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ロシアの新戦略は、中国とロシアの関係を
分断する米国の失敗を示している
モスクワは西側諸国への関係修復の期待を捨てる

青山貞一

 独立系メディア E-wave Tokyo 2021年7月13

 

みなさま

青山貞一・池田こみちです。
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 以下は2021年7月14日の第二報記事です。
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 昨日プーチンのウクライナ対応のスクープ記事を2本紹介しました。それとは別にプーチン氏自身、ロシア外交の対米基本戦略は、盟友中国との関係を強化する一方で、2014年来、クリミア問題での西側諸国の米国、NATO制裁追随に対し、関係修復は捨てると強く述べています。
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 これは元々、昨日のプーチンの「ロシア人とウクライナ人の歴史的統一」にあるように、1990年来の冷戦構造終結後、20ヵ国弱あったソ連邦国家を米国がまさに「カラー革命」に類する方法で西側に組み入れられていったことにある。
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 そのなかで、WW2で対ナチスドイツで2700万人もの兵士と市民が犠牲となったのは、まさに今のロシアとウクライナであることをプーチンは同じロシア語を話しスラブ民族であり兄弟であると強く考えている。
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 にもかかわらず、20数か国弱のソ連邦国家を引きはがされただけでなく、兄弟のウクライナにまで米国、NATOは手を突っ込み国務省のヴィクトリア・ヌーランドらによってウクライナの政権転覆まで行ったことへの怒りが、「モスクワは西側諸国への関係修復の期待を捨てる」に表れている。
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 同時に盟友中国が世界経済をけん引しており、経済・エネルギー関連では、その中国との二国間貿易、経済協力関係によって、米国やEU諸国からの経済制裁があっても、それなりにやってゆける(やってゆく)という強い意志が洗われている、と思われる。
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 とりわけ14億人を有しながら石油天然ガスなどのエネルギー資源に乏しい中国に対し、ロシアは石油天然ガスの埋蔵量が多く、同時にそれが欧州(ノードストリーム2など)に対しても中国に対しても、当分の間。マクロ経済の中心となる客観的事情がある。
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 世界は多極化の流れの中で、ロシアの対外戦略はこのような方向、すなわち米、英、加、豪などアングロサクソン系諸国、さらにはそれに追随するNATO諸国とは、売られた喧嘩には対応するものの、自分から積極的に関係修復に乗り出さないということになるものと思える。青山貞一
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◆ロシアの新戦略は、中国とロシアの関係を分断する米国の失敗を示している モスクワは西側諸国への関係修復の期待を捨てる 環球時報
http://eritokyo.jp/independent/Russia-newStrategyfor-US-ao29.htm
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★Russia’s new strategy shows US’ failure to split China-Russia ties Moscow drops
expectation on West to fix relations Global Times
https://www.globaltimes.cn/page/202107/1227805.shtml