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稲城の里山と史蹟を
守る会ニュース

第36号 2008年9月

発行責任者・市村ごろう
稲城市向陽台6−11−2−301
電話・Fax:042−378−6403

 東京都・環境局と「環境アセスメントのやり直し」「オオタカ保全」について交渉しました。

 2008年8月19日(火)都庁環境局会議室で、稲城の里山と史跡を守る会、市民連絡会のメンバー22名が出席して交渉しました。

 交渉相手は、都環境局環境影響評価審査課・三井田良昭係長、環境局自然環境部、緑環境課・加藤仁課長らでした。

 都が、南山の開発を、既に認可していることから、オオタカ、里山の自然を守る姿勢が大変弱いことがありありと判り、出席者からの鋭い質問にも終始あいまいな回答を繰り返し、たいへん残念で、悔しい思いが募りました。

 ただ今回の交渉で、今後につながるたいせつな点がいくつか明らかになりましたので、ご報告します。

(交渉で明らかになったこと)

@
環境アセスメントについて
里山の会の申入れ

       都の回答


*今回の都知事に申請している「事業計画変更」は、環境アセスメント条例・評価項目にも関わる大規模なもので、アセスメント条例63条からしても、やり直すのは当然だ。やり直しを求めることを申し入れる。


@今回の事業計画の大幅変更について、内容を報告するように組合に指導する。環境に大きく影響することが明らかになれば、環境アセスメントをやり直すこともありうる。(例えば、ほとんど外部搬出しないとしていた土量が30万?になることが確定すれば・・・)」


A上記の手続きが終了する前に、工事(本格)着手することは疑問がある。


→市村のコメント
今回の事業計画変更の報告を指導すること、現段階でも本格工事着工は疑問があることを担当課長がもらしたこと。また、アセスメントやり直しになれば、最低1年は工事に着手することは不可能になります。今後につながる大切な回答です。

Aオオタカ保全について
里山の会の申入れ 都の回答

「オオタカが従前の場所で営巣、子育てに執着していること」から、都の特記事項に基づいて、事業計画の変更を求めることを申し入れる。

@
2006年3月段階は、南山区域内に営巣、生殖活動をしていたが、2008年段階では、区域外で営巣、生殖活動をしている。事業計画の見直しを求める状況ではない。

Aオオタカ特記事項(南山はオオタカ生息地域)は現在でも生きており、指導は続ける。

→市村コメント
都が根拠にしているオオタカ調査は、組合が費用を出して委託している「株・緑生研究所報告」にもとづくもので、第三者の公正な調査といえるかどうか疑問があります。確かに、オオタカの営巣木が、南山開発「区域内」か「区域外」かは、だいじなことです。しかし、隣接の区域と南山地域は、オオタカの保全区域・棲息区域として、都の*「特記事項」は引き続き生きており、指導対象にしていくとの回答がされたことを踏まえ、今後も、オオタカ保全問題に取り組んでいきます

*都の特記事項「オオタカが引き続き繁殖に執着するような状況にあった場合は、猛禽類専門家の意見を聞き事業の計画変更も含めて検討を行なう」


(今後の取り組み)
 今回の都との交渉を踏まえ、自然環境保全条例に基づいてつくられている「自然環境保全審議会」に陳情します。

審議会は、学識経験者、都議会議員、市民応募などの委員36名で構成されています。真剣に協議していただくことを期待します。

 組合幹部は、危機感から「何が何でも、8〜9月に工事着工!」を計画しています。既成事実をつくり、市民をあきらめさせる『作戦』?  惑わされず、あわてず、あきらめず、必要な手を着実に打ち、市民運動の広がりを作り出していきましょう!  「まちづくりの主人公は市民」、「里山を守る大義」「世論は緑地保全に味方」を確信に、元気に取り組みましょう!



★8月末か9月はじめに、開発許可を直接担当する「都建築指導事務所(府中)に、開発工事着工前に、住民事前説明会を開催するよう申入れします。日程は追ってお知らせします。  

 組合が工事着手する予定地は、根方谷戸流域で、この工事は、根方谷戸の防災・安全対策なしでは、下流域に大きな被害をもたらし危険。

★なお、府中墓苑計画の両市の正式な協議は、その後、行なわれていません。したがって、工事早期着工の大義はありません。

 
「緑保全は、地権者の権利と土地を守る、リスクのない、安心安全の方策」「地権者・農業者と共同の南山保全後の里山プラン」の提案チラシが、間もなく完成します。
地権者全員に郵送し、全市民に配ります。里山の会として学習会を企画します。

 「緑保全は大切だが、緑保全だけ言って、地権者の税金の負担などについて考えないのは身勝手!」「南山保全したあとのプランを示さないのは無責任!」−との批判が聞かれます。この批判に答えるチラシです。

内容は
@ 地権者への手紙(このまま開発を進めると孫子の代まで莫大な借金地獄の危険が!)
A 街路樹,公園の緑地だけでなく、市民は里山保全を望みます。
B 南山保全プラン(*地権者の税金は5分の1に*相続が生じたときは買い取り請求権 *保全地域指定で乱開発防止 *市民ボランティア協働の里山管理 *消費者と共同の地産地消農業、市民農園 *南山自然と歴史の遊歩道)
C 開発後宅地で売るのと、緑地の、まま自治体が買収した場合の価格比較。
D 千葉県松戸市紙敷区画整理事業破綻の悲劇(相続した娘さんの嫁入り先まで差し押さえが!)
E 緑確保の財源はこうして確保、組合が抱える借金の穴埋め方策
F 南山「危険崖?」―多摩丘陵誕生が分かるなかなかのスグレモノ。開発して崩して埋め立てるとかえって危険!

◆関連テレビ報道

TBS噂の東京マガジン・噂の現場
真夏のミステリー 8万本の木が伐採!?ポンポコ狸山が消える・・・?
http://www.tbs.co.jp/uwasa/20080810/genba.html