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お粗末極まる
安倍政権とその周辺


日刊ゲンダイ

再掲載日:2006.12.21


─ Dailymail Businessより ───
■ やってることがいじましい
■ そのくせ強権的で意地で頑固で頭が弱い
■ 発足3カ月 お粗末極まる安倍政権とその周辺
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名前を挙げればW中川、麻生、久間、塩崎、世耕などなど
誰を取ってもせいぜい県会議員程度の政治能力、
おまけに本間という愛人醜聞政府税調会長とくれば
目を覆う低級政治、この国はどうなるのか
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 支持率急落の安倍晋三首相(52)が、また見え透いた人気パフォーマンスだ。 自民党が大銀行に“要求”していた政治献金復活を「国民の理解を得られない」と、自粛を発表した。

 来年夏の参院選を意識して、世論の批判に応えた形だが、こんなミエミエの茶番劇にダマされてはいけない。大銀行は繰越損失があるため、法人税を納めるのは早くても3年後だ。参院選が終われば、再び税金を払わない大銀行と自民党がタッグを組み、献金復活に動くのは目に見えている。

 安倍首相が露骨な人気取りに走るのは、それだけ追い込まれている証拠。支持率急落に首相は「どうしてかな?」とクビをかしげ、大慌てらしいが、就任3カ月間のお粗末極まる政権運営では、むしろ自然の流れだ。

 郵政造反議員の復党問題は「幹事長に任せてある」と自分は一切表に出ず、対応を丸投げ。「ボクちゃん、難しいことはイヤだもん」とすねる駄々っ子そのものだが、ボールを受けた中川秀直幹事長は自分の愛人スキャンダルを棚に上げ、「けじめ」とか「誓約書」とか美辞麗句を振りかざすのだからドッチラケである。

「タウンミーティングのやらせ問題でも、やることはしみったれていました。首相給与から35万円を返上して反省のそぶり。月額130万円の議員歳費はそのままだし、資産ン億円のボンボン首相にすれば、返上など痛くもかゆくもない。この程度のことで億単位の税金ムダ遣いをチャラにできると考えるところが、『成蹊出のお坊ちゃん』らしい子供並みの発想です」(政界関係者)

“亀の頭首相”の危険性 ◆

 献金自粛もそうだが、評判が悪いと分かると「じゃあ、やめます」とクビを引っ込め、人気取りを図る“亀の頭”首相。就任当初は支持率70%なんて数字もあったが、今や40%台にドカンと下落したのも当然だ。

 子供じみて何もせず、何もできずに内閣が潰れていけば、それはそれで結構だが、違うから厄介だ。防衛省昇格や教育基本法改正など、戦後のどの政権もためらい、やれずにきた国家主義色の強い法案はロクに審議もせず、アッサリ成立させてしまうから怖いのだ。

「安倍内閣は『何事もカネで済ませる』という、国民をナメた政治運営の稚拙さ幼稚さと、権力主義的な強権ぶりが、ないまぜとなった不気味な政権です。教育基本法の改正、防衛省昇格とも小泉政権が政治日程に乗せた積み残しです。それを安倍首相は『小泉路線の継承』と言った手前、片付けなければ、と圧倒的な数の力で押し切ってしまう。なぜ、歴代政権が成立に躊躇したのか自分たちの頭で考えず、“危険領域”にスイスイ入っていくから恐ろしい。安倍内閣には『どうして人殺しはいけないの?』と真顔で他人を切りつける少年に似た危険性を感じます」(法大教授・五十嵐仁氏=政治学)

 国民が「あんな薄っぺらい首相には関心がなくなった」とソッポを向くうちに、安倍首相は何をしでかすか分からない。

◆ 取り巻きも単細胞と自己顕示欲でバラバラ ◆

 安倍首相が苦労知らず、世間知らずのボンボンでも、周りをシッカリした政治家で囲むなら救いもある。しかし、その周辺までヒドイのが安倍内閣だ。

 中川幹事長は復党問題を3ヶ月もダラダラ長引かせ、「処理能力なし、何を考えているのか」と党内でバカにされている。それを挽回しようと道路特定財源問題で、「揮発油税も法改正すれば、国民に評価される」と官邸をそそのかしたが、何の根回しもせず、案の定、カラ騒ぎで潰れた。

 「今自民党内で最も評判の悪いのが幹事長。党のトップを皆が毛嫌いする珍しい政党です」(政治評論家、有馬晴海氏)

 と思えば、中川昭一政調会長や麻生外相は核保有論でいらぬ摩擦を引き起こし、「やめろ」と注意されると逆に意地になって問題発言を続けている。本業の方はそっちのかだ。

 久間章生防衛庁長官は「」一見、「北朝鮮を刺激するのはまずい」「イラク戦争は間違いと言えば間違い」などマトモな発言をしている。それなら防衛トップを辞めて首相を諫めればいいのに、その気はないから分裂症のようなものだ。

 「官邸スタッフもお粗末です。安倍首相という人は、嫌がられることからは逃げ、キレイ事しかいわない政治家。それを補うのが塩崎官房長官と5人の補佐官のはずなのに、全員が自己顕示欲だけのタイプ。」

 「目立つことは好きでも、きちっと裏方をやれないから、バラバラになっていて、”官邸機能せず”なんて言われている始末です。不祥事の説明に追われる官房長官は会見でムスッと不機嫌顔丸出し、広報の世耕補佐官は、テレビだけに首相を出させようと勝手に決めて、新聞社から総スカンを食っている。首相が自分と同じレベルの”仲良しクラブ”を集めたから、この程度と言えばそれまでですが、まるで県議レベルの政治です」(前掲、政治評論家、有馬晴海氏)

◆戦争とイジメは好き◆

 今問題の愛人付き税調会長も、首相と官房長移管、幹事長の人選だ。少しは周囲の評判を聞いてから起用すればいいのに、それができないところに安倍政権の限界がある。

 しかし、このお粗末政権が、困ったことに戦争と庶民イジメだけは大の得意だから、ソッポを向いて見過ごすわけにはいかないのだ。

 「安倍政権はイメージ先行だけの空っぽ内閣。正体が見えれば支持率が落ちるのは当たり前ですが、そうなると安倍首相はますます国政や景気対策をほったらかして、得意分野の憲法改正や北朝鮮挑発にのめり込む。国政で行き詰まると、国民の関心を外に向かわせようとするのは三流指導者がよく使う手ですが、安倍首相もまさにこのタイプです」(政治アナリスト、伊藤惇夫氏)

 19日の会見でも、教育基本法に続く改憲スケジュールを語っていた。それが、”幼児に刃物”となるのは確実だが、ストップをかける有能ブレーンがいないことが安倍政権の悲劇。ほったらかしの国民生活の面でも、財界や財務省に嫌われないように、企業減税や大衆増税、消費税アップは丸呑みの雲行きだ。安倍政権は、ある意味、低級で軽いが故に最も怖い政権なのかも知れない。