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「風のひと、土のひと」 色平哲郎氏に会う
青山 貞一

掲載日:2004.7.11
 
 7月上旬、佐久平駅前の長野県勤労福祉センターで池田こみちさんや県議会議員の皆さんと講演会とパネル討議を行った。そこに聴衆として南相木村で診療所長として無医村医療に孤軍奮闘される色平哲郎医師が参加されていた。

 講演会終了後、色平さんとはじめてお話しする機会を得た。

 翌日、佐久平から南相木村まで1時間弱、車を飛ばし長野県厚生連 佐久総合病院内科 南相木村 国保直営診療所におじゃました。前日の豪雨、雹などと打って変わり、この日は晴天だ。

南佐久郡、南相木村の位置、佐久市から南相木村(川上村の北)へは車で約1時間
長野全県地図

 山間僻地の無医村と勝手にイメージしていた私だが、色平さんが所長を務める診療所は診療所は、なかなかどうして立派な施設、設備をもつ診療所だ。

南相木村の診療所に到着 色平医師
色平医師 色平医師との議論

 到着後、色平さんを対象としたNHKのドキュメントのVTRを見た後、1時間ちょっと、色平さんと私たちとの議論になった。

 色平さんは、前日、池田こみちさんの講演のなかにでてきて、「レセプト」の説明を皮切りに、滔々と日本医療の問題点、長野県の医療の問題点について話された。

 色平さんと池田さんは、長野県総合計画審議会の委員として審議会では席を並べているだけでなく、ともに医学、医療分野にいる(いた)者同士、話が大いに弾んだ。

 ご承知のように、南相木村にある色平さんの診療所には、全国各地から無医村医療のあり方、将来医師となる医学生がひっきりなしに研修に来ている。

 環境と医療の違いはあるが、色平さんとの短い議論から多くのものを学んだ。

 以下は色平さんのホームページの巻頭にある晏陽初氏の「人々の中へ」です。

人々の中へ行き
人々と共に住み
人々を愛し
人々から学びなさい
人々が知っていることから始め
人々が持っているものの上に築きなさい

しかし、本当にすぐれた指導者が
仕事をしたときには
その仕事が完成したとき
人々はこう言うでしょう
「我々がこれをやったのだ」と

――晏陽初  Yen Yang Chu (1893-1990) ――

 以下は色平さんについて書かれた本の紹介です。

 

色平哲郎の本(1)
ノンフィクションライター 山岡淳一郎著 まどか出版 ¥1,600

東大中退、海外放浪を経て京大医学部卒後、村の医者になった熱血漢の半生

村医者(長野県南相木村国保直営診療所長)は田中康夫・長野県知事の若きブレーンとして長野を見直し、そして医療の理想を問いつつ改革者として日本を、世界を見直した。

風のような医師から土の医者へ
第一線の地域医療医・色平哲郎君は、
本書のなかで「人間性」を愛とやさしさをこめて全身で語っている。その心は澄んでいる。医者をめざす人、保健・医療・福祉に携わる人、すべての人に読んでいただきたい。
佐久総合病院長  清水茂文