首長交際費ランキング結果と要望について

長野県県知事、長野県内市長　殿

　2006年7月18日　
信州市民オンブズマン　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　代表幹事　松　　葉　　謙　　三
　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　同　　　宮　　澤　　幸　　治


　2005年1月から12月までの長野県および県内の市の首長交際費を情報公開請求し、情報公開条例の内容、首長の交際費による宴会出席回数、公費を支出することが特に不当と考えられるものの支出回数、情報公開度などを検討し、ランキングを作成した。

　各自治体の首長の支出内容を点検したところ、宴会に支出しているものが圧倒的におおく、その次は香典でした。宴会は飲食により個人が楽しむのが主であり、癒着にもつながる可能性が高く、市民が苦しい生活費を節約して負担する税金で巣出すべきではない。

　香典も特定の個人に対し支出するのは、不公平であり、多くの交際費は必要性があるとは考えられない。ほとんどの交際費支出は不当なもので、その実態は市民の目で見て嘆かわしい限りです。

　ランキングの結果と要望事項は以下のとおりです。

第1　 要望の趣旨

各自治体首長に対し、以下の見直しを求める。

１、首長交際費は、古い体質の名残であり、首長交際費は大幅に減額又は廃止すべきです。

２、首長は、公費での宴会出席はやめるべきです。

３、長野市は、首長交際費を宗教活動、政治活動（後援会、会派）、選挙活動関係に支出することは見直されたい。

４、佐久市、中野市、上田市、須坂市は、市長交際費の支出のあり方、情報公開のあり方など全体を大幅に見直されたい。

５、茅野市、小諸市は、市長交際費の支出方針を大幅に見直されたい。

６、飯田市、東御市は、情報公開のあり方を大幅に見直されたい。


第２　採点の基準など（表１ないし表５）

１、 配点

�@情報公開条例の良し悪し　20点　　�A首長の宴会出席回数　30点

�Bその他不当支出回数　　20点　　�C情報公開度 　30点

２、 主な採点基準

�@ 条例の良し悪し

　「組織的管理」を5点、「決済が必要である」を0点とした。請求権者を「何人も」としたのを10点、「市民」としたのを0点とした。議会も実施機関としている場合は5点、そうでない場合は0点とした。

�A 情報公開度について

　どの範囲の個人名を非公開としているか、中身まで非公開としているか、につき、表３のとおりの採点基準とした。

�B 首長の宴会出席回数

出席回数0回を30点、100回を0点とするため、「３０−回数＊０・３」とした。100回を超えるとマイナス点となる。

�C 表５記載の不当支出回数

0回を20点、４０回を0点とするため、「２０−回数＊０・５」とした。


第３　ランキング結果（表２）

１、総合ランキング（表２、表７、図７）

�@長野県が１位

その原因は、知事交際費による宴会出席がゼロであることが最も大きく、その他、情報公開度など平均的によいことが原因です。

�A佐久市が最下位

その原因は、市長の宴会出席回数が１１７回、市民しか情報公開請求できないこと、個人名をすべて非公開とし、内容も一部非公開とするなど、情報公開度が０点ときわめて悪いなどです。

２、首長の宴会出席回数ランキング（表８、図８）

�@長野県知事は、知事交際費から一切宴会費用には出費していない。

�Aこれに対し、茅野市長、長野市長は、実に、１９７回、１４０回と格段に多い。

３、 不当支出回数ランキング（表９、図９）

�@ １位は東御市であるが、不当支出の典型例はなかった。

�A 最下位は長野市である。長野市は、主として宗教行事と推定されるもの、議員の後援会、議会の派閥の懇親会、葬儀以外のしのぶ会、盆見舞いなどが合計４７件と２位佐久市の２倍以上と抜群に不当支出が多かった。不当支出の典型である宴会への出席１４０回もあり、市長交際費の使い方を大幅に見直す必要性がある。


４、 情報公開度ランキング（条例点も含む）（表６、図６）

�@ １位は、５０点の駒ヶ根市であるが、条例に問題はなく、個人名、内容をすべて明らかにしている。

�A ２位は、松本市、茅野市、長野県である。条例に問題なく、「見舞い」だけ個人名を非公開としている。

�B 最下位は佐久市である。条例に問題がある上、個人名をすべて非公開とし、内容も一部非公開としている。その上は、中野市で、条例に問題があり、しかも個人名をすべて非公開としている。

�C 公開度0点は、上田市、佐久市、飯田市、東御市である。飯田市、佐久市、東御市は、個人名を非公開とし、さらに内容も一部非公開としている。上田市は、個人名とほとんどを非公開とし、さらに、内容まで非公開とするものが多くあり、0点とした。

�D 個人名といっても、首長交際費から支出する相手は、ほとんど、公人に近い者であり、非公開にする理由はない。