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証取法はあくまでも捜査の入り口
〜ホリエモン逮捕あるか〜

日刊ゲンダイ

2006年1月18日
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■ ホリエモン逮捕あるか
■ 今朝まで捜索12時間
■ 早朝5分の会見 正体暴露“ヒルズ族”株成り金
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株価つり上げの風説流布、水増し決算など疑惑ゾロゾロ
そもそもウサン臭い人物だったが…
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 きのう(16日)、東京地検特捜部と証券取引等監視委員会(SESC)は「ライブドア」の関連会社「ライブドアマーケティング」(港区、岡本文人社長)に対する証券取引法違反(風説の流布)容疑で、ライブドアやホリエモンの自宅など十数カ所の家宅捜索を行った。

 ライブドアマーケティングは2004年10月に出版社マネーライフを株式交換方式で子会社化すると発表したが、ライブドア側はそれ以前の6月までに同社の株を買収していたため、「虚偽の情報を流した」証取法に抵触するというわけだ。

 突然の家宅捜索にマスコミも騒然となったが、この捜索は周到に準備されたものだった。捜査事情通が言う。

 「証取法はあくまでも捜査の入り口。マーケティング社には、04年の第3四半期の決算で株価をつり上げるために売上高などを水増しした疑いもあるのです。昨年春、ライブドアが時間外取引でニッポン放送株を大量取得し、外資のカネで乗っ取りを開始した段階から、地検とSESCは内偵・調査を開始していました。乗っ取りだけでなく株の分割の倍々ゲームに違法性がなかったのかなどを精査していたが、昨年秋にマーケティング社の一件が出てきました。マ社のトップはホリエモンではありませんが、捜査当局はホリエモンが社長の企業の不正も視野に入っているといわれます」

▼ 叩けばホコリだらけのライブドア ▼

 よく知られるようにホリエモンの錬金術は常軌を逸した株式分割にある。1株を2株に分割すれば流通株数は2倍、価格は2分の1になり一般投資家が株を買いやすくなる。しかし、すでに株を持つ投資家に分割した株が渡るのは50日後というルールがある。たとえば100分割した株券のうち99株は50日後に株主の手元に届くまで売ることができない。その間、株価は100分の1になっても流通株数はそのまま変わらないいびつな状態になるため、株価は上昇、時価総額を飛躍的に増やせる。

 結局、ライブドア株は1株が3万株に分割され、時価総額は1兆円にも膨らんだのである。こうした企業実態とかけ離れた株式分割は証取法157条の偽計取引にあたるといわれ、「ライブドアはとっくの昔に刑事訴追されても不思議ではない」(早大教授・上村辰男氏=商法・証取法)という専門家の指摘がある。

 叩けばホコリがもうもうのライブドアである。

◆ 「時価総額経営」というインチキ ◆

 ライブドアに司直の手が入ったのは、遅すぎたくらいだ。マスコミは「IT企業だ」「勝ち組だ」と持てはやしてきたが、やっているのは単なる乗っ取りである。

 株式分割、第三者割当増資などの“相場技術”を駆使して自社の株価を吊り上げ、その株を使ってM&Aで事業規模を拡大してきただけのことだ。

 「ライブドアは典型的な時価総額経営です。とにかく株価を上げて優良企業を買収し、買収したことでまた株価を上げるということを繰り返してきた。だいたいライブドアだって、堀江社長が創業したものではない。知名度はあったが、経営難に陥っていたライブドア社を、当時『オン・ザ・エッヂ』というホームページ制作会社を経営していた堀江社長が2億円で買収したもの。とうとう昨年は、売上高で6倍もあるフジテレビをのみ込もうとしたわけです」(経済ジャーナリスト・松崎隆司氏)

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■ 株式市場“ホリエモンショック”で売り先行 上昇相場の2本柱崩壊
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個人投資家 新興株急落で“ダメージ”
海外投資家 日本企業不信で“撤退”も
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 “ホリエモンショック”で17日の株式相場は売り先行で始まった。ライブドア関連銘柄が売られるだけでは済みそうもないからで、「上昇相場に冷や水を浴びせかねない」(中堅証券)との懸念が現実になった格好だ。

 まず、ショック安が避けられないのは新興市場だ。ライブドアが上場している東証マザーズなど新興市場は、連騰に次ぐ連騰で“過熱ゾーン”に入っていたからだ。

 「年明け以来、第1部市場が調整色を強めているため、ネット投資家の資金は新興市場に流れ込んでいた。そのためライブドアや、事件の舞台になったライブドアマーケティングが上場している東証マザーズは、統計を取り始めて以来の最高値更新。ジャスダックスは17連騰といったバブル状態になっている。ライブドア関連銘柄の投げ売りで新興市場が崩壊すると個人投資家に大ダメージを与える。海外勢とともに上昇相場を牽引してきた一方の柱を失うことになりかねません」(株式市場アナリスト) ホリエモン帝国の没落は国内投資家より、海外投資家に深刻な影響を与えるとの見方も強い。


─ Dailymail Sportsより
■ “インチキ”ライブドア家宅捜索でプロ野球界に
これだけの重大影響
■ ホリエモンの球界進出はもちろん
■ 同じ穴のムジナと見られてIT企業も出る幕なし
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▼ これまでのやり方に「正体見たり」の声も… ▼

「正体見たり、という感じですね。ライブドアのようなIT企業は資金がない。取り締まる法律がないというので、インサイダーのようなやり方で資金を転がして、増やしてきた。IT企業は株価を上げることが命綱。それには手っ取り早く知名度を上げることです。2年前の球界進出もそのためだった。今回のことでライブドアだけでなく、同じIT企業、ヒルズ族の株価、信用もガタ落ちでしょう。世間の人は同じように見ていますから」 こう言うのはIT業界に詳しい保険評論家の佐藤立志氏だ。

 巨人の渡辺会長も、「まあ、ああいう人だよ。ハゲタカファンドの運命はああいうものだ」 と語った。

 堀江社長のライブドアが企業買収をめぐって不確かな発表をした疑いが強まり、東京地検特捜部が証券取引法違反の疑いで六本木ヒルズにある同本社や堀江社長の自宅マンションなどを家宅捜索したのだ。

 ライブドアはときにルールや公共性を無視したやり方をしていると批判されてきた。それだけに捜査のメスが入ったことも「想定の範囲内」だったようだ。

▼ IT企業のイメージ悪化は必至 ▼

 堀江社長といえば2年前、プロ野球の近鉄球団買収に乗り出して失敗。楽天との新規参入競争にも負けたことは記憶に新しい。

 それでも球界進出を諦め切れず、広島あるいはヤクルト、横浜の買収計画も検討していたという。

「昨年の衆議院選挙で堀江社長が広島6区から出馬したのは、広島買収とのバーターといわれた。郵政民営化に反対する亀井静香の“刺客”となる代わりに、自民党の武部幹事長がカープ買収に力を貸すというものだった。実際、武部幹事長の息のかかった市会議員がカープ球団の株を持つ松田オーナーに、堀江社長に株を売れ、と働きかけたそうです」(地元関係者)