久米ニュースステーション終了 青山貞一 |
昨日、久米宏キャスターによるテレビ朝日のニュースステーションが3月26日に終わった。 環境総合研究所とニュースステーションとの関係というと、誰しも「所沢ダイオキシン報道」と思われるだろう。しかし、私たち環境総合研究所がかかわったニュースステーションの番組には、ちょっと思い出すだけでも以下のように本四連絡架橋鉄道騒音問題にはじまり、たくさんある。いずれも思い出深いものばかりである。 出典:本四公団 ●本四連絡架橋鉄道騒音問題 4本 ●羽田空港新滑走路による騒音問題 1本 ●湾岸戦争の環境影響問題 6本 ●所沢ダイオキシン問題(土壌汚染)1本 ●所沢農作物ダイオキシン汚染問題 4本 ●新横浜ワールドカップサッカー場周辺ダイオキシン問題 未放映 ご承知のように、久米さんの評価はいろいろあるし、あってよい。 久米さんは歯に衣着せぬ物言いと言うより、ぽろっと本音を言ってしまう。それも事前の打ち合わせを無視し、「生番組」で何でもかんでも言ってしまう。番組が終わる前はCMの前にぽろっと本音を言ってしまう。そんなところに、最大の個性と価値があったと思う。 他方、久米さんは政権政党、とくに自民党を公然と真っ向から批判してきた。その結果、自民党にニュースステーションは徹底マークされ攻撃を受けてきた。よく言われるのは、事実と意見(価値判断)をないまぜにする、と言った批判だ。確かにこれはごもっともだが、久米さんは、それを何ら意に介せず、視聴者に向かって久米流を貫徹した。キャスターは原稿を読み上げるアナウンサーではない。まさにたたかうキャスターであったと言える。 一口で言えば、政権政党に喜ばれるような政府広報的な報道や大本営的な報道は到底報道とは言えない、と言う意味で久米ニュースステーションは、報道の本道を歩んできたことになる。 民放がみんなNHKになってしまった、と思うとぞっとする。イラク戦争報道における某局ワシントン支局長のコメントを思い起こせば十分だ。まさにあのときは、支局長のコメントはブッシュ政権のホワイトハウス報道官の大本営発表の感すらあった。 私自身、久米さんに言いたいことは多々ある。が、それは別の機会とし、上記番組との関連で、自分の思い出を述べてみたい。 |