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ISO14001から何を学ぶべきか
〜信州大学農学部での講演から〜


青山貞一
 
掲載日2005年10月12日

 2005年9月30日、長野県の伊那にある信州大学農学部でISO14001に関連した講演を行った。

 今年2月、たまたま長野県上伊那地方事務所の依頼で地球温暖化問題の講演を伊那市で行った際、そこに参加されていた信州大学農学部の先生から信州大学農学部がISO14001の認証を取得するので、ISOに関する私の大学の経験について話をしてくれないかと言う依頼を受けた。

  青山貞一:台所からの地球環境〜京都議定書の発効を経て〜
 
 この日、私は、「わたくしたちはISO14001から何をまなぶべきか〜武蔵工大環境情報学部の経験から〜」と題して、約1時間30分講演し、約1時間、参加された教員、職員、学生、院生等との間で質疑を行った。


 
 
 私が在籍している武蔵工業大学環境情報学部(横浜キャンパス)は、日本で最初に大学でISO14001の認証を1998年に取得している。
 
 その後、7年を経過しているが、私は昨年来、武蔵工大横浜キャンパス全体の環境管理責任者をしている。

 そのなこともあって、武蔵工大環境情報学部の経験を話すことになった。

 信州大学農学部は100年以上の歴史を持つ農学では全国的に著名な大学である。

 行ってみて分かったのだが、キャンパスの面積が何と50ヘクタール以上あり、徒歩で一周するだけで40分以上かかるという。おそらく日本広しと言え、一学部で50ヘクタールは信州大農学部だけではないだろうか!



 その伊那キャンパスに東京から行くには、新宿駅西口から高速バスで3時間30分ほどかかる。キャンパスは、中央道「伊那インター前」のすぐ近くだ。当日、インター前で降りると、中堀先生が出迎えてくれた。講演は、農学部でもっとも新しい大きな階段教室で行った。

 ところで、講演では大学としてISO14001の環境管理システム(EMS)を大学が取得することの「意味」に重点を置いて話した。とくに私の学部や信州大学農学部のように、もともと環境問題を教育、研究で扱っている大学では、いわゆる工場や工学部の場合と異なり、いわば本業で環境問題を扱っている。

 したがって、その本業、すなわち環境研究、環境教育と有機的に連携した環境マネジメントシステム(EMS)でないと意味がない。具体的に言えば、省エネ、省資源など数値で示せる環境目標とは別に、環境教育などのように定性的、間接的な環境目標を設定し、EMSのPlan→Do→Check→Actionにより継続的改善を行うことが重要となる。

 そのためにはEMSを教職員だけでなく、学生、院生、出入りの物品やサービス提供者を含めで動かすことが大切だ。実際、武蔵工業大学横浜キャンパスでは教員、職員、学生、院生など全員でEMSを動かしている。

 
つづく