エントランスへはここをクリック     青山冒頭コメント

中国が「国家モデル」を
輸出していると非難するが、
フランスは実際に輸出している

環球時報 2021年7月6日
Accusing China of exporting model, France actually does it
Global Times July 6 2021

翻訳:青山貞一 (東京都市大学名誉教授)
 独立系メディア E-wave Tokyo 2021年7月6日

 

Iイラスト: リウ・ルイ( Liu Rui)/GT

本文

 週末に北京で開催された世界平和フォーラムは、東洋と西洋の競争の縮図のようなものだった。ローラン・ビリ駐中国フランス大使は、中国が自国のモデルを他国に押し付けようとしているという考えを証明しようとして、中国の「表現の自由に対する脅威」を挙げた。

 ビリ氏が言論の自由はイデオロギーの問題だと考える一方で、アンドレイ・デニソフ駐中国ロシア大使は、ジョージ・H・W・ブッシュ元米大統領がロシアに自由と民主主義について講義したことを思い出し、「我々はリビア、シリア、イラク、アフガニスタンでそれがどのように機能するか知っている」と述べた。

 フランスや欧米が恐れている中国のモデルとは何かを指摘する価値がある。中国のモデルは、中国国民の幸福と人類の進歩の両方を目指しており、中国の発展を通じて世界にチャンスを生み出すことを目指している。中国は、欧米のようにそのモデルを他国に輸出しようとしたことはない。しかし、中国がその姿勢を明らかにしようとすると、欧米は中国が表現の自由を制限していると非難した。

 3月には、フランスの上院議員が台湾訪問を計画していることに賛同したフランス人研究者のアントワーヌ・ボンダズに対して、在フランス中国大使館が公式ツイッターで「小悪党」と返答しました。また、火曜日には、新疆ウイグル自治区の問題を歪曲して報道し、人種差別と憎悪のプロパガンダを掲載したフランスの子供向け出版物に対し、在フランス中国大使館は断固とした反対を表明しました。

 中国は自国の利益を守るためにそうしたが、フランスは言論の自由の侵害だと考えている。しかし、もしフランスが、中国が自分の意見を言わずに、フランスの行ったことや言ったことをすべて受け入れることを望むのであれば、それは中国の言論の自由に障害を与えることになるのではないか。

 中国と欧米ではイデオロギーが異なり、自由や民主主義、人権といった概念の捉え方も異なる。過去数十年間の中国と欧米の交流でもそうであった。この時期、西洋の概念が中国社会に影響を与え、中国自身のこれらの概念の定義が試されたのだ。同様に、西洋も中国の考え方を体験し、異なる考え方の衝突を受け入れる機会を等しく持つべきである。

 中国が行ってきたことは、「歴史の終わり」という神話を終わらせ、西洋の価値覇権を打ち破ることである。フォーラムでデニソフが言ったように、「もし誰かが、中国共産党が自分のイデオロギーを中国国外の誰かに押し付けている例を一つでも挙げてくれれば、私は非常にありがたい」。

 ロシア大使が中国を擁護したのは、ロシア自身が西洋のイデオロギー輸出に苦しんでいたからである。イデオロギー輸出の目的は、
カラー革命を起こして、その国の状況に合わないシステムやモデルを受け入れさせることである。これはフランスが行ってきたことである。

 フランス大使は、中国が自国のモデルを輸出しようとしていないことを認識している。中国の台頭と影響力の増大と相まって、フランスをはじめとする西側諸国は、自国のモデルが中国のモデルに挑戦されるのではないかと警戒し始めているのだ。

 中国社会科学院国家国際戦略研究所の孫錫輝副研究員は『環球時報』の取材に対し、「中国と欧米の競争に対する欧米の強い不安を反映している」と述べている。

 「中国の発展モデルが世界の舞台でますます承認され、影響力を持つようになり、欧米の影響力、権力の言説、ルールや価値観を定義する権利に挑戦することを心配している」と孫氏は語った。