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ローマ法王、平和と宗教間の
対話呼びかけ、各国から追悼

CNN
掲載日:2005.4.3

2005.04.03
Web posted at:  15:13  JST
- CNN



バチカン市国(CNN) ローマ法王ヨハネ・パウロ2世(84)の死去を受けて、世界各地で次々と追悼の声や祈りがあがっている。カトリック信者からはもちろん、信者ではない人々からも、平和の祈りを携えて精力的に世界各地を回った法王に称賛の声が集まっている。

ヨハネ・パウロ2世が「カロル・ユゼフ・ヴォイティワ」として生まれた故郷ポーランドのクラクフでは、法王が1958年から即位の78年まで務めたクラクフ大司教の居宅前に、市民数千人が集まり、祈りを捧げた。

各国指導者も次々と追悼の意を発表。労組「連帯」の書記長としてポーランド自由化を推し進めたワレサ・ポーランド元大統領は、ポーランド出身の法王の存在が、東欧革命の実現にはかりしれない影響を与えたとコメント。「(法王なくしては)共産主義の終焉はなかったか、もっと後のことになっていた。そしてもっと血なまぐさいものになっていたはずだ」と述べた。

ブッシュ米大統領は喪服姿でローラ夫人を伴いホワイトハウスで会見し、「世界は人間の自由のために戦った指導者を失った。神の良き忠節なるしもべは、神のもとに呼び戻されたのだ」とコメント。「ヨハネ・パウロ2世は、人間の命の尊厳を見守る存在として即位し、同じようにその座を去られた。法王に見守られ、故国ポーランドは東欧をかけぬけた民主革命の先駆けとなり、歴史を変えた。法王に見守られ、われわれは強き者が弱者を守る『生命尊重の文化』を築く義務を、改めて思うようになった。

また晩年において法王は日々、病と苦しみの中にあって偉大な勇気を見せてくださり、われわれを今までなく強力に揺り動かした」とブッシュ氏は述べ、「私たちは忘れない。慎ましく賢く恐れを知らない司祭が、やがて歴史上で偉大な精神的指導者のひとりになったことを。ポーランドの子供でローマの大司教となり、そして英雄としていつまでも語り継がれる、このような人をこの世に使わした神に、私たちは感謝する」と称えた。

フランスのシラク大統領はコメントで、「カリスマに溢れ、揺るぎない信念と情愛に満ちた法王は、福音のメッセージを世界に伝え、国際社会にかつてないほど響き渡らせた」と称えた。

アナン国連事務総長は、法王が国連を大いに支持していたことに感謝し「この世界のことをとても心配しておられ、私と同様に、戦争においては全員が敗者だと感じていた」と述べた。

イスラエルのシャローム外相は声明で「法王は宗教間の理解と対話を推進した。また過去と対面する意欲を示し、全ての信仰が互いを理解し友愛の精神で結ばれる未来を作ろうと信念を抱いていた」と称えた。

パレスチナ自治政府のアッバス議長は「平和と自由と平等を守るため人生をかけた、偉大な宗教者として、その不在を悲しく思う。法王はパレスチナ人の権利、自由と独立を擁護してくださった」とコメントした。

AP通信によると、キューバのロケ外相は緊急会見を開き、「深い悲しみ」を表明。法王は98年1月にキューバを初訪問し、カストロ議長と親しく会談した。