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保守県政の談合汚職後
〜注目知事選がもつ意味〜

日刊ゲンダイ

掲載:2006年11月14日


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いい気になり過ぎてやりたい放題いいたい放題の安倍偽装政権も
親分ブッシュ敗北を機に完全に落ち目に入った

その選挙結果なら国民の支持もなく次々悪法成立を狙う安倍自民党は即刻衆院を解散して国民の信を問うことが絶対必要
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| 福島県知事選開票結果                |
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|当 497171 佐藤 雄平  民・社推薦       |
| 395950 森  雅子  自・公・新党日本推薦  |
| 38457 小川 英雄 共産推薦           |
| 23113 川田 昌成 無新              |
| 10598 高橋 喜重 無新              |
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(確定得票)

本当の敗因は小泉悪政による格差社会のツケ

 注目の福島県知事選は民主擁立の前参院議員・佐藤雄平(58)が圧勝した。下馬評をはるかに超える10万票差に自民党は真っ青だ。

 しかも保守地盤の強い福島でこの結果である。敗因はいくつもある。

 まず担いだタマが悪すぎた。自民党が擁立した森雅子(42)は3年前に民主党の候補者公募に申請したもののNGになった人物。表情がキツく暗いため、ポスターを撮り直している。しかも、党中央からの押しつけ候補だったから、地元が反発して動かなかった。政治評論家の浅川博忠氏がこう言う。

 「保守県政の談合汚職後の選挙ということも大きい。自民党の支持基盤だった建設業界も動けませんでした。何より注目すべきは、選挙に強いとされた安倍首相の神通力が幻想だったことです。

 10月の補選勝利は神奈川16区が亀井善之氏の病死で長男・善太郎氏が立った“弔い選挙”だったし、大阪9区はフル稼働した学会票が決め手。 特殊事情によるもので、安倍自民党への支持ではなかったのです。知事選の惨敗で補選2つは帳消しです」

 最大の敗因は地方経済の疲弊だ。小泉―安倍の市場原理・競争至上主義による格差の拡大がボディーブローのように効いてきているのである。

 福島はとくに深刻だ。高校新卒者の求人倍率は東京4.41倍に対し、福島はわずか0.60倍(7月末現在)。1時間当たりの最低賃金は東京719円に対し、福島618円と100円も安い。

 「消費の冷え込みのために、ここ数年で県下のデパートやスーパーがバタバタと閉鎖・撤退に追い込まれています。スーパー『エンドーチェーン』、『長崎屋』の福島店閉鎖を皮切りに、郡山の百貨店『うすい』、いわきの百貨店『大黒屋』が倒産。

 ダイエーも福島から全面撤退しました。それも当然で、大型小売店の販売額は6月現在、前年同月比で3.8%(既存店)も減少。ずっと下げが止まらないのです」(地元経済事情通)

 自民党福島県連の遠藤忠一幹事長は、「安倍首相が福島入りすれば沖縄県知事選にも入らないといけない。首相が沖縄に行けば日米安保などが争点になってマイナスになる恐れがある。福島は置いていかれた」とボヤいた。だが実際は、安倍はヤバイとみて福島には入らなかった。逃げたのである。

地方と中小企業の有権者は安倍路線にNO!

「福島県知事選の結果は、順風満帆で来た安倍政権にとって、最初のつまずきだ」と政治アナリストの伊藤惇夫氏はこう言う。

「首相就任直後の訪中、訪韓でアジア関係のギクシャクを修復し、しかも外遊途中で北朝鮮の核実験が起きて得意の経済制裁。支持率もアップして、これから念願の“美しい国”つくりのための教育基本法改正や憲法改正に向けた国民投票法案に手をつけるつもりでした。

 しかし、こうした安倍路線は福島をはじめ地方では不人気。というより期待する政策とはベクトルが違うのです。『小泉改革で冷え切った地方経済をどうしてくれるのか』という不満がある。3%成長の経済政策も『どうせ中央と大企業のための景気対策で庶民には関係ない』と受け止めているのです」