相容れないものであることがよく分かる。


一般県道の湖面2号橋梁の工事現場。
撮影:青山貞一、Nikon cool Pix S8 2013.4.28

下の写真を見て欲しい。

 一般県道用の湖面2号橋梁の工事現場である。写真中手前にある鉄橋は、一般県道の従来の橋梁、また奧のトラス型鉄橋は従来のJR吾妻線のものであり、いずれもダムが出来れば水没する。


一般県道の湖面1号橋梁の工事現場の遠景。
撮影:青山貞一、Nikon cool Pix S8 2013.4.28


一般県道の湖面1号橋梁工事現場を動画で撮影する青山貞一
撮影:鷹取敦、CASIO EX-H20G 2013.4.28

 ちなみに一般県道の湖面2号橋梁は、2009年、民主党が政権をとり、八ッ場ダム工事中止を宣言した際、テレビ、新聞のマスコミの紙面を飾った橋梁だった。これはとっくに竣工しており、その橋の付け根には、後述するように道の駅・八ッ場ふるさと館がこの4月27日にオープンしていた。

つづく